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貴投稿を読んでの雑感 投稿者 匿名希望 日時 2002 年 8 月 30 日 18:04:23:

(回答先: Re: 訂正 積立預金と当座預金 投稿者 一般人 日時 2002 年 8 月 30 日 15:50:29)

貴殿とのダイアローグを閲覧者の鑑賞に耐える水準のものにするためには、貴殿と同様私も自らの文明観や文化観を詳述する必要があるのでしょう。この分野の特徴は、ひとことでエッセンスを表現することが困難で、それゆえ勢いレスが長くなるということでしょう。貴殿の投げかけるサブジェクトにつき、気の向くままに豊富な事例を交えつつエッセイを綴るのも興をそそられる面がありますが、それを敢えて抑制し、簡潔にいくつかの点につき回答を試みたいと思います。

>容易な官僚主義を容認できない私と官僚個人のもつ官僚主義を是とする私の立場から、これからの国家の中心を担おうとする官僚による統治状態をみたとき、限りなく君主に近づこうとする官僚による、立憲君主制に近い官僚主導の民主的統治を目指そうとしているようにみえます。

私自身は言うまでもなく現在の日本の政体を認めるものであり、民主代議制の意義も理解しています。しかし同時にこのシステムが衆愚政に陥る危険性も意識しているものであり、我が国の場合はこれを防ぐ手だてが官僚制だと考えています。

>しかし、官僚の世代交代をどういうシステムでやるかが鍵になるかも知れませんね。君主制も皇位継承が常に問題になるのですから。そういった、世代的時間系列についての考察もされているのでしょうか?また、ファシズムに流れる可能性も否定できません。

試験制度の維持により常に能力の優れた者を登用できる仕組みがあれば問題ないでしょう(ちなみに、ここで言う能力とは統治や行政に関連する能力であり、芸術、スポーツ、学術などに必要な能力との直接の関連は考慮外です)。尚、ファシズムの発生経路に関しては、官僚制がその発露となったという歴史的事例を寡聞にして知りません。ファシズムの背景には常に民衆の熱狂とカリスマ的個人のタレントのいずれか又は両方が存在するのではありませんか。

>戦後から高度成長期にかけて非常に短絡的なビジョンからスギの植林を大々的に行い百年も経たない今、ただのお荷物になってしまったのはどうしたことでしょう?結局、江戸時代から比べても、普通預金的ビジョンしか持ち得なかったことが、あるいは現象に対する政策ビジョンしかなかった事が一つの敗因であるように思えます。

江戸期の再評価を試みる歴史家達の近年の労作にはそれなりに目を通していますし、一定の評価もしています。しかし、明治維新以降我が国は完全に国際社会に編入されていったのであり、そのキャッチアップ過程で犠牲になった産業があったのは(例えば林業)ある面やむを得なかったとも言えます。米国やEU諸国と完全に肩を並べる存在となった今こそ、彼らと同じ土俵に立ち、堂々と日本の立場を主張してゆくべき時代に入ったと言えます。その意味で我が国の農業や林業をあり方を新たな視点から根本的に捉え直す必要があり、農水省の役割はいま非常に大きいと言えます。BSEや食品監視問題に振りまわされているヒマはありません(将来を見据えたビジョンや政策の策定に比較し、監督行政など何ランクも下がる仕事で、それすらまともにできていないわけですから)。他の省庁の悪口は御法度ですが、後手後手に回る彼らの手法を見ていると「もっと頭を使えよ」、とどやしつけたくなります。

>「成長そのものを疑ったり、別の幸福のパラダイムを考えたりせず」に業務実施の段階でどうなっていくと思われますか?その段階では物事をオートマチックに処理することにたけた「ガリ勉秀才」が待ち受けているわけです。金太郎飴式にパターン化された政策が施行され、口を開けた小学生、中学生に振り分けられるだけで、これまでと何ら変わることのない世界が展開するだけであることの方が自明である気がします。

成長そのものを疑ったり、別の幸福のパラダイムを考えたりするのも重要なことでしょう。しかし、それは民主国家における官僚の仕事ではありません。基本的には個々人の問題であり、そういう個人の変化が大勢を占めた時に社会が変わって行くのでしょう。そこまで「善導」したり支配したりするのはさすがに行き過ぎと感じます。

>現代の日本人は経済も含めた「文明」と言う部分に重心を置きすぎている気がします。「文明」とは生産に寄与するものですが、生産されたものは消費しなければなりません。消費の結果生まれるものこれが「文化」です。したがって、如何に豊かな生活が達成できたかを知る為にはある程度の具体的な文化を知らなければならないのだと思います。そして、計画的に政策を展開するのならその達成度というのは、文化の指標によらなければならないのだと思います。

この貴殿の文明・文化観は興味深く感じましたが、必ずしもおっしゃる面ばかりではないと思います。例えば日本独特の組織の作り方、組織内での人間関係の取り結び方、それを通じた高い品質の産出、これらは明らかに広い意味での現代日本の文化とも言うべきものですが、消費ではなく生産に関連したものです。満ち足りた消費の後に文化が生まれるという見方も確かに真理の一面でしょうが、(私の偏見かも知れませんが)飽食の後に生まれた日本の文化で世界に誇れるようなオリジナリティや価値を有するものは少ない気がします。

>不必要な人間が多すぎて、必要な人間が足りない、全く足りない。と言う実感はあります。ただ補填する人間を決める価値基準、採用基準が非常に気になるところですが。

最初から心根の卑しいままに役人になるものは皆無とまでは言いませんが、ほとんどいません。肝要な点は、(口先では何とでも言える)採用時の本人の志の高さや(主観的に傾きがちな)人物本位と称する採用基準をあれこれいじることではなく、モティベーションを維持させることのできる魅力的な組織のあり方でしょう。

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