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【国民経済破壊の「竹中プロジェクト」に代わる『銀行再生策』】 日本経済に必要なのは「合理的な不良債権処理」 投稿者 あっしら 日時 2002 年 10 月 22 日 20:13:59:

不良債権処理の加速化を通じてメガバンクを含む銀行を一時的に国有化し、旧長銀のように外資に超破格値で売り渡そうとしている「竹中プロジェクト」に対する批判を行ってきたが、銀行の過剰債務=不良債権をずるずるだらだら処理していけばいいと考えているわけではない。


● 自己の生き残りを賭けて愚行に走る銀行は国民経済の害毒

俗に言う“不良債権”を厖大に抱えた銀行の存在が、「デフレ不況」から脱却できない一つの要因であることは間違いない。

銀行は、共倒れになる可能性がある巨額債務企業には“追い貸し”や“債権放棄”をしながら、将来の不良債権化を危惧する中小企業には“貸し渋り”や“貸し剥がし”を行っている。

借金をするなら半端な金額ではなく貸し手が潰せないくらい巨額なものにすべきという論理がそのまま現実となっている。
図体がでかくて国民経済に与える影響も大きい「ダメ企業」は生き延び、オーナー経営者がすべてをなげうって何とか頑張っている中小企業は潰されるという倒錯の構図である。

個々の影響は小さくても中小企業の破綻が集積することで、日本経済はより深い「デフレ不況」に落ちてきた。

金融庁はそのような銀行の振る舞いを抑えようとしているが、私企業である銀行は“資本の論理”に従って行動せざるを得ないから、そのように振る舞うのも当然と言えば当然である。

このような意味から、銀行の再生は、日本経済の「デフレ不況」を解消する十分条件ではないが必要条件である。


● ばらばらの国有化政策は敗北必至の「カダルカナル作戦」

「竹中プロジェクト」は、到達地点(目標)も示さないまま不良債権処理を加速化し、必要に応じて国費による資本注入を行って「一時国有化」にもっていこうとしている。

ダメになった銀行をその都度個別に「一時国有化」するという政策は、すべての銀行を破綻に追い込むことになる愚策の極地である。

国民経済は、緊密な有機的連関構造で成り立っている。

あるメガバンクの不良債権処理加速化は、過剰債務大企業を破綻させるだけではなく、直接の取引がある企業、さらには連関的な位置にある企業の存続や収益を脅かすようになる。
そして、数多くの企業破綻から生じる失業者の増加は、まさに国民経済全体に打撃を与える。

これは、なんとか債務超過には陥っていない銀行の財務状況をさらに悪化させる経済状況の出現であり、ドミノ倒し的に銀行の破綻が発生することになる。

幸か不幸か破綻しないで生き延びた銀行も、「一時国有化」された銀行が厖大な国費を投入されて大掃除された後で外資に売却され、それらと競争するようになれば、財務体質の違いから圧倒されてしまうことになる。

現在の経済状況及び銀行財務状況での個別対応型不良債権処理処理加速化政策は、すべての銀行が「一時国有化」される状況に追い込むという認識をしなければならない。

国民経済の回復をめざして銀行再生を行うというのならば、個別対応型ではなく、危険水域にある銀行を一気に国有化する政策を採るしかないのである。


● 出発点は不良債権処理ではなく資本注入

不良債権処理の加速化を掲げる「竹中プロジェクト」は、出発点が大きく誤っている。
出発点は、不良債権の処理ではなく、資本不足の銀行に対する資本注入でなければならない。

厖大な不良債権を抱えているから銀行の愚行が展開されているわけではなく、銀行は、自身の破綻を避けようとして愚行に走っている。

さらに言えば、不良債権を処理することで銀行の生き残りが実現できるわけでも、不良債権処理ができる財務状況でもない。

端的に言えば、現在の銀行に不良債権を加速化しろということは、破綻しろというに等しい政策なのである。

「竹中プロジェクト」は、不良債権処理を進めて資本不足に陥った銀行に資本注入し、優先株に配当もできない銀行は「一時国有化」するというものである。

結果的に資本注入するというのなら、なぜ、不良債権額を勘案して不足する資本を補うために資本注入を先に行うという賢明な政策が採れないのか。

この順序が違うだけで、日本経済に与える打撃の度合いはまったく異なるものになる。

まず、銀行再生に必要な国費投入額が異なる。
先に資本注入するほうが、国費負担も少なくて済むのである。成り行き型・個別対応型の不良債権処理→資本注入は、先ほども書いたように日本経済全体を毀損して不良債権を増加させるので、より多くの資本注入が必要になる。

おそらく、先行資本注入であれば30兆円で済む話が、「竹中プロジェクト」であれば40兆円から50兆円といった金額に膨らむことになるであろう。


次に、銀行再生過程で生き残れる企業の数も異なる。
資本注入を受けた銀行は自己資本比率の増加で破綻の危機を免れることになるから、不良債権処理をじっくり行う余裕が持て、“貸し渋り”や“貸し剥がし”に狂奔する必要もなくなる。
これによって、失業者の増加を抑え込めるだけではなく、経済苦による自殺者の増加を防ぐこともできる。

「竹中プロジェクト」は、“戦犯”だからお取りつぶしもやむを得ない銀行を破綻させるだけではなく、その道連れとして多数の“無実”の企業を破綻させ、日本経済そのものを瓦解させてしまう「犯罪的自国破壊行為」なのである。


