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e株リポート〜限界に来た?ソフトバンクの実態(2002.9.13) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 9 月 13 日 23:10:01:

(回答先: ソフトバンク株、クラッシュの危機〜需給の微妙なバランス、崩れれば…(株ZAKZAK2002/9/13) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 9 月 13 日 21:22:49)

http://www.mainichi.co.jp/life/eco/spcl/020913.html

e株リポート
限界に来た?ソフトバンクの実態

米ナスダックの日本撤退、米ヤフー株の売却、さらに、たびたび浮上するあおぞら銀行株売却話――「インターネット財閥」を目指したソフトバンクはいま、大きな岐路に立っている。かつて無限の可能性を感じさせたソフトバンクは限界に来たのか。専門家が分析する(『週刊エコノミスト』9月24日号=9月17日発売=から転載)。

「ヤフー依存」で生き延びられるか
古谷 隆一 ふるや りゅういち
デジタル産業研究所主幹

まず、数字で惨状を示そう。
ピーク時(2000年春)、5兆円に達したソフトバンクの保有株式含み益は現在、4236億円(9月9日)まで減少。時価総額も、5005億円とピーク時(00年2月)の21兆7000億円の40分の1まで下落した。傘下の多くのドットコム企業も米国同様に低迷。ソフトバンクは1998年の上場以来初めて、02年3月期決算で赤字に転落した。
新興市場を作り、時価総額・含み益拡大戦略の柱として担ぎ出した米ナスダックが8月、日本市場(ナスダック・ジャパン)からの撤退を決めた。投資先のベンチャー企業や傘下の企業の株式を公開し、資金調達の場として期待してソフトバンクも出資したのだが、長引く株価低迷でその思惑は外れた。8月末には、虎の子である米ヤフー株の一部を、社債償還資金の手当てと、ブロードバンド(大容量高速通信)事業の追加資金のために322億円で売却。この売却で、昨年まで20%あったソフトバンクの米ヤフー持ち株比率は7%まで急低下した。

流転の経営理念

何かが狂い始めている。少し、さかのぼろう。
ソフトバンクはパソコンソフト流通業として1981年、孫正義氏(45歳)が創業。94年の米メモリーメーカー「キングストン」買収を契機に、米国流M&A(買収・合併)の仕掛け人として注目され、一躍、孫氏はネット時代の「時の人」になる。しかし、孫氏が掲げる経営理念は日替わりメニューのようにクルクル変わっていった。
キングストン買収時には「ITインフラ世界のトップ企業の買収専念」であり、メモリー事業が挫折するや、それは「ネット産業のリーディングインフラプロバイダー」に変わった。99年10月、ソフトバンク本体は純粋持ち株会社となり、傘下に複数の事業統括会社と事業会社を擁する三重構造経営体へ移行すると、「時価総額経営」理念をぶち上げた。出資先企業や傘下企業を株式公開させることで、グループ全体の時価総額を拡大し、さらに株高をテコにM&A(買収・合併)などの投資を続け、さらに拡大、という経営戦略だ。
この戦略は株高が続くことが前提、少なくとも株式を公開しやすい市場環境にあることが必要となる。ところが、バブルが崩壊して十数年たつも、株価は低迷したまま。そのため孫氏は、米ナスダック撤退が決まった後のインタビュー等で、「必死になって本業ブロードバンド事業に集中するだけ」と語っている。ブロードバンドの、(1)インフラ、(2)プラットフォーム、(3)サービス、コンテンツのそれぞれでナンバーワンになることを目ざすと言うことだ。
こうした流転の経営理念は、いろいろな分野での可能性を探っていた孫氏がたどりついた経営のコア(核)と言えなくもないが、ソフトバンクの経営実態は芳しくない。

