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景気回復による金利上昇は見込み薄、資金の余剰変わらず=円債市場筋[東京17日ロイター] 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 5 月 20 日 10:37:04:

高値圏でのもみあいが続く中、円債市場では、2002年1―3月期実質国内総生産(GDP)の改善を見込む声や、“30兆円の枠に固執しない”とする塩川財務相の発言、日経平均株価の上昇など、金利上昇要因が目立つ状況となっている。高値警戒感がくすぶり、水準的にも漠然とした金利上昇リスクが取りざたされているものの、行き場のない余剰資金があふれる現在の金融市場の環境では、これまでのような単純な発想による金利上昇リスクを警戒する向きは少ない。
“景気回復局面では、株価の上昇とともに長期金利も上昇する”という教科書的な展開は、今の金融市場でありうるのか─。
17日夕方、5月の月例経済報告の発表の場で、竹中経済財政担当相は、基調判断を「景気は依然厳しい状況にあるが、底入れしている」と、3カ月連続で上方修正し、事実上の景気底入れ宣言を行った。今回の月例経済報告では、個人消費や設備投資、輸出、生産、業況判断、国内卸売物価などの判断が上方修正された。
市場では、6月7日に発表予定の1―3月期実質国内総生産(GDP)が、4期ぶりにプラスになると試算する機関が少なくない。ロイター通信の調べでは、1―3月期実質国内総生産(GDP)の民間調査機関予測は、前期比+0.5%から+2.4%程度となった。
ただ、現状は、「“ファンダメンタルズに関しては循環的な景気の回復が始まったものの、その後の持続的回復は難しい”との見方が大方」(ドイツ証券・シニアエコノミストの森田長太郎)というのが実態。実際に、今月13日に内閣府が発表した3月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比─6.2%の7799億円。前年比では─22.0%。また、民需受注額の1─3月の実績値は前期比─7.4%、4─6月の見通しは、同─0.3%となった。
円債市場では、今回の1−3月期実質国内総生産(GDP)で強い数字が発表されれば、「相場の上値を抑える効果はあるが、結局はレンジ内で上下に推移するものとみている。金融機関の預金の伸びよりも貸出の伸びが上回るほどに景気回復が見込めれば、当然金利上昇になる。しかし、現状では、(景気回復の兆しで)株価が堅調に推移すれば、金融機関のリスク許容度が広がり、債券相場にとっては支援材料になる」(住友信託銀行・市場金融部市場営業室調査役の扇本晃一氏)との声が少なくない。
また、1―3月期実質国内総生産(GDP)の結果を受け、予想以上の株価上昇となれば、金利が上昇するかもしれないが、「仮に金利が上昇しても、本格的な景気回復とはならず長期金利が1.5%まで切り上がる状況は考えにくい」(都銀)との見方もある。
現状の相場は、中期債中心の需給相場で、ファンダメンタルズを無視している状況。「1―3月期実質国内総生産(GDP)の数字によって日本の景気が一気にV字型回復するシナリオは描きづらい。そのため、債券を売り切るというわけでもない。一方で、余資運用ニーズが強いものの、新規に買う材料も乏しいことから、ボックス圏でのもみあいがしばらく続く」(都銀)という。
あおぞら銀行・金融市場部シニアエコノミストの奥田壮一氏は、「従来であれば、景気のサイクルと金利のサイクルが直接的にリンクする考え方でよかった。ただ、構造改革を進める現状では、政策に依存する割合が非常に高く、民間の自立的な経済活動だけで日本経済の持続的な回復を見込む局面ではない。政策に依存する経済サイクルの中で、景気がよくなる場合は、不健全で非伝統的な政策をとる可能性が後退し、そうした可能性からくる“悪い金利上昇”のリスクが後退することを享受できる環境になる」と指摘している。
また、ドイツ証券・森田氏は、「日銀は、徹底したゼロ金利に加え、大幅な資金供給姿勢をとっており、それにより基本的に長期金利が1%前半にとどまる期間が長くなる可能性がある。また、日銀は、景気に対して非常にネガティブな見方をしており、この構図が崩れない限り、ファンダメンタルズ面から、長期金利が1.5%を超えてくる上昇は見込みにくい」としている。
また、財政拡大についても、「塩川財務相の発言や、小泉政権の求心力の低下による財政拡大といった政策路線の変更で相場が崩れる危機感は常にある。しかし、以前から30兆円枠はいずれ突破するとの見方で、ここで急に意識され、相場の崩れに結びつくことは、現段階として可能性は低い。また、押し目のほとんどない状態で期初から相場が上昇してきており、長期金利1.4%、1.5%で債券を買えていない向きも多く、下値では買いを待っている印象だ」(信託銀)との声が聞かれ、金利上昇は、現時点では見込みにくい、という。
ただ、年後半になれば、「景気がよくなる印象から、よい金利の上昇の可能性も出てくる」(別の都銀)との声も、市場の一部では出ている。

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