● 「銀行国有化」後に限定的な不良債権処理

国費で資本注入をするからといって、不良債権をそのまま放置していいわけではない。

“ゾンビ企業”の存在が、デフレ圧力を加えているだけではなく、そこそこ健全な企業の収益を圧迫していることは事実である。
ダイエーのように、債権放棄を受けながら生き残れる企業がいれば、苦しいなかで競合している小売業の収益を圧迫することになる。

これは、不動産やゼネコンなどの過剰債務型不況代表業種に共通して言えることである。
どの業種についても、政府であれば、地域別の「供給過剰状況」を把握することができる。
ダイエーを例に採れば、地域別にダイエーの店舗が必要なもので生き延びることもできるという認定はできる。逆に言えば、ダイエー店舗が競合する小売業の売上・利益を圧迫している地域も認定できる。

このような認定を基に、残すダイエー店舗を引き継ぎたいという企業に売却し、潰すダイエー店舗を利用形態を問わず売却するという処理策も実施できる。

銀行が愚かな行動に狂奔しないでよい財務状況を確立した後で、このような認定過程を経て、不良債権を処理していけばいいのである。

その際重要なのは、担保物件を、相対で外資に売却したりRCCに売却するのではなく、オープンな市場取引で売却することである。
短期的には不動産価格が下落することになるが、そのような過程が不動産価格の安定をもたらすことになる。

競合企業を大きく圧迫しているわけではない債務企業については、「デフレ不況」の解消を待って処理を決定するという手順を踏むべきである。


● 銀行の責任問題と「国有化銀行」の処理方法

曖昧に書いてきたが、不良債権額を勘案して資本注入するということは、その対象になった銀行を国有化するということである。
(生き残った銀行は“悲劇”だから、全銀行を国有化するほうが望ましい)

それに伴い銀行の経営者及び株主が責任を問われることは避けられない。

しかし、最大の戦犯は、80年代後半の政府・大蔵省・日銀であり、その当時の銀行経営者であり銀行株主である。
「大東亜戦争」の敗戦責任はうやむやにされてきたが、バブルの形成責任は見逃してはならない。時効により刑事罰は問えないとしても、政府・大蔵省・日銀・銀行の責任を明確にしなければ日本経済の真の再生はないだろう。

そのようなことを念頭に置きながら、銀行経営者に責任をとってもらうことになる。(退職金なしの解任ということになるだろう)
株主責任は、残念ながら現在の株主が被ることになる。

銀行員に対する処遇は、国家公務員と同等になる。


国有化した銀行は、投入した国費を回収し終わるまで国有化のままとする。
30兆円+過去の9兆円としておよそ40兆円を業務純益から国庫に納めるまで国有化を継続する。(金額はあくまでも推定だから上下する)

個人的にはそのまま国有化を継続して、郵便貯金と統合した上で「決済専門銀行」と「融資専門銀行」に再編するのが好ましいと考えている。

銀行の国有化は不都合という考えが多数であるのならば、国鉄や電電公社のように、政府保有株式を市場に売却するかたちで民営化すべきである。

旧長銀や旧日債銀のように、厖大な国費を投入してきれいにしたあげく、超破格値で売却するという愚かで売国的な政策を採ってはならない。

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[不良債権処理関連参考書き込みリスト]

『「銀行国有化」の先にある大災厄  − 「不良債権処理」で日本は経済的自立も失う −』
http://www.asyura.com/2002/hasan14/msg/1141.html

『日本経済が「国民経済」ではなくなる日 − “金融資本の論理”が支配する日本とは −』
http://www.asyura.com/2002/hasan14/msg/1214.html

『「竹中プロジェクト」で日本は“最強産業国家”の地位を中国に譲り渡す』
http://www.asyura.com/2002/hasan15/msg/242.html

『「銀行国有化」を日本経済再生の活路に! − その先の“青写真”を示さない「不良債権処理加速化」は自国破壊行為である −』
http://www.asyura.com/2002/hasan15/msg/245.html

『国有化銀行を「短期間では売却しない」という政治的国民的コンセンサスの形成が急務』
http://www.asyura.com/2002/hasan15/msg/134.html

『90年代初頭の米国やスウェーデンも98年の韓国も「デフレ不況」下ではないから“理論的支え”にはならない − 不良債権よりもデフレのほうが深刻な経済事象である −』
http://www.asyura.com/2002/hasan15/msg/696.html

『“資本主義のルール”を御都合主義で叫ぶ「国民経済破壊者」 − 公的資金注入は“資本主義のルール”ではない!! − 』
http://www.asyura.com/2002/hasan15/msg/124.html

『“ハゲタカ”が跳梁跋扈する日本経済とは』
http://www.asyura.com/2002/hasan15/msg/858.html

『小泉政権は「デフレ不況」の怖さを知らない − インフレは抑制できるがデフレは尋常な手段では解消できない −』
http://www.asyura.com/2002/hasan14/msg/1074.html

『「米国依存構造」ではあったが経済は自立していた日本 − 銀行の外資化は甘いものではない −』
http://www.asyura.com/2002/hasan14/msg/1157.html

『“人身御供”大臣竹中平蔵を取り囲む抵抗勢力の「防壁」の高さ − 裏で進んでいる「日米戦争」 −』
http://www.asyura.com/2002/hasan15/msg/780.html


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