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Re: 「世界同時デフレ不況」と世界の通貨 投稿者 あっしら 日時 2002 年 7 月 31 日 01:29:18:

(回答先: 同じ疑問、米ドルはどの通貨に替わられるのでしょう? 投稿者 Ddog 日時 2002 年 7 月 30 日 20:20:09)

Ddogさん、こんばんわ。


「世界通貨危機一覧」は大変参考になりました。


米ドルについては、デフォルトされるとしても政府の対外債務だけで、米ドル自体が私的公的債務の支払いで使えなくなるわけではありません。

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以降は、真に受けて動かれるとその人の生活を破綻させかねない内容を含んでいます。
あくまでも私の経済論理に基づく説明であり、金融コンサルタントの助言ではないことをお断りしておきます。
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率直に言えば、自覚はされないでしょうが、通貨はあてにならないものという時代に入りつつあります。
あてにならないと言っても貨幣経済ですから、一般的交換価値としての通貨は厳然として経済社会に位置づけられたままです。

通貨に至上の価値を求める層(金持ち)が保有する通貨を持て余し、通貨を日々の生活の糧としている層(一般人)はぎりぎりの通貨しか持っていないという状況が基本の構図になります。

金持ちは通貨の価値量を出来るだけ高めたいと考え、通貨を日々の糧にしている一般人はとにかく1円でも多く通貨が欲しいと考えます。
金持ちは、通貨の価値量を高めるために、金融取引を行ったり、事業を行っています。
価値量を高めるためには、デフレ状況でも追求はされますが、インフレ状況であれば絶対的に通貨量を増加させなければなりません。

事業はともかく、金融取引で保有通貨量を増加させるということは、他者からの通貨の移転以外にありません。その最も効率的な手段は株式市場です。
ご存じのように、保有株式をより高い株価で売却することで儲けることもできれば、空売りを仕掛けて安値の株式を購入することでも儲けることができます。
日本市場は、前者が89年で終わり、90年から現在に至るまで波動的な動きはあるとは言え後者が続いています。
米国市場も、前者が00年で終わり、後者が日本と同じように続いています。

前者と後者の違いは、前者の場合は一般人もそこそこですがおこぼれに預かり、それが労働成果財に支出されることで国民経済も活動的になりますが、後者は一般人は吸い上げられる一方という状況になり、タイムラグがありますが国民経済も低落していきます。
(タイムラグは前者終了後2年ほどと考えています。ちょうど今年いっぱいです。00年までに儲けていたり、00以降も97年ころまでに買った株式を売れば儲けがある一般人もその時期までいるからです)

米国は日本とは経済特性が異なるので、株式市場の株価崩壊は急テンポで進んでいきます。(別にアナリストではないのでいい加減なカンですが、年内にダウが5千ドルを切る可能性が高いと考えています。とにかく、米国株式場は下落を続けると考えています)

金持ちが、将来高値で売却するために株式を買うのではなく、将来安値で購入するために資金を投入するだけになると、一般人へのおこぼれがなくなるので労働成果財の需要が減少します。(金持ちの動きに乗れる例外的な一般人は別ですが...)
金持ちがそのような取引に移行するのは、自分たちが金融取引を通じて一般人から通貨を吸い上げたために、金融取引に通貨を投じる一般人が大きく減少していることがわかっているからです。

このような動きが、米国市場のみならず欧州市場でも起きます。

こうして、世界=先進諸国は「同時デフレ不況」に入ることになります。

このような状況で、金持ちがどういう選択をするのかが問題になります。

前にも書いたことがありますが、通貨間のレートは別として、主要国の通貨はデフレによってしばらく価値が増加すると考えています。
金持ちなら、一般の銀行が危ないと判断すれば、特殊な銀行に預けるか、自分で保管するでしょう。
これもたぶんですがこれから2、3年は、余剰通貨を通貨のまま保有していても価値が劣化することはないと考えています。

価値をより増加させたいと考えどの通貨で持つのがいいのかということになると、主要国(地域)の通貨当局の政策に関わることなので判断がつきかねます。
(金本位制ではないので、通貨当局の政策に責任を押しつけるしかありません)

