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「瀕死の会社をよみがえらせてこその超能力者なのだが…」−。超能力サラリーマンとして知られ、今月10日、約8億4300万円の負債を抱えて倒産した「ナビードットコム」社長の高塚光氏(52)が夕刊フジの取材に応じ、苦渋の胸中を告白した。前経営者の裏切りなどで『ドロ舟』と化した会社の赤裸々な実情とは−。
「確かに超能力で瀕死の人を何人もよみがえらせてきたが、まさか会社まで瀕死の状態で引きうけることになるとは思わなかった。再建に向け、最大限の努力をしたが、時代の向かい風に櫓も櫂も立たぬ結果となり、関係者の方に心からおわびしたい」
冗談めいた言葉にも力がなく、憔悴した様子で“敗因”を語り始めた高塚氏。12年7月の設立前から、ナビー社とは深く関わってはいたが、昨年9月27日の株主総会で出資企業からの緊急動議で社長に担がれるまでは、同社の本当の台所事情を知ることはできなかったという。
「加藤栄芳前社長解任の緊急動議は本当に寝耳に水だった。当時、表に出ていた負債が4億円。何とかなると思ったし、引き受けなければならないと思って就任したが、隠れた負債がさらに4億もあることが判明し、がく然とした」
ITビジネスは大きく「システム開発」と「権利商売」に分けられるが、上場を目標にした同社はどちらにも着手。
「加藤前社長時代は社内に『金を稼ぐ』という意識が希薄で、黒字化に200年かかるような内容でも『先行投資』的な名目で次々と契約していた。巧みなプレゼン能力で“夢”を語り、イケイケドンドンのビジネス気分に浸っていたITバブルの典型的な経営」
また、ある出資企業によると、「前社長は月収250万円のほかに家賃など一部の私的費用を会社に肩代わりさせ、公私混同の“背任的経営”も問題化した。緊急動議で高塚氏に登場願うことになった」というウラ事情もあった。
「社長就任後、加藤氏に一度会ったが、『一緒にバンザイ(お手上げ)しましょう。今なら個人的に損害を被らないですむ』といわれた。今となっては笑うしかない」
昨年7月から無給だった高塚氏は「無給のまま社長に就任し、100人の社員を最終的に13人までリストラ。解雇にかかる費用を友人からの借金など約1億7000万円の私財投入でまかなった」。
その一方で、人脈や企画力をフル活用し、中央官庁などの着実な仕事を増やし、得意の専門分野「健康」を生かした『超能力的再建策』にも着手していたという。
なかでも、「再建の決め手」として高塚氏が期待したのが、プラズマディスプレーを使った駅売店への新広告設置事業だったが、「今年5月、先方に契約変更問題が発生し、事業計画に空白ができることになった。当社にこの空白を乗りきれる資金はなかった」。
また、加藤前社長が発表したW杯公式キャラクター『ザ・スフェリックス』のアニメ化権も「複数の国にまたがる複雑な契約で、実際に放映できるかどうかも分からない」というシロモノだったことが判明。
列島のW杯フィーバーをよそに不発となり、超能力サラリーマンの高塚氏も万策尽きた。
「資金が続かなくなったので、弁護士と相談し、7月5日に自己破産を申請した。もう少し早く手を打っていればと思うと本当に無念…。出資企業など140数社にはおわびするしかない」
東急エージェンシー時代、危篤の母を“手がざし”で助け、超能力に目覚めた高塚氏。その後は、各界の著名人らと親交を深め、幅広い“超能力人脈”を築いてきた。
その高塚氏は「瀕死の人をヒーリングしていた私のところに、会社まで瀕死の状態で頼ってきたのはもはや運命。私個人としては、いずれ不死鳥のごとくよみがえり、ビジネスの世界でリベンジしたい気持ちを持っている」と、超能力的復活を予告しているが…。
ZAKZAK 2002/07/19