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ご回答有難うございます 投稿者 如往 日時 2002 年 8 月 28 日 06:30:12:

(回答先: ご返答有難うございました 投稿者 匿名希望 日時 2002 年 8 月 24 日 08:21:01)

 単なる私信ではあらぬよう努めております。

 ところで、「匿名希望」氏の慎重さは心有らぬ人達には必要以上に慇懃無礼と映じるかも知れません。けれども、もし仮に中堅企業の課長であれば、自身が練りに練り込んだ経営企画上の施策をどの部長あるいはどの取締役に提出すべきか、慎重にそして段取りも周到にならざるを得ないでしょう。当然それが広範囲で深遠な影響を齎す可能性を有するものであり、ましてや公器を質す内容を含意しているならば、勢い多方面に目配り気配りして粘り強く進めていかなければ事の成就など覚束無いものです。「匿名希望」氏がどの辺りの職位にあるのか判りませんが、自身の手になる政策をどの上席者が受けとめその延長線上にどの代議士が控えているか最良の経路と時期を想定して、シミュレートして置かねばならぬでしょうし、時に賛同者として時に批評者として頼むに足る何人かのComradesの存在も重要でしょう。
 確かに、国是に絡み一個人がアクセルとブレーキを同時に踏んでゆくなど至難の業です。故に、相応のネットを張りつつ進めてゆかねばならず、何事にも完璧を期する官僚の挫折こそ修復が最も困難であろうと想像するのは難しくありませんし、加えて幾重にも無謬性の鎧を纏って執拗に解除を拒む習い性と、自身が認めるそれ相応の手練でなければ真剣で切り結ぶを好しとはしない英気は生涯変ることはないと思われます。鎧を纏った姿は一見凛々しくも頼もしくも見える、しかし身の丈以上の多くの課題をその中に貯め込みいつまでも手放さずにいると、大事を収拾不能にする事態を招くの譬えを広汎に歴史の経過から学ぶべきでありましょう。
 企業では己の出世のためや増収のためと目的が具体的で同僚多士も異論を挟みようがありませんが、官僚諸君は公僕として自身に課せられた使命と絶えず照らし合わせながらやって行く他はないというのが、まさしく志ある人達の真情ではないでしょうか。官僚に良心を期待できるか否かではなく、志とは取り敢えず別問題であるということです。官僚制それ自体の批判というよりむしろ先ずは志の有無を問題とすべきで、基本的な実務能力においては現官僚が劣っているかというと然程差はなかろうと想像し、志こそがモラルを涵養するものとして強調して過ぎることはないと考えています。
 少し前、自身の志を嘲笑うかのような押し寄せる邪な圧力から国民を護るべく防波堤となろうした官僚がいたと耳にしました。そして、そのような官僚は今までにも間断なく存在したと云われます。今も尚各省庁にそうした人達がどれくらい身を潜めているのか、もちろん詳らかではありません。そのような行為にたいし一時の感情に溺れ可視的事象に拘泥するのは官僚の資質として相応しいものではないと同僚からも揶揄されるのは目に見えています。「匿名希望」氏が何人かのComradesの支持を背景に論考を披瀝しているのならばそれは素晴らしいこと、しかしあれは愚行であると爪弾きの憂き目を見ているとするならば無惨なことです。

 自立のシュミレーションの開発は文科省が説く自由学習やゆとり教育とは対極にあるものです。
 例えば、経済学の基礎中の基礎部分、経営学の基礎として商業契約の実際(保証人の問題等)、コミュニケーション論の基本として交渉術、企画の基礎として論文構成(作文は小学期で終了)、少なくとも中学期にこれだけは押えておきたい範囲です。高校期は大学受験の準備として過ごさざるを得ないとして、如何なる学部に進もうとも大学卒業時には以上の分野をより実戦的なものにレベル・アップして就業に入っていって欲しいものです。さらに、大学期で上記にマーケティング論の基礎が加わると完璧に近いものとなるでしょう。勿論、学生の習熟性を考慮に入れて授業内容を吟味しシラバスを構成する必要があります。同時に、運営にあたってはそれぞれの分野を教授できる中学教師が実際にどの程度存在するかという大きな問題があります。前件について、優秀な文科省官僚のことですから、相当短期間で修得し得意の構成力で忽ちのうちに最適の組合わせを案出して模範的なシラバスを作り上げるだろうと確信しています。問題なのは後件で、当面は各分野の博士課程の院生ないし研究生を講師として招き充当して、徐々に現場の教師を分野別に参入させていくのが順路であろうと考えます。導入からある程度の評価が可能になるためには少なくとも10年くらいの時間を要するでしょう。輩出者の活力を期待できるのはそれからですが、20年、30年後の日本のあるべき姿を現実のものにしていく礎の一角を担う精鋭をより多く世に送り出すことが可能だと考えています。しかしながら、現状の教育改革では人生全体を恰も果てしないモラトリアムの継続と捉え、如何にやり過ごすべきかその方策を自分で考えなさいと言っているようなもので非常に無責任極まりないものです。

 日頃、「匿名希望」氏とあっしら氏との間に交わされるやり取りを興味深く拝見しております。
 そこで、あっしら氏の現状の代弁を試行してみますと、氏は外化のプロセスを更に展開していく可能性が見出せない現実にたいし相当な苛立ちを感じていると見受けられました。たとえ現時点であっしら氏が思想化のサイクルを意識しているか、即ち思想化を志向しているかどうかは別にして、志ある者ならば物事を相対化していくその先には、当然の如く成果物を検証し評価していく外化のプロセスを展開し得る情況が待ちうけていると期待すると考えますが、遺憾ながらこのプロセスの具体性ないし情況の有無において「匿名希望」氏とあっしら氏の言説をRealityの質で隔絶させてしまっていると思います。幾らアナロジーを重ね論の展開を試みようとも二つかせいぜい三つの文節を繋げることにしかならぬでしょうし、当面はあっしら氏の側から架橋することなど不可能であろうと断ぜざるを得ません。延々と思考実験が続くとしたら、それはフラストレーションが溜まるばかりの辛い所業です。残念なのですが、その辺りがこうしたmailで交わされることの限界を示しているのではと思われるのです。
 かつて私共は未熟故の奢り昂ぶった気分や周囲の熱気にも突き動かされ、各々が借り物であっても曲りなりにも物事を相対化するmethodを得て、しかもそれを外化する情況にコミットメントできたのです。もちろんそれがベストであるなどと申せませんが、各組合も縮小の一途を辿るばかりで労働運動も政党活動も実質的には私利私欲に執着する排他的な様相をますます色濃くしている昨今では、例えば起業家や経営コンサルタントにでもなって極限られた場面で外化のプロセスを試行する以外に情況を見出せなくなってきているのも事実だと思います。

 それ以上踏み込もうとしても詮無きこと、それを承知で、けれども何やら釈迦に説法のようなことのみに傾いてしまったようです。私もまだまだ青いのでしょう、世界や日本の方行が宿命から発しているのではなく、運命の展開のうちに会するものであると観じております。しかしまた、それも我々生類の習い性の一部なのかも知れません。

 これにて失礼いたします。

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