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やはり、「近代」ないし「日本の近代化」にたいする認識の相違が根底にあると思います。 投稿者 如往 日時 2002 年 10 月 24 日 09:20:31:

(回答先: 書記長流「安全保障論」による対外拡張は「世界制覇」まで終わらない 投稿者 あっしら 日時 2002 年 10 月 23 日 19:41:54)

 あっしらさん、こんにちは


 やはり、書記長氏とあっしら氏(多分私も含まれるでしょう)との峡間は「近代」ないし「日本の近代化」にたいする認識の相違で隔絶していると見受けられます。しかも書記長氏が日本の近代史の相対化に関して思考停止している現状では、果たして投げた命綱を諸手で受けとめられるかどうか、この峡谷への架橋は本当に難しいと言わざるを得ません。何れにしても書記長氏の牙城の内堀までもが殆ど埋め尽くされてしまった現在、その立役者であるあっしら氏にエールを送ることは、お二人のバトルの一興を殺ぐことにもなり兼ねないと危惧されますので、暫し差し控えてみたいと思います。しかしながら、Nationalist(?)には珍しく書記長氏が自ら内堀まで晒そうとしたことは称賛すべきと考えています。

 さて、戦前・戦中派のNationalistも生き残りの軍人も民主主義者と同様に戦争(準備期・開戦・戦間期・敗戦)を総括し得ず、また戦後派のNationalistも民主主義者と同様に敗戦責任を問うてはいません。唯、前者等は専ら擁護と回避に終始し、後者等は否定と無視を繰り返すばかりです。戦前・戦中派の佇まいは視座の軸を喪失して余りに諦念に充ちているが故に哀しく、戦後派の推察は他者による解放の果実を得て妙に透徹しているものになっているだけに余計虚しいものに映ります。つまり、あれほど苛酷な歴史的現実に見舞われたのにも拘わらず、大多数の戦前派や戦中派や戦後派が歴史に正面から対峙せぬまま自ら答えを出して来てはいないという、歴史的な空洞あるいは近代精神の不在の状況が今も尚継続しているのです。

 例えば、国民自ら自国の戦争を総括せず、国民自ら時の為政者に対し敗戦責任を問うこともなく、どうやって東京軍事裁判の不当性を主張できるのでしょうか。パル判決書や田中正明氏の研究を土台に概観すれば法律論の背後に潜むNationalistの心情を理解できない訳ではない、しかし残念ながらそれらは東京軍事裁判を戦勝国の横暴であると撥ね付けるに値する力を有するものではありません。この問題を乗り越えるためにも、敗戦処理と戦後復興のガイドラインという二つの答えを他者から与えられてしまう顛末の因果の元は既に戦前に根差しているとの指摘と、先ずは「敗戦責任問題」にたいし日本(国民)自らが明確な答えを出すことこそ真の戦後再生の要諦であるとのあっしら氏の洞察は正鵠を得ていると考えます。

 ところで、世界同時デフレ不況が懸念されるなかで、微温主義の政策が齎す時限的モラトリアムを最後の機会と据えて、「近代」に対峙し「近代」(戦後)を超克していかなければならぬと云うのがあしっら氏の言説に一貫する信念でありましょう。勿論、氏の投企がご自身の当事者意識の発露であり、その意図するところはより多くの当事者意識の喚起にあり、かつ当事者能力を有する者達の決起にあるだろうとは承知の上ですが、ここ日本においてその当事者能力と当事者意識を有する主体を、己は固より己以外にどこに求めればよいのでしょうか。日本が得意な集団指導体制も破綻している現状では重くてなかなか手強いテーマです。

 戦後半世紀以上を政治的には空洞のまま経済的には近代化を遂げてしまったというのが、我々日本国民の実状です。他者から答えを与えられ、それに沿ってうまくやり遂げてつい最近までの繁栄があった、しかし今度だけはしかも喫緊な課題に関し自ら答えを出していかなければならない、最早遣り過ごすことなどできない処に来ていると、少なくとも国民全体がそう自覚する必要があると認識している次第です。

 また寄せさせていただきます。

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