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デフレ対策腰砕けで大失業時代“幕開け”〜あの「51社」、倒産処理“本番”で戦々恐々(ZAKZAK 2002/10/31) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 10 月 31 日 17:11:23:

大迷走と修正の末、やっとまとめた政府・与党の総合デフレ対策の中身は、やはりカラッポだった。強引な不良債権処理加速をもくろむ竹中平蔵金融・経済財政担当相の超ハードランディング路線は骨抜きとなり、「不良債権半減」の十字架を背負った大手銀行は、強烈な貸し渋りや貸し剥(は)がしを進める。『小泉・竹中デフレ』が一気に加速して景気は底割れする。「30社リスト」「51社リスト」の過剰債務企業を含め、多くの企業が存亡の危機にさらされるのは必至で、ついに日本経済の地獄絵図が幕を開ける。

◆第2の長銀

金融・産業の再生、雇用対策、中小企業対策、税制改革、規制改革…
お題目がズラリと並ぶ総合デフレ対策だが、補正予算案は臨時国会中の提出が見送られ、財政支出の裏付けはない。
減税も「1兆円を超えるできる限りの規模」と中途半端。政策決定の中心人物に似たのか、「能弁だが中身がない」ものとなった。
給与カットやリストラにあえぐ国民の関心はただ1つ。これでデフレを解消することができるのかということだ。
専修大教授の野口旭氏は「無理ではないか。税制改革や都市再生など政策自体は有効だが、実現性は疑わしい。産業・企業再生策も、市場に任せるべき産業界のリストラを政府が指導することになるのなら、かなりスジが悪い」と手厳しい。
大モメにモメた不良債権処理の加速策。そもそも、デフレを加速させる不良債権処理が「デフレ対策」の項目に収まっていること自体に違和感がぬぐえない。その中身自体も問題が多い。
「金融再生プログラム」では、最大焦点の「繰り延べ税金資産」については、大手行の恫喝(どうかつ)もあって大幅後退したが、「平成10年度までに、主要行の不良債権比率を現状の半分程度に低下させる」との数値目標が設定された。
貸出総額の平均約8%から4%程度にしなければいけないのだが、これは邦銀が飛ぶ鳥を落とす勢いだったバブル期と同じ水準で、実現は極めて困難である。
査定の厳格化、引き当ての強化を迫られる銀行にとって、いつ公的資金の注入や優先株の普通株転換によって国有化されるのかーという基本的な不安に変わりはない。
なにしろ、竹中氏は「旧長銀(現・新生銀行)は、国有化して不良債権を分離し、優良な銀行に生まれ変わった」と新生銀行のケースを成功例とみなしている。
彼の頭には、大手行が第2、第3の長銀になることも視野にある。
野口氏は「ハードランディング路線が先送りされたとはいえ、自己資本比率を高める圧力が強まった銀行は、開き直って貸し渋りや貸し剥がしを進めるなど、ますます防衛的になる。日銀も例によって、金融政策を政府との駆け引きの手段として小出しにしており、さらに事態が悪化する恐れもある」

閻魔大王

産業再生という名の企業淘汰(とうた)も一気に加速する。
「企業の生き死にを判断する閻魔大王が必要やな」。塩川正十郎財務相の肝いりで登場したのが「産業再生機構」。
官民共同とはいうが、実質的には国が企業の生死を判断する。官僚の権益がまた増えるのだが、これって構造改革?
その審判を受けることになるのは、どこか。
竹中氏の相棒で日銀OB、木村剛氏作成の「30社リスト」や、新たに出回る「51社リスト」にある過剰企業の多くが重複する。経営再建中か、株価が額面割れで低迷する大企業がターゲットとなりそうだ。
これらはゼネコン、流通、不動産、ノンバンクなど構造不況業種に集中する。米国方式にならい、銀行は融資先の将来の収益を重視した「ディスカウントキャッシュフロー」という手法で厳しく査定することになる。
東証一部上場の建設会社のうち、10社の株価は額面割れし、借金棒引きを受けた企業など6社が16−30円に低迷する(30日終値)。
「16年度までに不良債権処理」の方針を受け、24年度まで続く熊谷組のように、借金棒引き(債権放棄)組の再建計画が大幅前倒しを求められる可能性もある。
公共事業削減と民需低迷のなか、やはり再建途上のハザマや飛島建設にも重荷はのしかかる。
商社も、大手9社のうち丸紅を含む下位5社は債務削減など再建策を実行中だが、銀行支援がなければ厳しい状況だ。
日商岩井はUFJ銀行などと1000億円のコミットメントライン(融資枠)を設定したが、市場の反応は鈍く、30日の終値は51円。トーメンも60円に低迷する。
ダイエーは日本政策投資銀行などが600億円を出資する企業再建ファンドで何とか生き残りを図るが、本業の回復にはまだ至っていない。
30日に倒産したニツセキハウスは、みずほコーポレート銀行の追加融資を受けられなかったことがトドメを刺した。
その他、過剰債務を抱える問題の大企業や中小企業も安心してはいられない。デフレ加速や銀行の貸し剥がしで資金繰りが悪化すれば、不良債権に転落する恐れがあり、そうなれば地獄の門番の列に並ぶことになる。

リストラ加速

生き残りを図る企業のリストラも一層激しさを増す。すでに『日本株式会社』を支えてきた年功序列と終身雇用制は多くの企業で崩壊する。
証券業界を例にとると、「証券人口は16万人いたのが、現在では10万人を切っている。リストラも限界にきている」(日本証券経済研究所の佐賀卓雄主任研究員)
日本総合研究所は、税効果会計制度が変更された場合のシナリオとして、離職者数332万人、失業率が4.9%上昇すると試算した。
自己資本の計算見直しなど早期の制度変更は見送られたものの、デフレ圧力が止まらなければ、遅かれ早かれ現実のものとなるかもしれない。
前出の野口氏は、デフレ対策で強調する。
「マクロ政策であるべきで、それは財政と金融しかない。政府と日銀は政策協定(アコード)を結び、政府は使い道を精査したうえで財政支出を増やし、日銀はインフレ目標を掲げ、国債買い切りを積極的に増やし続けることが必要だ」
現実には、経済オンチの小泉純一郎首相も竹中氏も言い逃れだけは天才的。明確な政策転換を示さず、日銀も小手先の金融緩和に終始するという絶望的な状況である。
歴史をひもとくと、明治期に松方正義大蔵卿は緊縮財政政策で「松方デフレ」を進め、農民と地主を困窮させた。
大正から昭和初期のデフレでは中小銀行が相次いで破綻(はたん)し、「財界の整理」が叫ばれたが、時の「ライオン宰相」こと浜口雄幸内閣は、日本経済を昭和恐慌に突入させた。
現在の小泉・竹中路線と、恐ろしいほどに符号している。
野口氏は「デフレが続いているなかで、不良債権処理ができるなどありえない。『構造改革なくして景気回復なし』というスローガンにはもともとねじれがあり、それがさらに鮮明になってきた」と指摘する。
歴史は繰り返し、日本経済はまた「地獄の底」を見ることになるか。

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