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宿題の答え 投稿者 せいがく 日時 2002 年 11 月 09 日 05:37:43:

(回答先: もう少しすり合わせをします 投稿者 あっしら 日時 2002 年 11 月 08 日 15:53:45)

あっしらさん、こんにちは。
時代にふさわしい経済社会の構造を提示せよ、との宿題ですが、その前に一つ質問させてください。

>貿易収支黒字が増加せず、赤字財政支出も増大できないのであれば、デフレを招かずに経済を拡大するためには、「給与を上げよ」しかありません。
>それを梃子にすれば、供給活動力を量的拡大ではなく質的向上に転換させていくことができます。

企業が利益を減らさずに賃金のみを引き上げ、供給する財・サービスの”量”は増やさないとし、これがマクロベースで展開されると想像してみます。このことが意味するのは、「実質成長ゼロ、賃金の平均上昇率が即ちインフレ率」という世界になるのではないでしょうか(無論、極度に単純化したモデルでの話ですが)。確かに、当初、人々は賃金の上昇を喜び、消費性向を高めるかも知れません。しかし、その内、物価が上がっていることに気づき、実質ベースでは何ら賃金が増えたわけではないことに気づき、やがて元の消費水準に戻してゆきます。

結局経済におけるWELFAREの増大とは、見た目の賃金の上昇ではなく、獲得した賃金で買い求める事のできる財やサービスの”量”を増大させることである点を見落とせないのではないか、ということです(勿論、質も重要なファクターですが)。実際、自分の財布と相談して、自動車を持つことを諦める人、子供を大学に行かせるのを諦める人、住宅取得を諦める人、バーでの豪遊を止める人、は無数にいます。これらは皆、供給"量"に関わる問題だと思います。供給は(賃金上昇によって)増やすが、供給量は増やさない、というのは、インフレを招くだけであってWELFAREの増大には繋がらないのではないでしょうか。

それでは、宿題に対する答えです。

と、言っても浅学なせいがくにまともな答えなど期待しないで下さいね(笑)。学生の一人がたわごとを言っとるわい、と聞き流して戴ければと思います。

まず基本的な日本経済に関する認識です。供給者を左側にずらっと並べ、消費者を右側にずらっと並べます。両者の間に「経済のメカニズム」というブラックボックスを置きます。このブラックボックスが複雑怪奇で専門家もウンウン唸っているわけですが、それはともかく、左側と右側を見るとはっきりしていることがあります。供給余力は十分にあるということです。つまり、ブラックボックスの機能がきちんと作動すれば、右側の効用は飛躍的に高まるということです。日本には史上空前の繁栄を謳歌するための供給側の条件は整っているということです(この辺りはあっしらさんと同じ認識じゃないかと思います)。

では、具体的にこのブラックボックスをどういじくれば機能不全を修復できるのか。

ご承知の通り、マクロ経済学では経済を分析するにあたり、経済主体を企業、家計、政府に分類します。この3主体の中で経済成長をリードするセクターはどこかと言えば、企業だと思います。とりわけ、企業が行う投資行動が鍵を握ります。では、企業は何によって投資行動を取るのかと言えば、期待利益です。利益なきところに企業は存在しえません。従って、ブラックボックスの中で最も重要ないじるべきポイントは、「企業に利益が生み出せる環境」を整えることだと分かります。

具体的には、過剰な競争、過剰な設備、過剰な人員、過剰な負債、過剰な不良資産を削ぎとって行かなければなりません。政府部門によるルール作りはこれをサポートし強力に推進するものでなければならないと思います。

これに加えて、公共部門での無駄と過剰が日本を押しつぶしつつあることも衆目の一致するところです。民間部門同様、またはそれ以上の厳しいリストラが必要であると言えます。そのリストラ計画も役人に作らせるのではなく、例えばアメリカの一流コンサルタントに作成させるくらいのドラスティックさが求められると思います。

こういう徹底的な合理化案を出すと、次のような批判が予想されます。いわく、それでなくてもデフレなのにデフレが一層深刻になるではないか。いわく、失業者が加速度的に増え、自殺者も増加するのをどうするつもりだ。いわく、そのような大規模な整理、淘汰による金銭的重圧に日本経済が耐えられるはずがない。

このような懸念は妥当なものですが、さりとて他に妙案があるかとなるとそうは思えません。せいぜい痛みの先送り(と言う事は、矛盾は将来の時点でさらに大きなものになっているということ)しかできないでしょう。

ここで、かなり唐突なのですが、失業者=公務員論というのを掲げたいと思います。失業者は税金から給付を得ているという意味では公務員に似た性質を持っています。一歩進んで、職を失った人は公務員として認定してしまえば良いのです。これを仮に擬似公務員と呼ぶとすると、本来の公務員の中にも上述のようなリストラを行うことによって擬似公務員に転換(転落?)する人が多数出現します。擬似公務員は元々失業者ですから、政府の用意したプログラムに沿って職種転換に必要な技能の修得や新たに設けられた行政サービスへの従事を義務付けられます。給料はあまり高くする必要ありません(現行の失業手当よりは多い)。失業者は擬似公務員制度というセーフティネットで取りあえず受けとめられますが、薄給に嫌気をさしてもっと賃金の高い職種を求めるはずです(この求職活動は当然制度上認めます)。

一番最初の供給者と需要者(消費者)の図式に戻って、供給者の方に注目してみます(この供給者には行政サービス供給者=公務員を含みます)。このセクターで生産性を極限まで高めて行くと、生産量は増大しても必要な人員は減少することがかなり高い確率で起こると想定されます。こうした余剰人員を無理矢理供給側におしとどめたり、その人員を活かすために無理矢理需要者側に政府がしゃしゃり出て需要を作り出すことはこれまでの歴史を振り返り有効であるとは思えません。ブラックボックスの中に擬似公務員制度というインフラを作り、供給者側からあぶれてきた人々を受けとめ、再び供給者側へ送り返してやる仕組みを整備してみてはどうかと思います。

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