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構造改革、黒字企業への課税強化、労働分配率の向上など>あっしらさん 投稿者 たにん 日時 2002 年 9 月 06 日 22:55:03:

こんにちわ。

>横レス大歓迎ですから、どしどし書き込みしてください。

それではお言葉に甘えて^^


>>NTTのような独占企業なら(少しは)わかりますが、海外の企業と厳しい競争関係に
>>ある企業が、労働分配率を上昇させれば、その存在を危うくし、背任行為になるのではないですか?
>私の主張は、(所得)再配分ではなく、供給(所得)の増加です。
>その大きな違いは、使途(需要)が国家の手に委ねられるのではなく、諸個人の手に委ねられているということにあります。
>徴税されたカネが自動車に向かう割合と、所得の増加として手に入ったカネが自動車に向かう割合を考えれば、給与(供給)を増加させた企業のメリットの違いがわかるはずです。
>利益を上げている企業が労働分配率を上昇させるわけですから、存在が危うくなることはありません。販売価格と販売価格がそのままであれば、利益が減少することになります。
>利益が減少する可能性はあるわけですから、背任行為という指弾もありえますが、米国に顕著に見られる短期株価至上主義的なもので、中長期的に見れば、企業経営を強固にするものです。それがわからないのが、現在の企業経営者の知的レベルです。
>そして、労働分配率の上昇であれば、直接・迂回を問わず自分のところの商品の売上増加につながる度合いが高くなり、増税であれば、その度合いが減少することになります。

黒字企業のみへの課税強化と、その労働分配率の上昇で、会社が弱って潰れなければ勿論、それが一番結構なことです。
(海外の競争相手にとっても、日本の市場が拡大し日本国内の生産者が弱体化するのは願ったり叶ったりの状況。
これまで米国庶民が借金により長期的な信用を犠牲にして消費したのと似て、
日本では競争産業を犠牲にして需要を拡大しようと言う発想です)。
しかし以下の反論が当然なされるでしょう。

「一斉に同じ業界の全世界の会社が談合して(または強力な労働組合や国家の規制で)
労働分配率を上昇させる場合は別として、労働生産性(つまり利益)の上昇が無いにも関わらず
国内の一部の社だけが行えば、その会社の選択としては 
1、配当性向を落とす 2、将来に向けた投資を減らす などしかあり得ず、
株主に見放されて株価が下落、銀行からの借り入れ金利が上昇し、長期的に見れば、
それ以外の条件が同じ他社との間の競争に負けて淘汰されてしまうのではないか?
(あと 3、納税額を減らすという手段もあるが、これは国家財政の更なる悪化を招く)

そしてグローバル資本主義と世界的共産主義の破綻で世界的な労働運動はほぼ死滅し、
しかも国内規制では海外への影響が及ばない現在、社員に配分した給与は
自社の製品購入に結びつく利益よりも、外部(主に海外)に吸収され還元されないのではないか?」

結局、労働生産性(つまり利益)の上昇が無い労働分配率のみの上昇は私企業としては
非合理的な選択(囚人のジレンマゲームのようなもの)に思えます。やはり
技術開発等への投資による生産性向上を計った上で行うことが肝要ではないでしょうか? 

欧州的なワークシェアリングも生産性を低下させ、産業を衰退させるだけであり、やはり
膨大な失業者を発生させ、賃金低下によって新規産業創出を計るのが必要かと。
失業給付もデフレによる価格低下が、これまで以上の生活水準を可能にします。


>もう一つ、「デフレ不況」を悪化させないかたちで増税(税収増)を実現するためには、高所得者と黒字企業に課税しなければなりません。
>労働分配率を上昇させても、「費用=損金」ですから課税所得にはなりません。
>法人税が増税になれば、「利益=益金」がより多く持っていかれることになります。

高所得者への課税強化と低所得者への課税軽減は同感です。それだけでなく、
過去のバブルやこれまでの膨大な公共投資で潤い、現在も海外からの資本収入によって
利益を得ている富裕層への資産課税も必要では無いかと思っています。
仮に調整インフレを起こしても富裕層の国外への資産逃避が増加するだけであるので、
一時的な累進課税を通して低所得者や増大した失業者へ、競争力の低下や空洞化の進展を
伴わない形で富をきちんと再配分することでしょう。

