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対アジア外交はここ1年が正念場です 投稿者 あっしら 日時 2002 年 9 月 29 日 13:47:49:

(回答先: Re: 戦後世界観と日本のアジア政策 投稿者 匿名希望 日時 2002 年 9 月 29 日 04:49:36)

レスありがとうございます。

貴殿が立場の衆知を前提に論を展開しているのと同じかもしれませんが、牽強付会や妄想と切って捨てられることを避けつつ、いわゆる“世間知”ではない現実認識を示すことが当サイトにおける自分の役割だと考えています。

世界認識・他者認識・自己認識において冷静かつ論理的な思考に終始されている貴殿を失礼ながら高く評価していますが、現実の“世間知”を発信する人々の多くは違います。
(おかしな言い方になりますが、世界経済支配層が合目的的な論理思考をきちんと行っていれば価値観抜きで評価します。対米追随主張も、全面的にとは言いませんが、ある程度まで見通したなかでなされるのなら、それはそれでよしだと考えています。価値観の対立と論理の対立は峻別しなければならないと考えています)

自身を省みての結論ですが、人は、政治や経済も含む世界観・自然観という抽象的な思考体系内容に対して“個人の自由”を保つことは不可能です。
抽象的な思考体系とりわけ価値観は“特殊環境”の自−他関係性のなかで醸成されるものであり、敵視象に関してよく使われる「洗脳」と言っていいものです。
自−他関係性のなかで醸成される世界観が理解可能もしくは敵意を催さないものであれば問題視することは少ないのですが、理解できないことや危ういと感じることをきっぱりと主張する“ごく少数派”は「洗脳」されているというレッテルを貼ることになります。

軽軽に「洗脳」やマインドコントロールという表現を使う人たちこそ、自己の精神の形成過程を疑うべきです。
多数の人に「洗脳」とは思われないのは「良い洗脳」であり、多数の人に「洗脳」と思われるのは「悪い洗脳」というだけの違いです。

少しずれた話になりましたが、思考の基礎になっている価値観を知ってもらうのも悪くないかなと思っています。


>例えば中東情勢において、その根幹に存在するのはイスラエル・パレスチナ問題で
>す。ここに軍事的空白ができると、ほぼ確実に核戦争になります。話し合いで解決な
>どできないことはこれまでの歴史が証明しています。どちらかが滅亡するまで殺戮が
>続きます。アメリカが引けば他の先進諸国が何らかの秩序作りに奔走せねばならない
>ことになりますが、スーパー・パワーのアメリカ主導の体制よりも統制力が弱くなる
>事は明白です。「過渡期的混乱は仕方ない」などと悠長なことを言っている内に物凄
>いジェノサイドが起きます。

「イスラエル・パレスチナ問題」は、話し合いで解決できないとは思っていませんが、話し合いによる解決がきわめて困難なテーマだと考えています。
数次に渡る中東戦争で、正規戦によるアラブ側の勝利がないことは理解されていますから、核戦争になることはありません。イランやイラクが相手なら核攻撃も可能ですが、隣接し入植地も網の目のように入り組んでいるパレスチナ相手に戦術核さえ使うわけにはいきません。

パレスチナの“自爆テロ”とイスラエルの報復軍事侵攻という構図は、渦中にいる人々には恐縮ですが、将来における話し合いでの解決をもたらす好ましいものだと思っています。(持たざるパレスチナと持てるイスラエルが肉弾消耗戦を続けたとき、政治的にどちらが先に参るかは自明です)

米国及び米軍の“空白”がとんでもない事態を招くというのは、米国がプレゼンスを正当化するためのロジックでしかありません。
米国統治者以上の“知恵者”は、世界各国に存在します。米国の影響力が消えることで避けられない過渡的混乱のなかで、知恵が現実化していきます。

中南米でわかるように、負けそうな勢力に米国が軍事的肩入れを行うことで紛争が長期化し深刻化してきたのが歴史的現実です。

ユダヤ人もシオニストばかりではありません。(人口分布を見れば分かるように、シオニストは少数派です。入植地に入っているユダヤ人は、ロシアの経済疲弊者たちが多く、シオニストという思想とは直接関係ありません)
ユダヤ人には名だたる知恵者が数多くいますから、米国の後ろ盾を失ったイスラエルを様々なかたちでサポートすると考えています。

>そもそも、米撤退に伴い、「よそ者」を気にする必要はなくなったわけですから、中
>台の並存という矛盾を放置して我慢している理由はありません。その意味で貴殿の言
>われる「軍事力の増強まで認める台湾への宥和政策」というのは絵空事にしか見えま
>せん。これは、現状の延長線上に貴殿のお考えがあるためと思われます。また、当の
>台湾側が「空白を埋めるために」大陸側に対する警戒を極度に高め、それに応じた体
>制を固めて行く事はむしろ当然と思われ、中台間の緊張が高まることは必至でしょ
>う。中国側としては事態の緊迫化や膠着化を招く前に電撃的な制圧を必要とするはず
>です。

「中台問題」は、ここ数年(1、2年)で解決のめどがつくと予測していますので、見守ることにしましょう。

キム総書記のモダニストぶりもこれから明らかになりますから、眺めることにしましょう。(政府当局は価値観受容の幅が狭いために、キム氏のモダニストぶりが理解できないのでしょう)

>今後の日本のアジア戦略は米国を抜きにして考えることはできませんが、仮に米国が
>アジアから引くようなことになれば、政治的孤立化は避けられない事態になります。
>そういう事態になったら、個人的には、中国との決定的対立は避けつつ日本は独自路
>線を歩むべきだと考えます(中国への朝貢外交=土下座外交への転換は図るべきでは
>ありません)。まぁ、仮定の話ですから突っ込んだ議論にしても仕方ないですが、米
>国が北東アジアから撤退する可能性よりも中国が分裂する可能性の方がむしろ高いと
>考えているくらいです。

「中国分裂問題」は、私も数度書き込みをしていますが、可能性が高い政治的変動です。
(笑い話になりますが、西部地域(ウイグルやチベット)を切り捨てた沿海部主体中国のほうが脅威ですし、台湾との統一もスムーズです)

私も、「中国との決定的対立は避けつつ日本は独自路線を歩むべき」だと考えています。
そのような独自路線の国内への跳ね返りを減少させるために、朝鮮半島政策をどううまく進めるかがポイントだと考えています。朝鮮半島・中国・ロシアという扇の要に日本がなれるかどうかの外交力が問われます。

そのために必要な思考営為は、かの戦争の「敗戦責任」を日本人が論理的に突き詰めそれなりの結論を出すことだと考えています。


「中国への朝貢外交=土下座外交」は行うべきではありませんが、稚拙な外交を行っていけば、否応なく朝貢外交=土下座外交に進んでいくことになります。(最後には、それが国民の安全のためであり、経済的利益でもあると正当化されるでしょう。それは、対米関係を顧みても分かることです)

繰り返しになりますが、北朝鮮との国交正常化交渉は、日本が対アジア外交を根底から見直す千載一遇の好機です。
この認識がないまま、ただ国交を正常化させればいいというかたちで交渉が進めば、日本にそれほどいい未来はないということです。

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