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Re: 偉大なる書記長 投稿者 匿名希望 日時 2002 年 9 月 25 日 05:35:20:

(回答先: 偉大なる書記長 投稿者 書記長 日時 2002 年 9 月 24 日 18:29:51)

一党独裁政党としての共産党と民主的プロセスを経て政権を獲得した共産党とは当然ながらその性格は全く異なります。後者は民意によりいつでも退陣させられる可能性があるものです。

私は、様々な国が様々な発展経路を取ること自体を否定するものではありません。ある国は君主制でも良いし、別の国は共産党を政権与党として選ぶ事が合理的な場合もあるかも知れません。しかし、革命以外に政権交代の可能性のない一党独裁制は認められません。幾ら取り繕ってもそのような政体はファシズムです。また、鎖国して生きていくのでない限り、不自由があってもルールに則った行動を取るのは当然のことです。

いかなる統治形態も神ならぬ人間が執行する以上、無謬ではあり得ず、独裁制下では批判勢力は必然的に弾圧されます。素晴らしき独裁者がこの上ない善政を施してくれる、というのは変種のユートピア思想とも言えます。擬似独裁が必要とされるのは本当の意味での国家危機の時期に厳しく限定されるべきです。

過去何百年かの世界秩序を作り上げたのがアングロ・サクソンであり、それに即した彼らの振るまいが横暴に映る面があることは否定しません。英米指導者はバカではありませんから、なぜそうした反発があるのかなど先刻承知の上で彼らの論理を主張しています。スーパー・パワーでない国は、この論理に沿うのか、敢然と反旗を翻すのか、面従腹背するのか、自らの国益を考えつつ立場を表明して行かなければなりません。米英に手本とすることなどひとつもない、日本は独自にその歩むべき道を追求すべきだ、とする貴殿のようなお考えの人々が大半を占めれば、自動的に我が国も変わってゆきます。私はそうなるとは思いませんし、そうなることには反対です。 今の世界秩序を基本的に是認しつつ、問題点への対処は別途検討する、と構える漸進主義・修正主義でなければ現在の安全保障も豊かさも覚束ないものになると考えるためです。

また、英国なり米国が本当にゴリゴリの自由経済主義一辺倒の国かどうかは様々な角度から検証した方が良いでしょう。自由主義、市場主義が社会の原動力になり、同時に矛盾を生み出している元凶であることそのものは疑いありませんが、物事は一面だけではありません。

例は幾らでもありますが、例えば労働組合はどうですか。経済の低迷で日本の労組は牙のない番犬に成り下がりましたが、米国はたとえ会社が潰れても引かないほど労働者の権利を主張する強行さをいまだに持ち合わせています。独占禁止法はどうですか。米国基準で見ると日本に独禁法などなきに等しい。社会の底辺を支える教会を始めとするコミュニティが日本にありますか。資本主義的枠組みを離れたNPOの本格的な広がりが日本で見られますか。一度起業で失敗したら二度と立ち直れない日本のシステムの方がよほど残酷な弱肉強食ではありませんか。

どういう社会に暮らすのが幸福であるかは人によって感じ方が異なるでしょう。今のような過酷で荒廃した日本よりもオレは貧しくともある種の安定性があった江戸時代に生を受けたかった、という人も当然いるでしょう。多くの人々が江戸時代を希求するなら、我が国がそういう統治の仕組みと社会論理の国に変わっても構わないと思います。アラブであれ、他の地域の人々であれ、視野が広げられる権利があるはずです。さまざまな社会のあり方を検討した結果、やはり今のスタイルが良いならそれを選び取れば良いのです。その自由は世界中の人々に開かれているべきで、それを志向することも自然なことだと思います。何も米英の専売特許ではありません。ましてや独裁者が人民に与えてやる類のものでもありません。

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