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金市場、高値安定継続中(住友金属鉱山ゴールドニュース) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 9 月 24 日 11:16:06:

http://www.sumitomo-gold.com/

金市場、高値安定継続中 (☆☆)

金市場は、引き続き国際情勢やNY金融市場の動向に影響されながらの動きとなっている。
日本時間の昨日(17日)午前8時半頃、「イラク、国連による大量破壊兵器査察の無条件受け入れを通告」の一報が伝わるや、取引が始まっていたアジアの金市場では売りが優勢となり、現物金価格は2〜3j急落し、313j台での取引となった。言うまでもなく、突然のイラクの柔軟姿勢に“米国によるイラク攻撃の可能性が遠のいた”との見方が高まったからである。8月に取りあげたが「イラク攻撃」に関してその後の評価は、おしなべて米国経済あるいは株式市場、ドル相場にとってマイナスとの見方が定着してきており、攻撃の可能性が高まれば金融市場の波乱が連想され金に買いが集まり、低くなれば売られるということである。以前「織り込み済み」として取りあげた、足元の金価格に乗っている“イラク・プレミアム”の存在が、図らずも浮き彫りになった形である。
その後、米国政府高官の「イラクの意思表示は時間稼ぎにすぎない」などのコメントが流れ、米国政府の“決意の固さ”を思わせる報道が続くにしたがい、金価格も元に戻り17日のロンドン市場では315.90j(現物)、NYでは318.20j(先物12月の取引)となっている。NY市場では、イラク問題の見方に加え、同日発表された8月の米国鉱工業生産指数が8ヵ月ぶりにマイナスになり(−0.3%)、企業部門の回復の遅れを示す結果となったことからNY株式が大幅に下げ、それも金価格のサポートとなった。
四半期ごとに決算を公表している欧米株式市場では、そろそろ7〜9月期の決算内容についての見通しの発表(プレ・アナウンスメント)が始まっている。ほんの数ヵ月前までNY市場については、年後半の企業業績回復が有力視されていたのである(株式市場はそれを先取りする形で上げていた)。それが、ここにきて見通しを下方修正する企業が増える傾向が強まっている。もっとも、すでに前回8月の金融政策決定会合(FOMC、連邦公開市場委員会)にて米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)は、政策方針を「景気配慮型」として警戒モードに入っているのだから想定済みというところか。9月に入って発表された「地区連銀経済報告(レポートの表紙の色からベージュ・ブックと呼ばれる)」でもFRBは景気判断を後退させるなど、時間の経過とともに米国景気の先行きは不透明なものになってきている。
米国経済は、GDP(国内総生産)にして総額10兆j(約1200兆円)の規模でもちろん世界最大、2位の日本経済(GDP約500兆円)の2倍以上である。一国で世界全体の4分の1にもなる。これだけ大きいと、冷えるときも一気に冷えることはなく、温かい所、冷たいところ混在するのが当然であろう。暖かいところ、あるいは冷たいところとスポットの当て方次第で、良くも悪くも分析はできる。それが各種経済指標にいいものもあれば悪いものもある背景と捉えるとわかり易いのではないだろうか。ただ、その混在のなかで確実に冷たくなっているというのが、いまの米国経済ではないかと思う。具体的には、バブルの余韻の残る個人部門がいまのところまだ“慣性の法則”とでも表現すべき好調さを保っているわけだ。いずれにしても、「V字型」と当初いわれていた回復が、企業部門を中心に逃げ水状態となっており、期待を反映するとされる株式市場の、その“期待”が剥げかかっているように見えるのである。目先ダウ平均で8000jの大台割れがあるのか、月初の安値近辺まで売られているだけに焦点となりそうだ。
金市場の方では、鉱山会社による「ヘッジ解消」のニュースが出ている。将来生産予定分の金を、もっぱら価格の悲観的見通しから(地金を借りたりすることで)先に売ってしまうのが「鉱山ヘッジ」だが、その先鋒に位置する企業のひとつとして知られるカナダのバリック・ゴールドが、2003年末までに現在のヘッジ売り取引を3分の1の規模の1200万オンス(約373d)まで減らすと発表している。また米国ニューモント・マイニングも傘下にはいった豪ノルマンディーが維持していたヘッジの解消をさらに進めると発表している。いずれも17日のことである。来月以降も決算発表にしたがい大所のヘッジ解消の公表が続きそうだ。需給面での好材料であるが、足元でジュエリー需要が減少してきているので、そちらとの綱引き状態となるのがやや気になるところである。
金価格は、ドル建てで引き続き315〜325jのレンジでの動きとなりそうだ。
円建て国内価格の方は、為替市場で投機的な動き(仕掛け)と思われるものがあり、先週末から円安が進んだことから、こちらも堅調に推移している。本日の日本銀行の金融政策決定会合の結果待ちといったところか。今週は19日に大阪でOPEC(石油輸出国機構)総会、来週は24日に米国でFOMC(公開市場委員会)とイベント続きである。その間に発表される米国関連の経済データに市場の関心は集まる。(9月18日記)

金融・貴金属アナリスト
亀井幸一郎

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