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「世界連鎖株安」(9/6住友金属鉱山ゴールドニュース) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 9 月 06 日 12:44:01:

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「世界連鎖株安」 ☆☆

前回「注目の秋が始まる」としたが、9月が始まってみれば、「世界連鎖株安」である。
このところ薄商いのなかズルズルと値を消していた日本株がバブル後の安値を更新した3日、その流れは、そのままヨーロッパ市場に受け継がれ、最後は(夏休み明けを示す区切りとされる)レーバーデイ(労働祭)の連休明けで9月最初の取引となったNY株式市場をも急落状態に巻き込んだ。
言うまでもなく各市場とも株安の背景として個別の要因を抱えている。それが同時株安となるのは、一言で言えば、世界経済の先行きに対する不安、より具体的には、その牽引役としての米国経済への信認あるいは期待の低下の現れということである。企業業績の伸びに対し明るい展望を描けないことが、投資家の株離れを加速させている。
そうした意味では、先行する日本で見られるように投資マネーの安全資産へのシフトという意味合いから、ついに米国でさえも国債購入に拍車がかかっている(10年国債の流通利回り過去最低の3.9%)。また、すでに報じられているように、米国では株式投信の解約が急増し、7月の純流出額が526億jと過去最高を記録している。楽観的で知られる、さしもの米国投資家も取引時間中の安値で7500j割れまであった7月の株価急落は、さすがに“こたえた”というところか。わずか2ヵ月たらずの間に25%もの下げ、しかも(あの)「9・11」後の安値まで割ってしまったのだからこれはショックである。こうした市場心理の揺れが、価格変動の“材料”に対して過敏な反応を起こさせているように見える。的確に表現するのが難しいが、NY株式市場は、なにかセンチメント(投資家心理)のコア(核)に当たるものが、変化してしまったような印象である(株価の戻りに対する自信の揺らぎ?)。
一夜明けた4日の海外市場と5日の国内株式市場は、自律反発的な動きで終わっている。
NY市場の方は、ダウで117.07j高(+1.41%)と6日ぶりに上昇した。個別には8月の自動車の販売台数が前年比13%増と絶好調が伝えられ、それを好感したとされる。おそらく、下げが大きかったので、空売りの買戻し(ショート・カバー)が入ったものだろう(下げると買い戻しで利益が出るのでおのずと買い注文が入る)。この点、東京株式市場の方は、空売り自体を規制してしまっているので、こうした“マーケットの息遣い”とでも表現できる自律作用はほとんどない(したがって非常に脆弱)。これまで(株安を止める)対症療法的な施策を繰り返した“つけ”が回っているわけだが、その意味では「株価の下げ」つまりは「マーケット」が抜本的な政策実行を促しているという捉え方が当たっていると思う。
NY市場にしても従来との比較からは、戻りも限定的で力強さは感じられない。8月8日配信号で「米国経済は腰折れする公算は小さい」という8月2日付の日本経済新聞の社説を引用し、内外メディアの楽観的論調に対し、「かなり危ういのではないか」としたのだが、あれからわずか1ヵ月でメディアのトーンも大きく変わってきた。あの時、「米国株は未だ底打ちせず」とし「日本株においておや」としたが、この見方は今も変わらない。米国株については、「9・11」といういわゆる「アニバーサリー」接近で警戒モードが高まっているということを加味しても、あの7月の安値が「底」とは判断できない。
(価格予測は当欄の目的とするところではないが)この水準においても、日本株においておや、である。日本株については、逆説的だが、予想以上の株価の下げで危機感が一気に高まり、ウルトラC的な政策が打たれる状況、それこそがマーケットが求めていることなのだろう。政策が決定し実施の日程が固まった段階で、その効果が現れるのが先であっても、期待感から先行して上げてゆくのが株式市場の本来の姿である(教科書的な分析ではあるが)。果たして、それが近々に出るのか否か。
悲観的な話を連ねるのは本意ではないが、難しいのは、いまの金融経済がグローバル化で一体化してしまっていることである。つまり昔と違い、日本一国ではどうにもならない問題も増えている。どうしても外の影響を無視するわけにはいかない。
具体的には、ここまで世界経済の牽引役として振舞ってきた米国の状況次第で、個別国の方向性も決まってくる。以前から当欄で訴えていることを切り口を換えてもう一度確認すると以下のようになる。米国金融市場の変調は、バブルが弾けたことによるが、そのバブルは、95年に始まったルービン元財務長官による「強いドル政策」により世界中の投資マネーを米国に集めることでもたらされた。それが弾けたということは、いわばその上に乗っていた世界経済の根底が崩れていることを示す。いわば世界バブルが弾けているわけで、修復には相応の時間と政策が必要となる。いまはまだその渦中にあるというわけだ。
さてこの中で金市場の方は、レンジ相場継続ながら堅調に推移している。前回取りあげた米国のイラク攻撃の可能性も、ブッシュ大統領が議会工作を活発化させるなど現実味を帯びてきた。NY金市場では、中心になっている取引の5日の終値が316.50jと100日の移動平均線を越えてきた。価格分析(いわゆるテクニカル)からは、強気に傾いていると言える。以前取りあげた「金鉱株指数」の方も株式市場低迷の中でひとり気を吐いている状況で、フィラデルフィア金銀鉱株指数も久々に70ポイント台に載せてきた。今週は6日(金)に米国の雇用統計(失業率)の発表が予定されており、数値によっては株式市場が再び荒れることが予想されており、金市場にも注目である。そして来週は「9・11」1周年を迎え、金融市場には心理的影響が現われそうだ。(9月5日記)
金融・貴金属アナリスト
亀井幸一郎

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