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「マネーアングル」不正と浄化の歴史は繰り返す―日本再考の秋(東京9月2日ブルームバーグ) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 9 月 02 日 12:05:50:

エンロン、ワールドコム……数々の米大手企業を舞台にした不祥事。多くの識者がITバブル崩壊後のこの現象を「米国型資本主義システムの終焉」、「クライシス・オブ・コンフィデンス(信頼の危機)」と呼んでいる。米経済は信用を失墜したままダッチロールしてしまうのか。それとも世界のリーダーにふさわしい自浄力を発揮するのか。

市場のダイナミズム

米資本市場の歴史に詳しい三菱証券金融市場戦略部の大寄浩志シニア・フィナンシャル・マーケット・アナリストは「数々の不正は断じて許されはない」としたうえで、「いかさま、ペテン師など不正や欺瞞(ぎまん)は過去にも幾度もおこったことで、いまさら驚くにあたらない」との見方を示した。
むしろ、「不正が起きるたびに関係者を厳しく罰したり、新たな法律が制定されるなど不祥事を糾(ただ)す自浄作用が常に働き、資本市場を健全な方向に戻す力が働いてきた」。不正と自浄作用のバランスが米資本市場のダイナミズムを保ってきたことこそ「注目に値する」と指摘した。
日興ソロモン・スミス・バーニー証券・債券本部コーポレート・ボンド・リサーチの水野辰哉アナリストも「米資本市場は内部に浄化作用が働くメカニズムがある。それとあわせて、徹底性、スピード、柔軟性、バランス感覚も評価に値し、米資本市場の特徴といえるだろう」。

「どろぼう貴族」

「ロックフェラー」、「カーネギー」。石油と鉄鋼産業の礎(いしずえ)を築いた名門財閥だ。19世紀後半の「ギルディッド・エイジ(金ぴかの時代)」とも言われた華やかな世相を醸し出したが、彼らはその裏で、「ロバー・バロンズ(どろぼう貴族)」とも呼ばれた。自らの利益拡大にのめり込んでいったその経営手法はしばしば、米世論の批判の的となった。
米大手証券のドレクセル・バーナム・ランバートを舞台にした金融界の不祥事。幹部だったマイケル・ミルケンと投資家アイバン・ボウスキーも悪名で知られた。ミルケンは格付けが投機的等級の低格付け債である「ジャンク債」の帝王と呼ばれた。
ミルケンとボウスキーは証券取引法違反で逮捕されたうえ、当のドレクセルも、1987年のブラック・マンデー(暗黒の月曜日)以降、ジャンク債市場の崩壊と共に経営破たんした。

資本主義の常

だが、過去の不祥事を検証してみると、強い浄化作用が働いていることが分かる。エンロン、ワールドコムなどの相次ぐ不祥事で、米ブッシュ政権が異例の速さで成立させた「企業改革法」のような措置は実は今回が初めてではない。
その好例が「独占禁止法」の成立だ。ロックフェラー率いるスタンダード石油の経営手法が世論で大きく糾弾され、米司法当局はスタンダード石油をシャーマン・反トラスト法違反で有罪と判決した。これをきっかけに、米国では急速に独占禁止法が整備されるようになった。米史上、最大の浄化作用と言える。
ジャンク債をめぐり、数々の不正があったウォール街にも、大きな浄化作用が働いた。マイケル・ミルケンとアイバン・ボウスキーの両者とも証券界を永久追放されたが、その後、彼らは社会福祉事業に専念した後に、やっと刑務所から解放されることとなる。
大きな不祥事は石油、鉄鋼、証券、通信など、その時代の成長産業、基幹産業で起きた。そうした企業の経営者はあくなき利益を追求し、事業規模の拡大を図る。買収に次ぐ買収、そして弱者いじめ。その行く末に大きな罪を犯す。資本主義の常ともいえる。

不正と浄化の繰り返し

しかし、米国では、不祥事が発覚した後には必ず社会資本が残されているのも確かだ。マイケル・ミルケン事件は「リスク分散」という資本市場の最大命題のもとに「ジャンク債市場」の創設につながった。米国に匹敵する規模のジャンク債市場はない。また、LBO(レバレッジ・バイアウト)などのより進んだ金融技術の発展にも一役買うこととなった。
ワールドコム破たん後も、光通信という情報インフラストラクチャーは確実に残ることは間違いない。莫大な債務が免除となる将来の新生ワールドコムは金利コストの分だけ、通信料は安くなって、消費者に提供されることとなる。
「株式投資家と債権者は大きな損害を被ったが、それ以外の消費者には、不正企業の残したインフラが安い料金で提供される」(大寄氏)。不正と浄化の繰り返し。それこそが米国資本市場のダイナミズムの源泉だ。

歴史の教訓

この歴史に日本は何を学ぶべきか。損保ジャパン・アセットマネジメントの伊藤稔顧問は浄化作用が働くメカニズムについて「米国では1930年代の大恐慌以来、直接金融の流れのなかで、投資家保護という観点に重点を置いて法整備や行政がなされてきた。これが浄化作用が強く働く下地を醸成してきた」と指摘した。
伊藤氏は、日本とは異なり米国では、大衆投資家をバックにした資本主義が育っており、これらの投資家はなにか事件が起きるたびに、モノを言って、不正を正してきたというのだ。
米国では、法に触れた人間を徹底的に裁くのに対して、日本企業は特殊法人とそのファミリー企業や、談合といった言葉にみられるように「もたれ合いの構図」が社会の隅々にまでできあがっている。構造改革の名のもとに、こうした悪弊を何とか打破することが日本再生への第一歩として、その不透明な経営実態の解明が政策の場で論議されている。
日本の企業社会では、犯罪を犯した経営幹部が多額の保釈金を支払って刑務所から出た後に、関連企業に転籍したりして「復活」する例も多い。例えば、元首相が関わった犯罪として戦後日本の疑獄史でも異彩を放つロッキード事件。有罪判決を受けた全日空の若狭得治氏はその後も名誉会長や相談役として全日空に君臨、現在も顧問の地位にある。
三菱商事国際戦略研究所の藤山知彦所長代行は、日本企業の強さやもたれ合いなど長所、短所の双方を認めたうえで、「自浄作用がきちっと働き、しかも効率的な経済社会システムとはなんだろうか、ということを日本の企業風土のなかで、突き詰めて考える秋(とき)がきた」と指摘した。

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