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世界があきれる真紀子危機〜経済危機そっちのけで「真紀子と宗男」のバトルに熱中する脳天気〜エイミー・ウェブ(東京)(ニューズウイーク日本版) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 07 日 00:03:19:

青果店の店先でトマトやリンゴが腐りかけているのに、店主と客はそっちのけでテレビの大食い選手権に熱中している――有機食品の認証機関の日本支部で働くドナルド・ノーデングの目に、先週の日本はそう映ったかもしれない。
「誰もが日本の状況をひどく心配している」と、最近ドイツで開かれた国際会議でアメリカ、フランス、ドイツの政府関係者と話したノーデングは言う。「先週の国会を見るかぎり、また日本政府がほかの問題から国民の目をそらそうとしているとしか思えない」
経済が崩壊へと傾くなか、先週の日本は「アンチ小泉ショー」の話題でもちきりだった。2月20日の衆議院予算委員会に参考人招致された田中真紀子前外相が、自民党の抵抗勢力に迎合して改革を妨げているとして、小泉純一郎首相への批判をぶちまけたのだ。
自民党の鈴木宗男・前衆議院運営委員長が招致され、アフガニスタン復興支援会議にNGO(非政府組織)を出席させないよう、外務省に圧力をかけたかどうかが問われた第2ラウンドも白熱。多くの国民がテレビの前にかじりつき、国会中継の視聴率は小泉政権発足以来の高さを記録した。
小泉政権に対する信頼は、1月に田中が外相を更迭され、改革への意気込みが疑問視されたことで揺らぎはじめた。改革のシンボルだった田中が去ったことで、不良債権処理や族議員の排除といった公約がいっこうに進展していないことが浮き彫りになった。

改革推進に大きな打撃

今や「真紀子危機」は、経済の「3月危機」より大きな脅威となりかねない。国会が経済対策より「言った、言わない」の論争に時間を費やし、小泉の改革にブレーキがかかって市場が失望すれば、銀行や大企業が連鎖破綻する可能性はそれだけ高まるからだ。
「田中が鈴木に反論すればするほど、小泉のイメージは悪くなる」と、インディアナ大学のスコット・ケネディ(東アジア政治)は言う。「支持基盤が弱まるほど、小泉がアメリカの期待する『ミスター改革』であり続けるのはむずかしくなる」
すでにブッシュ政権の内部では、小泉が日に日に支持率を落としていくのをみて、小泉の退陣を噂する声も出ているという。
小泉に対する風当たりが強いのは、不可能とも思える公約を掲げたせいかもしれない。昨年4月の自民党総裁選で、小泉は国民に人気の高い田中を味方につけ、公共事業の削減や規制の緩和、さらには長年の懸案である不良債権処理を断行すると約束した。
だが10カ月たった今も、改革の成果はほとんどみえない。その間に景気の冷え込みは深刻さを増し、最新の統計では2001年度のGDP(国内総生産)成長率はマイナス2.1%。格付け機関のムーディーズは最近、日本国債の格付けをボツワナと同レベルに下げることを検討していると発表した。
「今回の騒動は大きな打撃だ」と、ソロモン・スミス・バーニー証券の日本担当アナリスト、ジェフ・ヤングは言う。「今後どうなるかわからないが、小泉は力をそがれたという印象を受けた」

政策と無関係の「余興」

先週の予算委員会に出席した議員の大半は、語気を荒らげる鈴木の姿を楽しげに眺めるばかりで、経済危機から日本を救おうという意欲は感じられなかった。質問も北方領土の「ムネオハウス」に関するものなど、鈴木個人に対する追及がほとんどで、自民党の「ばらまき体質」そのものにメスを入れようとする議論はなかった。
「国民に選ばれた政治家が官僚の政策決定に干渉する。鈴木はその典型だ」と、インディアナ大学のケネディは言う。「重要な公共政策に関してはそれでもいいが、彼が干渉するのは自分の選挙区の利害にからむものばかりだ」
鈴木は「疑惑」に必死に弁明したが、田中の見事なパフォーマンスの後ではかすんで見えた。田中が「(総理は)自由にやれと言うが、実は官邸と外務省がつながっていて、何かしようとしてもスカートを踏んづけられる」と発言すると、野党席では拍手が起きた。
田中は、小泉自身が抵抗勢力になってしまったとも語った。予算委員会後に行われた世論調査では、76%が田中を支持した。
だが、誰もが田中に拍手を送ったわけではない。「これは余興にすぎない」と、INGベアリング証券のチーフエコノミスト、リチャード・ジェラムは言う。「真紀子危機は面白いが、これで政策がどうにかなるわけではない」
今回の騒ぎは、よりによって小泉がこれまで以上の支援と信頼を国際社会から勝ち取らねばならない時期に起きた。予算委員会の直前に訪日したジョージ・W・ブッシュ米大統領は、小泉との首脳会談で経済改革の推進を促した。
ブッシュの態度は驚くほど穏やかだったが、デフレ対策や不良債権処理を急ぐようクギを刺すことは忘れなかった。そのころ、田中と首相官邸の間では、ブッシュの歓迎レセプションの招待状をめぐって新たな衝突が起きていた。
外国人の目からみても、田中は物事をはっきりと言いすぎるタイプの人間だ。マスコミの前で部下を怒鳴りつけたり、たびたび官僚といざこざを起こして批判を浴びたが、小泉政権にとっては自民党や外務省に巣くう腐敗と戦う「改革と変化」の象徴だった。

昔の小泉はどこへ行った

小泉政権は今週、正念場を迎える。2月27日の経済財政諮問会議でまとめられる総合デフレ対策では、不良債権処理の道筋が示される予定だ。金融機関にとっては厳しい内容になる可能性もあるが、アメリカはむしろそうした具体的な行動を期待している。
金融システムと経済を再生しうる確かな方策をもたないかぎり、日本は世界の市場関係者から見放されるだろう。
「小泉政権は日本経済を人質に取っている」と、投資銀行ベアー・スターンズ(香港)のマイケル・カーツは言う。「政治的な駆け引きばかりで、重要なことは棚上げされている。日本はゆっくりと沈もうとしているようにみえる」
田中と鈴木の争いが今後も続けば、小泉は改革への意志をますます疑われることになる。一方で世界は、小泉が真価を問われる会計年度末が刻一刻と近づくのを、息をのんで見守っている。
「真紀子をめぐるゴタゴタは面白かった」と、東京のメディア関連企業で国際ストラテジストとして働くクリス・デメトラコスは言う。「でも、何か大切なものが見えてこない。改革に燃えていた昔の小泉はどこへ行ってしまったのか、といったようなことが」
ニューズウィーク日本版
2002年3月6日号 P.38

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