887億円の巨額赤字

ソフトバンクの連結売上高はここ数年、4000億円前後で推移しているが、02年3月期は887億円の最終赤字に陥った。営業赤字も239億円にのぼった。これは何を意味するか。各事業がこれからの核となるブロードバンド事業の赤字を補填できるまでにいまだ成長していないということである。総売上高の70%を占めるeコマース事業(ソフトの卸)の売上高は2841億円だが、営業利益は売り上げのわずか1.1%、32億円にすぎない。最大の黒字事業は現在、唯一期待の星となった日本のヤフーを傘下におくインターネットカルチャー(ウエブ上の広告、競売事業など)が売上高320億円で、営業利益99億円だ。
このほか、メディア・マーケティング(出版、ネット上のコンテンツ事業など)が営業利益25億円、テクノロジー・サービス(企業向けのシステム開発)が営業利益11億円と黒字だが、ほかの分野はすべて赤字なのである。
この赤字の分野にブロードバンド事業の営業赤字(179億円)が加わり、ソフトバンクは連結営業赤字へ転落したというわけだ。ソフトバンク傘下の事業会社数は多いが(連結子会社285社、関連会社111社、投資先790社=02年3月末)、最終損益が黒字の会社は日本のヤフー55億円、eトレード4億円、モーニングスター1億円など数少ない。
特別損失が巨額な点も見逃せない。02年3月期は特別利益911億円(株式の売却益)に対し、特別損失の合計は1778億円に膨らんだ(株式の売却損・評価損など)。これまでソフトバンクの特別損益は黒字で、00年3月期841億円、01年3月期669億円であったが、02年3月期には一転して866億円も特別損失が上回った。冒頭でも指摘した通り、保有株式含み益はピーク時の10分の1以下に減り、これまでのように特別勘定に依存できなくなり、事業利益だけに依存する普通の会社になったのである。

ブロードバンドも実は赤字

ソフトバンクは01年9月、ADSL(非対称デジタル加入者線=既存の電話回線を使った高速インターネット接続)を使ったブロードバンド事業「ヤフーBB」を開始した。インフラ部分をソフトバンクの100%子会社「BBテクノロジー」が手がけ、顧客獲得や課金業務などを日本のヤフーが行っている。
02年3月期のブロードバンド事業の売上高は91億円で、そのうち「BBテクノロジー」の売り上げが61億円。つまり、ブロードバンド事業の大半(そのほか買収した「めたりっく通信」の売り上げなど)が、新しく立ち上げた「ヤフーBB」関連ということだ。しかし、日本のヤフーの「ヤフーBB」関連の売り上げが132億円、営業利益51億円と事業初年度から黒字を出しているのに対して、ソフトバンクは赤字(ブロードバンド事業の赤字179億円)に陥っているのが実態だ。
その主因は、「ADSL事業(ヤフーBB)立ち上げに関する費用計上」と、ソフトバンクは説明する。しかし、ヤフー側が黒字になったといっても、ヤフーが「BBテクノロジー」に販売した専用モデムなど、スターターキットの売上高が含まれるためで、これは初年度に集中、今後はこれが剥げ落ち、ヤフー側の「ヤフーBB」関連の売上高も目減りしていくのは必至だ。
急増する国内ADSL加入者シェアでトップのNTT東西は40%程度で、これに日本のヤフーが約20%と続く。NTTはADSL基幹網を「ヤフーBB」のためにソフトバンクに貸す立場であると同時に、同じADSLサービス事業を展開している。「貸す」「借りる」という二つの立場で同一サービスを行う場合の優劣は極めて明らかだ。基幹網を伝統ある通信会社から借りていた米新興テレコム企業のほとんどが倒産したことが、それを実証している。
あるNTT幹部が言う。
「ヤフーは超安値のADSLサービス先駆者で、国内普及の功績は大きい。しかし先行性と、事業継続性は別だ。新興のADSL企業が破綻しても、基幹網を押さえるNTTが加入者を引き継げば、ユーザーに迷惑はかからない。他社を含め、ADSL加入者は、わが国の国家戦略である全家庭への光ファイバー網敷設(FTTH)の顕在見込み客だとNTTは捉えている」
ソフトバンク保有株式含み益(4236億円)のうち日本のヤフーの含み益は3392億円、その割合は80%。含み益の大半がヤフーなのだ。米国のヤフー株を売ってはいるものの、日本のヤフーとの事業がもし失敗すれば、それはソフトバンク自体の命運にも関係する。ソフトバンクは完全に「ヤフー依存」になっている。

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