3年後くらいからは、スタグフレーションを起こす国(地域)が出てくると思います。

そうなる可能性が高い国(地域)に序列を付けると、ユーロ圏→米国→日本というように考えています。

これは、政治状況と供給力を勘案した序列です。

金持ちは、金融取引や事業で保有通貨を増加させることが出来ない状況にあれば、デフレであることを望みます。しかし、突き詰めれば宵越しの金を持たない一般人は、回ってくる通貨量が減ることで生活水準が切り下がっていく状況に我慢が出来ないと思います。

ユーロ圏は早い段階で政治的に不況緩和策を採らざるを得ないという見方をしており、米国は金融資本主義であることや「対テロ戦争」でしばらく踏ん張るという見方をしています。

日本は、貿易収支が5兆円ほどの黒字で既にデフレという状況ですから、供給力でダントツに勝っています。
避けるべき政策ですが、極端に言えば、政府紙幣に拠るにしろ、中央銀行からの借り入れに拠るにしろ、毎年10兆円のばらまき不況緩和策をやっても、スタグフレーションに陥るどころか緩やかなインフレでGDP的に回復を示すことになります。
(正論は別の書き込みで示していますので誤解なきよう)

このようなことから、きちんとした政策を日本の統治者が採るならば、日本円がもっとも安全だと信じています。

現在のところという断り付きですが、真の意味での“余剰通貨”と“余剰資本”が存在する国民経済は日本経済だけなのです。


金持ちも、来る「同時デフレ不況」を通じて、金融取引や通貨の保有だけでは通貨の価値が維持できないことに気づくべきです。
通貨が資本化されない状況が長く続けば、通貨自体が毀損されてゆきます。

金持ちが握りしめていることで、通貨の毀損が現象しないだけなのです。(通貨を食べることが快楽である人はそれでもいいのですが)

政治が勝てば、資本活動力が不足している国民経済では通貨の毀損が現象することになります。

「同時デフレ不況」のなかで激しい保護貿易の動きが起きると予測され、欧州及び米州でブロック経済化がこれまで以上に進むと考えています。

日本の統治者は、この問題を考慮した上で今後の政策を立案する必要があります。
米国及び欧州向け輸出は減少する(当然それら向けの生産に使われるアジア向け輸出も)という前提で、国際戦略を立てなければなりません。

>確かに、米ドルも、御説正しければ、交換停止の危険きわまりないのは認めます。し
>かしここ2.3年とも思えません。10年後、20年後のことであるなら、まだ目先は米ド
>ルを消極的ながら、選好せざるをえないのも事実。

米国政府債務のデフォルトはそれほど悠長なことではないと考えています。
「対テロ戦争」を名目にした利払い停止は、2年以内に起きる可能性が高いと思っています。
(イラク攻撃に踏み切れば、彼らの政治的状況から、オイルマネーが米国債に向く比率は極端に下がります。イラク攻撃は中東全域がグチャグチャになるかたちで進行します)


>それでは、通貨に代わる価値評価、保存、交換システムの誕生はありえるのでしょう
>か?
>10年内に、米ドルが交換停止して、世銀国際決済通貨?に取って代わられることは、
>現状では現実感に欠けると個人的には感じています。

米国政府が何らかのデフォルトを表明すると、一気に俎上にのぼるテーマだと考えています。
「グローバル経済」ですから、信頼が置ける国際決済通貨の存在は不可欠です。

米国内通貨であるドルと国際決済通貨であるドルを、どうやって米国金融資本の利益を損なわないように切り分けるかが主要課題になるでしょう。

金為替本位制から金ドル為替本位制、そして、ドル為替本位制と、ごたごたはありながらも国際決済手段は変動してきたのですから、今回も乗り切るでしょう。

「大戦争」がその変動をスムーズにするという見方もできます。


>一連の、私の為替の投稿チェックしていただくとリアルな作業現実の一端が判ると思
>います。

欠かさず参考にさせてもらっています。


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