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民主主義について 投稿者 カレラ 日時 2002 年 10 月 10 日 09:19:40:

(回答先: イスラムを同じ経済システムに引き込む理由は? 投稿者 カレラ 日時 2002 年 10 月 10 日 04:01:00)

>戦後の政治的価値観や統治形態と戦前のそれらを歴史過程性を抜きに比較して論じることには違和感があります。

>戦前のそれらは敗戦によって廃棄を強いられたのであり、敗戦がなかったらどういう変容を辿ったかは憶測未満の話になります。

>英国やフランスの貴族による大土地領有が濃淡の違いはあると言え自営農民育成に移行したように、マサチューセッツで顕著であったような米国のピューリタン主義(議員や行政官は独立派ピューリタンに限定)が解消されていったように、戦前の日本型統治経済構造も変容した可能性は高いと思われます。
「大正デモクラシー」よりも大きな政治的価値観的うねりが日本を襲ったかも知れません。それが、近代的経済発展にとって必要なものと統治者にも理解される段階が訪れたはずです。

「歴史にIFは禁物」で「別の時代の統治形態を歴史的過程を無視して比較するのは意味をなさない」、という主張はそれなりに分かります。
しかし、同時に「賢者は歴史に学び、愚者は現実に学ぶ」というのも真理で、歴史を見渡す中で、時を超越して優れた統治形態が有り得るのか、
あるとしたらそれはどういうものか、を問うてみる姿勢を捨てるべきではないと思います。

確かに戦前の体制がそのまま温存されたとしても、ゆくゆくは戦後民主社会のようになったのかも知れません。
憲法を始めとする様々な民主的な仕組みも自国民が勝ち取ったものではなく、外から与えられたものであるのも事実です。
しかし、いずれにせよ、戦前の社会システムよりも戦後の社会システムの方が優れていることは否定し得ないわけです。
このアナロジーをイラクに当てはめると次のようになります。イラク人民も戦争に巻き込まれることになり、大変な災難です。
当時の日本人がそうであったように、民衆レベルでも多くがアメリカに敵意や憎悪を感じているかも知れません。
しかし,民衆が自分達の代表を自分達で選べるような仕組みになれば、かつての日本人やドイツ人がそうであったように、アメリカに
感謝するようになるかも知れません。今回の災難を奇禍とし、人民のための統治に近づく可能性があります。

あっしらさんの議論だと、民主主義などそれほど優れたシステムじゃない、要するにお前達庶民はつつがなく
暮らしたいだけだろ、統治のような高級なことは君らは考えんで宜しい、もっと頭の良い人が考えるから、と感じられることがあります(勘違いかも知れませんが)。
民衆はそう単純でもないし、バカでもない。全体主義下で弾圧を加えられたら、奮然と立ち向かうこともあるし、
自分達の選んだ真の偉大な指導者には不平をこらえて付き従うものです。

もっと言えば、たとえ民主主義が衆愚政治に堕すことがあってもその弊害は民衆が甘んじて受けねばならないものなのです。
ナチス以前のドイツも軍部台頭前の日本も民主主義でした。それが全体主義に乗っ取られ、米国に叩き潰される事でより
高次の民主主義へと発展を遂げたのです。だから、民主主義も生易しいものではない。厳しいシステムです。

自由主義も民主主義も地球上の辺鄙な西のはずれに生まれた特殊な思想であり、システムであって、世界中どこでも
適用できるものではない、と見る立場があります。しかし、私はそうは思いません。
人間は生まれ育つにつれ、自我を確立してゆきます。この自我は、自分の生き方を自分で決める、自己決定の
意志に繋がります。勿論、周りの様々な環境のもたらす影響は大でしょうが、自分にとっての世界が広がれば
広がるほどこの自己決定の欲求は強まり、それを阻害する要因を取り除こうとするように考えるのは極めて自然なことです。
この意味から、自由、民主という理念は実は宗教を超えているのではないか、人類に共通する普遍的価値を持つのでは
ないか、と考えるものです。

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