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激震 竹中リポート (上) ◆不良債権増 主因はデフレ  【読売新聞】 投稿者 招き猫 日時 2002 年 10 月 29 日 10:20:25:

◆不良債権増 主因はデフレ
 「日本の金融システムが大混乱に陥る」――。21日夜、竹中経財・金融相が小泉首相に提案し、ひそかに了承を取り付けた報告案の内容に、金融庁幹部は驚がくした。

 報告案は、不良債権に対する査定の厳格化で資本不足の銀行をあぶり出し、事実上の強制的な資本注入に追い込んで、経営者を退陣させる強硬路線が盛り込まれていたからだ。不良債権処理の遅れの責任の多くを、銀行だけに押しつけた形とも言える。

 しかし、報告案の認識とは逆に、ここ数年の不良債権の増加は悪性のデフレが主因であり、銀行の努力を超えた次元で増え続けていることが明らかだ。

 日本総合研究所の調べによると、バブル崩壊による影響が薄れてきた96年度以降の6年間だけで、全国の銀行は約57兆円の不良債権を処理した。しかし、新規に発生した不良債権は約68兆円に上る。

 同研究所によると、不良債権の発生と景気は相関関係にある。日本経済が3%台の成長を記録した96年度の新規発生は2兆円だけだったが、消費税の引き上げなどで景気が急落した97年度は約15兆円、98年度は約16兆円の不良債権が新規に発生した。

 そして、小渕内閣の緊急経済対策などで1―2%成長を実現した99、2000年度の新規発生は約10兆円と9兆円にとどまった。小泉内閣が成立した以降の2001年度はマイナス1・9%成長に転落し、不良債権の発生額はこれまで最高の約17兆円だった。

 不良債権の中身を見ても、その発生時期によって、バブル崩壊によるものと、デフレによるものとは、違いがある。

 90年代半ばころまでの不良債権は、バブル期の無理な土地投資や財テクの失敗などによるものが多かった。破たんした住宅金融専門会社(住専)による多額の不良債権とその処理は、バブル型の典型だった。

 しかしここ数年は、売上単価の低下などによる本業の不振で、企業が倒産したり経営不振に陥ったりして、不良債権が増える“デフレ型”が目立つ。

 堅実経営で知られた中堅総合重機メーカーの新潟鉄工所が昨年11月、約2300億円の負債を抱え破たんしたことなどは、その実例と言えよう。

 こうした状況に、日本銀行は今月11日公表したリポートで、バブル崩壊による「負の遺産処理」はすでに終了し、政策の焦点はデフレ克服で新たな不良債権の発生をくい止めることに移ったとの認識を示した。

 「不良債権処理の最良の薬は、デフレ阻止に政策を転換すること」(自民党幹部)。小泉首相にこの声は届かないのだろうか。

◆人気取りの経営責任論

 竹中経財・金融相らがまとめた不良債権処理策の報告案に、銀行界からは、「責任を銀行経営者に押しつけて免罪符を得ようとしている」という怨嗟(えんさ)の声が噴き出した。

 報告案には、銀行に公的資金を注入した場合、全代表取締役の退任と退職金の不払い、担当会計士への賠償責任など、経営陣への厳しい罰則規定が盛り込まれた。経営者への刑事罰強化さえ検討されている。

 さらに、批判を呼んでいるのが公的資金注入を急がせる手段として、年内に資本不足を認め注入を申請すれば経営責任を軽減する項目が潜り込んでいることだ。「罪を認めれば罰則を軽くするアメリカの司法取引のよう」(銀行関係者)で、総反発を受けている。

 報告案は、銀行経営者の責任を執拗(しつよう)に追及しようとしているが、バブルに踊った経営者は、すでにその銀行から去ってしまっているのが現実だ。

 金融界では、97年前後にトップの辞任が相次いだ。旧第一勧業銀行や野村証券による総会屋への利益供与事件、大手行による旧大蔵官僚や日銀幹部への過剰接待事件など、バブル時代を引きずった不祥事が相次いだためだ。大手行同士の合併で、その次の世代の経営者も、若返りなどを理由に退任していった。

 現在の四大金融グループのトップの顔ぶれはこうだ。三菱東京フィナンシャル・グループ社長の三木繁光氏(2000年6月、東京三菱銀行頭取就任)、三井住友銀行頭取の西川善文氏(97年6月、住友銀行頭取就任)、みずほホールディングス社長、前田晃伸氏(今年4月就任)、UFJ銀行頭取、寺西正司氏(今年1月就任)。すべて、97年以降に頭取または社長に就任している。

 もちろん、こうした経営トップも、バブル時代にそれぞれ銀行マンとして業務を推進したという意味で、全く責任がないとは言えない。しかし、料亭の女将(おかみ)に1000億円単位の資金を貸し付けたあげくに貸し倒れを起こした旧日本興業銀行の元トップらに比べれば、その責任の重さは、比較にならないだろう。

 「バブルに踊り責任を取るべき人は、退職金をもらって辞めている。それなのに現在の経営者に責任、責任というのはバカげている。政府の人気取りでしかない」。多くの倒産事件で管財人をつとめた弁護士の高木新二郎独協大教授は手厳しい。竹中氏は、報告案を与党に説明する中で、一時国有化や銀行経営者への退任を促す項目などについて「優秀な経営者を送り込むため」と強調したという。しかし、その優秀な経営者も、深刻なデフレが続く現状では、やがて「失格」のレッテルをはられるのは目に見えている。

 小泉首相は、人気取りの経営責任論にこだわらず、「悪の根源」であるデフレ克服に向け、政策の総動員に踏み切ることが肝心だ。(経済部 近藤和行)



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