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ハナエ散る・・・ブランドビジネスの難しさ(MSNマネー) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 6 月 07 日 10:23:07:

日本の老舗ブランド「ハナエモリ」が民事再生法を申請。華やかに見えるブランドビジネスだが、その舵取りはなかなか大変。移り気な消費者の心を捉えるブランドビジスとは?

日本のファッション界の草分け的存在である森英恵氏の「ハナエモリ」が民事再生法を申請したことは、新聞等にも掲載されていたので、ご存知の方も多いと思いますが、日本のデザイナーが海外でも数多く活躍するようになった現在とは違い、1960年代から海外でコレクションを展開するなど、同ブランドが日本のファッション界に残してきた功績が大きなだけに、誠に残念なことであります。もちろんブランド自体は残るのですが、事業と商標権は三井物産が譲渡を受けるため、新しいブランドイメージがどのように構築されていくのかは、まだ不透明な部分がかなりあると言えるでしょう。
「ハナエモリ」ブランドも80年代後半から90年代にかけては、海外高級ブランドと対等に渡り合いながら、業績を伸ばしていたのですが、バブル期に展開した飲食事業等の多角化による失敗や海外勢の急激な日本進出に徐々にその勢いを失い、今回のような事態に陥ったようです。
さて、このブランドビジネス。「ハナエモリ」に限らず、ブランド価値の向上と売上の拡大という2つの狭間の中で、海外の高級ブランドもその舵取りには、かなり苦心しているようです。移り気な消費者の心を繋ぎとめておくには、ブランドの鮮度、希少価値、信頼感という3つの要素をバランス良く維持することが必要なのですが、トップクラスのブランドでもいろいろ苦労しているようです。特に老舗のブランド(ひょっとすると「ハナエモリ」も該当するのかもしれませんが)の場合、かつての成功体験や伝統的手法にとらわれ過ぎて、ややもするとオールドファッションになり、消費者の求めるような鮮度を保つことができなくなり、結果として支持されなくなるというようなことがあるのかもしれません。これを打開するための手段の一つとして、ブランドはそのままを維持しながら、新進気鋭の若手のデザイナーを起用して、新しい視点でブランドを“解釈”するという試みがあります。年をとってきたブランドに新しい命を吹き込むというやり方です。既に海外のトップブランドでもこの手法は数多く取られていて、老舗ブランドのジバンシーにおけるアレキサンダー・マックウィーンなどブランドに新しい命を吹き込んだ成功例と言えるかもしれません。
“新鮮さ”と同じくらい重要なのが、“希少価値”です。希少価値が重要だからといってむやみやたらに値段を高くしたり、生産量を少なくすればいいという問題ではありません。
やはり企業として、収益の拡大を目指す必要があるわけですから、単純に高めの価格設定をしたり生産量を低く抑えることは、いたずらに企業の収益を圧迫するだけです。
ここでいう希少価値とは、消費者にとってそのブランドが、“いつでも特別な位置を占めている”ことを意味します。特別な位置にあるからこそ、多少高額なものであっても消費者は、財布の紐を緩めるのです。だからこそ、自分にとって特別な位置を占めているものが、何の意味もなく、スリッパやトイレカバー等のライセンスに使われたりするようになると、途端にその位置からすべり落ち、見向きもされなくなってしまうのです。ですから成功するブランドとは、顧客にとっての“特別の位置”に君臨するための演出を絶えずしていかなければならないし、結果として、生産量の調整をしたり、価格を高めにコントロールすることがあるのです。
このように華やかに見えるブランドビジネスもブランドイメージを強化維持していくために様々な創意工夫を凝らしているのです。最近では、普通の企業においてもブランドの重要性が叫ばれています。高級ブランドが展開するこのようなブランド戦略から学ぶことも少なくないのではないでしょうか。

坂下深月
提供:株式会社FP総研

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