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相次ぐ食品不祥事〜そこに潜むブランド信仰と未成熟[PAXNet] 2002/08/23 10:10:00 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 8 月 23 日 12:19:58:

雪印<2262>、日本ハム<2282>と食品業界における不祥事発覚が止まらない。日本ハム問題ではイオン<8267>、ライフ<8194>など一部流通業者が商品販売の再開を打ち出すなど終息の兆しもある。しかし農水省は日本ハム側の姿勢に問題があるとして、営業自粛処分の解除を見送っており、今後、新たな不祥事でも発覚すれば雪印の二の舞となる可能性もある。企業の倫理が問われる問題だが、一方で「個別企業の問題ではない。一連の不祥事は業界の構造が招いた」(流通関係者)と、企業処分だけでは問題の解決には至らないとの声もある。

●“松坂牛”の年間販売量は毎年、生産量の3倍!?

日本ハムの問題がマスコミを賑わせている最中、東急ストア<8197>によるもう一つの牛肉偽装問題が発覚した。出入り業者がギフト向け商品の米沢産牛肉を松坂牛と偽って販売していたというもの。日本ハムの問題が狂牛病という極めて敏感な要因に詐欺が加わっていることに比べれば悪質度は低いが、それでも詐欺であることは間違いない。
事件はギフト向けの松坂牛が品切れした際、現場の出入り業者が販売を継続するために偽装を図ったわけだが、事はそう簡単ではない。松坂牛の販売量は何年にもわたって、生産量の3倍を超える異常な状況が続いているからだ。つまり一般の消費者が口にしている松坂牛の「ほとんどが偽物という可能性もある」(流通関係者)というからことは深刻である。

●コメに魚に・・・枚挙にいとまが無い非常識な「常識」

食品業界においてこうした例は枚挙にいとまがない。米の有力ブランドである魚沼産コシヒカリも松坂牛と全く同様に、販売量が生産量を上回ってきた。数年前、鮮魚売り場でお馴染みの銀ダラが実際は深海魚だったという話題が取り沙汰されたが、これも「業界では常識」という。こうした常識が消費者の目の届かない業界内だけで通用しているところに問題がある。
ある大手食品スーパーの首脳は業界の構造的問題を認めると同時に、「消費者の過剰なブランド、鮮度信仰も大きな問題」と指摘する。鮮魚、精肉、生鮮野菜のいわゆる生鮮3品は日切れ商品であり、売れ残りは即、廃棄処置につながる。計画的な生産、販売が利かないうえに、鮮度維持のため販売期間が短い。こうした問題とブランド信仰が相まって、詐欺的な状態が生み出されているというストーリーだ。
また、前出の首脳は欧州の流通大手を例にあげて「欧州の流通は大規模農場に保冷庫を設置し、収穫直後から温度管理して店頭での鮮度が長期間持つような仕組みを持っている」と話す。国情の違いはあるが、依然として取り扱う商品について産地、メーカーまかせの姿勢が残る国内流通業とは一線を画している。

●食品業界を巡るトラブルは国内流通業の未成熟度を示す鏡

その意味では低価格に目を奪われて流通業がこぞって導入した中国産野菜も同様。国内基準をはるかに上回る農薬使用量が発覚しているが、そもそも仕入れ段階でこうした調査がなされていたのかどうか。商品を撤去しておわびを張り出せばすむ問題ではない。食品業界を巡るトラブルは、国内流通業の未成熟度を示す鏡でもある。
(神山 純)

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