黒字企業(競争産業)のみへの負担増は、上記の理由でお勧めできません。逆に
外形標準課税等により不当に公共サービス(税)を貪っている非採算企業を淘汰(不良債券解消)し、資金と
人的資源を有効配分するべきではないでしょうか?デフレ不況は国内産業の再構築を債権国に要求するもので
あり、累進課税や資産課税によって低所得者/失業者の生活(需要)を維持すれば無用な混乱も抑制できます。
これはデフレだからこそ可能なことです。途上国では憧れ!であるマックのハンバーガーを毎日食べ、
ユニクロで洋服を買っても、今の生活保護手当てで十分です。そして改革により安くて高品質な住宅供給を
可能にすれば失業しても死ぬほど働く中国の中産階級以上の生活が保障されます(中国人が知れば怒るかも
しれませんが、これはかっての好況期の日本の兎小屋生活と不況欧州の豊かな生活の違いのようなものでしょう)。

同時に抜本的な政府支出の減少(つまり無駄な公共投資削減による非効率な公的経済の縮小と、民間への明け渡し)
による行財政改革の加速と、一方での科学技術投資や新規産業創造優遇策が必要不可決と見ます。
国内に改革者が現れなければ、競争力のある産業から、どんどん外資に買収されて行き、再植民地化による
GHQ的改革(冷酷なスクラップ&ビルド)を待たねばなりませんが、それはIMFとアルゼンチンの関係を見れば
明らかなように、食料自給もままならないのに飽食を貪って来た国民にとっては過酷な道となりましょう。
(それもまた長期的に見ればかっての敗戦と同様、日本の再生に必要な死なのかもしれませんが)。


>利益を資本化する見通しがあればそれはそれで良しですが、昨今の経済状況では、銀行に預けていても自分のところの商品売上が増加するわけではなく、「デフレ不況」が進むだけです。(トヨタなどの優良企業も、その悪影響から逃れることはできません)

利益は従業員に払ってしまえば消えてしまいますが、海外への新規移転投資や、新規の研究開発投資、
同業他社の買収などに使えますし、将来的な産業構造の変化に伴う、新規分野への投資や買収のための
予備費としても分散投資しておくのが有利ではないでしょうか?またトヨタ銀行やホンダ銀行などを作って、
信用力を利用して儲けるという手にも使えます(あまりお勧めできませんが)。

>まず、国内販売が1万台増加するのと輸出が1万台増加するのとでは、国内販売が1万台増加するほうが有利です。
さらに、輸出増加は期待しづらい状況にあります。(これからは現状を維持するが精一杯でしょう)
国内販売も、量的な拡大というより車種を高級化することでしか、自動車産業の持続的な成長はないと考えています。

個人的には自動車産業は、成熟段階にあり、環境配慮型(つまり高技術/高付加価値車)しか大型(数十兆円規模)
かつ日本が優位に立てる新規需要は見込めないのではと見ています。通常の車種に関してはアジア等の参入により
国内生産では利益が出ない部門になって行くでしょう。
そして規制が緩和され条件が良くなればトヨタやホンダは自動車以外の分野にも、積極的に進出して行こうとする
でしょう(失敗する可能性も大ですが)。 


最近の株価の下落の要因も、今後の米国経済の失速を予感した世界(特に欧州)の金融資本が、
リスク資産の見直しによって株から移動しているのが主因と見ています。そのときに最も影響を受けるのが、
今後持ち合い解消圧力などを抱え、米国依存度の高い日本株であったのではないでしょうか?
そうした大きな潮流自体は政策当局の努力によって左右できるものではないでしょう。
そうした状況で、将来的な増税を前提とする既存産業への景気対策など、ほとんど無意味であり、
非採算企業の温存を意味すると見なされて、将来的な売り圧力になるだけでしょう。
(勿論、個人的には徹底的な規制緩和と税制簡素化等も活性化にとって不可決だとは思います。)
http://www.nli-research.co.jp/doc/mochiai00.pdf

日本経済の失速は構造的なものなので、プライマリーバランスの改善無しで日銀引き受け等インフレ策を
行っても、国債残高の発散と円資産の海外への逃避を招いて国内金融資産の劣化(膨大な国富の喪失)を招き、
多少の需要の創造効果も、巨大な資産格差の発生(年金生活者や低所得者層の実質購買力の激減)と、
低生産性企業の温存で長期的にはマイナスでしょう。 

また仮に100%構造改革が成功したとしても、今後暫くのさらなる日本経済の失速、失業や倒産の
増加は、国内政策のみでは避けられないものでしょうし、最終的には構造改革によって、まだ暫くは続きそうな
世界的な生産過剰状況(デフレ不況)を乗り切り、日本経済が再生していくことは可能だとは思いますが、
そのための苦痛に国民が耐えられずに、政治的弱者である競争産業への負担強化と非採算産業の
温存によって、最終的にアルゼンチン化する確率は高いと現状では見ています(残念ながら。。)。

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