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「補助金と減税の違い」&「政治的受け皿問題」 投稿者 あっしら 日時 2002 年 8 月 30 日 17:58:53:

(回答先: 貴殿の政策アイデアの本質 投稿者 匿名希望 日時 2002 年 8 月 30 日 07:33:31)

レスありがとうございます。


● 補助金と減税の違い

アイデアが、即座に減税と理解される策でもなく、本質的に補助金であることも自覚しています。

端的には、優良企業の利益を活用した総体の利益増加(減少阻止)政策であり、法人税を使って経済論理を経済主体に知ってもらうためのゲームです。

法人税と切り離された補助金として受け取るか、企業活動の集約的表現である法人税の支払い額変動であるかの違いで、企業経営者の受け止め方は変わってきます。
(人件費増額と利益・売上の増加が直結していることを理解するという意味です)


>法人税減税の活用に関する貴殿のアイデアは要するに、名目賃金を前年度よりも上昇
>させた法人には、2兆円を限度として補助金を出すと言う事です。元より細かい点は
>捨象するとして、法人減税とリンクさせるよりもこの方がすっきりしています。

提示したアイデアは、利益を上げられる企業から、利益どころか元利支払いという費用さえ支払われない企業への利益の産業連関的分配であることに意味があります。

まず、利益を予想しない企業は、アイデアに乗らないということです。
利益を上げられない企業がこのアイデアに乗るはずもありませんが、乗ってもらっては困ります。そのような企業は、利益を上げる能力を持つ企業から“おこぼれ”をもらった後に、乗るなら乗るべき存在です。

次に、給与の引き上げが、利益の増加に貢献することを“知る”機会を与えることです。
貴殿に説明することもないのですが、閲覧者のために簡単に説明します。

「例えば、10億円の人件費が10億5千万円になったら、増加分の5千万円の50%である2500万円を所得から控除するといったもの」として、

[アイデア未実施の場合]

経済が単純に循環しているとすれば、5千万円はそのまま利益として計上されますので、前期利益が1億円であれば1億円のままです。
適用法人税率が40%とすれば、納税額は4千万円で、税引後利益は6千万円です。

[アイデア実施の場合]

経済が単純に循環しているとすれば、前期利益が1億円であれば今期利益は5千万円になります。2千500万円の所得控除で課税対象所得は2千500万円になりますから、納税額は1千万円で、税引後利益は4千万円です。


単純な循環で考えると、“儲け”は6千万円−4千万円=2千万円と減少しますが、このアイデアと恒久的「低中所得者減税」による需要拡大を合わせて10兆円超と考えれば、それにより、いくつかの前期赤字企業が今期黒字に転換します。

長引く「デフレ不況」のなかで企業は採算性を追求した体制を築いていますから、わずかな売上増加で黒字に転換します。(GDPが名目で2.5%下落したことで、上場企業総体が赤字になった今年度実績の裏返しです)

増加した10兆円の需要のうち5兆円が企業の黒字として浮かび上がってくれば、2兆円が法人税収として入ってきます。(人件費増額による「所得税増収」をプラスして2兆円になれば、減税→税減収というかたちは打ち消されます)

そして、10兆円の需要増は、人件費を増額した優良企業が供給する財や用役そのものにも及びます。
人件費負担増を超える売上増加が達成されることは少ないでしょうが、財の価格上昇も相俟って、利益を増加させる企業は多いはずです。
アイデアに乗った企業の利益が、単純循環では5千万円だとすれば、8千万円に増加する可能性があるということです。この場合は、税引後の“儲け”が5千800万円と前期とそれほど変わらなくなります。
(スレッシュホールドあたりで利益を出している企業であれば、単価上昇と売上増加が実現されれば、利益は飛躍的に増加します)

このアイデアが継続されていけば、売上と利益とりわけ利益を増加させていく企業が増加していくことになります。


逆に、このような人件費増額施策を実施しなければ、「デフレ不況」のなかで、前期利益が1億円の企業が当期利益8千万円になったり、すれすれ黒字の企業が赤字に転落します。
日本経済に今必要なことは、このような悪循環を断つことです。

>各法人は現況において、税引後のネット利益を犠牲にしてまで人件費を増大させるこ
>とはありませんから、名目賃金上昇分=補助金額(2兆円)になります(名目賃金が上昇
>することによってセーブされる法人税への思慮は捨象)。このことの本質は何か。こ
>れは個人所得減税を行っているのと同じ事です。過去の経緯からも明らかな通り、こ
>れが恒久措置でない場合、減税額の多くは貯蓄に回るか、債務の返済に回り、得られ
>る効果は極めて限定的です。

個別経済主体の“資本の論理”は理解しています。

だからこそ、今回のアイデアも、添付した「短期政策」のように政府の説明責任が大きくなります。(企業の利益につながる経済行為に、政府が補助金を出すわけですから...)

