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スーパー銭湯さんへのレス:金融取引(利益)も「実体経済」に依存するもの 投稿者 あっしら 日時 2002 年 10 月 30 日 22:40:52:

http://www.asyura.com/2002/hasan15/msg/1151.html )に対するレスです。

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スーパー銭湯さん、レスありがとうございます。
「これで最後です」というレスへのレスになりますが、ご容赦を...


>現在の資本主義が貿易の自由化と同時に資本の移動の自由化、
>つまりモノの移動以上に、お金自体の移動が実体経済を決定して
>いることはまぎれもない事実でしょう。

>実体経済からの立場で見れば、あっしらさんの言うとおりです。
>しかし、世界の富を支配する米国の銀行の資金運用先の大半は
>オフバランスを含めて実体経済への融資総額の10倍とも言われ
>ています。

株式・債券・外国為替など金融取引に投じられる通貨が厖大な額に上り、実体経済に大きな影響を与えていることは認識しています。

しかし、実体経済の裏付けがない金融取引は、たんなる「通貨の移転」でしかなく、何らかの媒体はあるにせよ、Aが保有する通貨がBに移るというものでしかありません。
ミクロ的に言えば、通貨をAが保有しているかBが保有しているかは大きな問題ですが、国民経済的に見れば、それ自体は意味がありません。

金融取引で増やした通貨を実体経済に向けて使ったときに、国民経済的な意味が生じます。

そして、金融取引の動向が、実体経済の動向に規定されている現実も重要な視点です。
「通貨の移転」と言っても、贈与ではありませんから、その取引が利益をもたらすという判断が必要になります。
その判断の基礎は、国民経済の動向です。


>そんな中で、財政出動という一国経済政策の有効性には、限界
>があることの証明がこの10数年の日本だと思いますよ。
>投機でバブルに笑い、投機でデフレに泣く。

赤字財政支出は、日本のみならず米国を除く先進諸国の経済政策の有効性を失っています。
積み上げてきた債務を履行するために、赤字財政支出を維持するのが精一杯で増加させることができないからです。
景況は変動ですから、需要の規模ではなく、増減が問題になります。
赤字財政支出が増加できず、輸出も増加しないのであれば、生産性の上昇に連れて景気が悪化することを阻止できません。

米国は、6兆ドルを超える連邦政務を抱え、経常収支も4千億ドルの赤字を計上しているにも関わらず、赤字財政支出を拡大しようとしています。
そのような芸当が継続できるとは考えていませんが、短期的にもできるとしたら、国際基軸通貨国であり覇権国家であることによるものです。

しかし、先ほど書いたように、金融取引も実体経済に規定されるものですから、国際基軸通貨国であり覇権国家であろうとも、実体経済が悪化することで、そのようなファイナンスもできなくなります。

どうしてもファイナンスしたければ、同盟国から冥加金を集めるか、金満国民経済の金融活動を意を汲むものによって支配しなければなりません。

ファイナンスできたとしても、経常収支が厖大な赤字ですから、対外債務をきちんと返済することはできません。


>投機経済では、その投機を決定する大きな要因が金利であり、インフレ期待ですよね。

「インフレ期待」が投機を決定するとは考えていません。
貸し出しを考えれば、実質金利がどれだけ大きいかが問題ですから、実質金利がマイナスになる可能性もあるインフレよりも、確実にプラスになるデフレのほうが望ましいと言えます。
また、デフレであれば、大金持ちは、投機をしなくても、保有する通貨的“富”の実質価値がが自動的に増大する恩恵を受けます。

投機を決定する最大の要因は、金利でもインフレ期待でもなく、経済の先行き判断だと考えています。
経済の先行きがわかっている人であれば、大きな利益を獲得できる投機ができるということになります。
それがわからない人の投機の結果は、運次第だということになります。

連携して巨額の通貨をある方向に動かせる層は、経済の先行きを自ら規定できます。
そのような層が、投機で大きな利益を上げることができます。


>しかも、国内経済では通貨は価値の尺度でありながら、
>国際金融では決済単位であり変動商品でもある矛盾。

>一国では経済政策が有効性を失うことは免れない。


外国為替レートも、短期的には投機で動くとしても、中長期的には実体経済の変動に規定されるものです。

金融取引は実体経済に規定されるものですから、実体経済の差異を乗り越えた外国為替レート状況を長期的に維持することはできません。

日本の投機家は能力がないのかそのようなことを許されていないのかわかりませんが、1ドル=80円までいった円高が実体経済に見合っていないとしたら、米国の金融資産を買いまくればよかったのです。そうしていれば、円高を緩和するとともに、巨額の利益を上げられたはずです。

米国は国際金融活動の利益を優先してドル高政策を採ってきましたが、それは、米国実体経済を衰退させることになり、やむを得ずドル安政策を採っても日本企業に勝てない構造にしてしまいました。(軍需という公共事業に依存した企業以外の多くが外国に製造拠点を移動して、日本企業に対抗する企業が国内にほとんどいなくなったからです)


外国為替レートは、国際取引商品の価格変動に規定されるものです。

>現在は、戦後の国際経済を支配する米国や国際金融がそれを許さない。

この認識は重要だと考えています。

「近代経済システム」はロジカルに動くものですから、米国(世界経済支配層)がどう自分たちに都合よく経済を動かそうとしても、それが非合理な目標であれば達成することはできません。

しかし、強大な力を保有する存在ですから、力づくで何とかしようとするはずです。
このような愚かな政策が、世界中に経済大災厄をまき散らすことになります。

そして、そのような愚かな政策に協力しようとする政治家(政府)や金融家(中央銀行)もいますから、救いがないとも言えます。

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