「名目賃金上昇分=補助金額(2兆円)」でも効果がないわけではありませんが、グランド・デザインとの関係で言えば、経済主体がマクロ=ミクロの経済論理を理解しにくいものになってしまいます。
それならば、給与引き上げは労働組合運動にお任せして、政府は、別のかたちで雇用を創出したほうがましでしょう。


人件費の増額による「供給増加」のみが現段階での「需要増加」であるという認識を経済主体が持たない限り、日本経済の将来はありません。


アイデアは、他の課税内容との調整をはかって恒久的なものにしてもいいと思っています。


● 政治的受け皿問題

>中低所得層の所得税負担の軽減化については、以前申し述べたように賛成ですが、そ
>の裏側の高所得者層の税負担増が困難です。人口比率としては前者の方が圧倒的に高
>いわけですから、選挙によって理想的な民意反映がなされればこの政策が実施される
>はずですが、ご承知のような様々な理由からそうはならないのが現実です。我が国に
>おいては(他国も似たようなものですが)、貧富の対立を意図的に煽り、庶民の怒りを
>背景に金持ちがモノを言えなくなるような”空気”を醸成させ、法案成立に持ち込む
>しかないでしょう。そのためには庶民の暮らしがもっとひどくならないとダメです。

まず、“岸壁の母”や“醜女の深情け”ではありませんが、苦境の原因が理解できなければ、「庶民の暮らしがもっとひどくな」っても、強力な拡声器が発する“誤った”理念に期待を寄せる状況からは脱却できないと思われます。

セーフティ・ネットはそれなりに張られることで緩和もされます。
一方で、自殺やホームレスという選択で決着を付ける人や窃盗や強盗でしのぎをする人も増えるでしょう。

経済価値観や経済政策を大きく変える主導力は、統治機構及び主要メディアにしかないのです。

また、疲弊困窮した庶民の声を受け止める“政治的受け皿”の問題があります。

「低中所得者減税」程度の政策であれば、共産党や社民党が合わせて30%ほどの勢力になれば実現できるでしょうが、彼らが総合的な経済政策や外交政策で合理的な影響を与えることはできませんから、ぐちゃぐちゃな経済政策になってしまい、「低中所得者減税」効果もふっとぶ(所得がない人や極端に低い人は所得税0です)ことになります。
経済論理がわかっていない人が「弱者救済政策」を考えても、さらに弱者を増やすだけになります。

「匿名希望」氏など政策立案に影響力がある人たちが、多数派政党の心ある勢力に働きかけて経済価値観や経済政策の微妙な軌道修正を続けていくことによってでしか、日本の建て直しは実現しないと思っています。

残念なことですが、日本国民の多数派?は、判断を実質的に他者に任せるという“おんぶにだっこ”の状態で生活しています。
自殺やホームレスも窃盗や強盗も選択できない人が多数派なのです。

アルゼンチン国民よりも、日本国民のほうが、ひ弱で政府依存的だと見ています。

ああいう経済状況に陥ったアルゼンチンでさえ、(今のところ)大きな政治的変動はありません。
日本がああいう経済状況になることはありませんし、仮にああいう経済状況になったとしても、アルゼンチン未満の政治変動しか起きないはずですから、“窮乏化待望論”は無効だと思われます。

また、“貧すれば鈍する”で、とてつもない困窮状態で多数派が判断する政治的選択が好ましいものとも言えません。

心ある官僚と心ある政治家が組んで、少しずつでも経済価値観や経済政策を軌道修正していかなければならない段階に既にあります。

他の選択肢を知らないだけなのですから、このような動きを国民が知れば必ずや流れが変わる状況にはあります。


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