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「みずほ恐慌」に備えよ〜解約急増し「出血」やまぬメガバンク(選択5月号) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 5 月 03 日 00:13:20:

本誌は一月号で「『みずほ』に明日はない」と書いた。だが、その予言がシステム障害で実現するとは思わなかった。
発生以来、およそ一カ月に及ぶシステム障害は金融機関として最も恥ずべきことであり、みずほフィナンシャルグループが金融機関というより企業として体をなしていないことの証明だ。持ち株会社みずほホールディングスの前田晃伸社長の首で済む問題ではない。
国有化か、解体か——。いや、第一勧業、富士、日本興業三行が経営統合して、世界一の総資産一五〇兆円を擁するメガバンクに生まれ変わるという壮挙、いや暴挙がもう後戻りできない以上、完膚なきまでに切り刻み、縮小させるしかないのではないか。
この期に及んでも、みずほは障害の全容を把握できていない(四月二十四日衆院財務金融委)。だが、預金者口座を管理するオンライン処理と、公共料金などを口座から引き落とすバッチ処理の双方が故障したのは確かだ。
不具合は旧富士系と旧一勧系の勘定システムを橋渡しするリレー(中継)コンピューターで発生したという。しかも都銀間のATM(現金自動預け払い機)提携ネット「BANCS」と接続していたのが旧一勧系だけだったため、旧富士の勘定系が孤立して混乱に拍車をかけたことは、「日経コンピュータ」(四月二十二日号)がリポートしている。
問題のリレーコンピューターのプログラムは、みずほ銀行と子会社「一勧情報システム」(DKIS)が開発した。業界では「銀行勤めのプログラマーは単純作業に倦み、さっさと流出するからろくな人材がいない」と言われ、致命的なバグを見過ごしたようだ。ホールセールの「みずほコーポレート銀行」の複雑なシステム統合に人手を食われ、リテールの勘定系がなおざりにされたとの指摘もある。事前の負荷テストも不十分で、一カ月の口座振替件数が二七〇〇万件に及ぶ膨大なデータ処理が滞った場合の対応ができていなかった。焦って処理済みの磁気テープを再入力し、二重引き落としが多発してしまう。

「預金が消える?」怯える顧客

しかも補修は絆創膏を貼ったようなもので、預金者らはこれからも再発に怯えなければならない。みずほへの不安が津々浦々に広がった。みずほは口を閉ざすが、預金者や取引企業が口座を他行に移す「みずほ離れ」は、金融庁や日銀が慄然とするほどの勢いで広がっている。日石三菱などが給与振込み業務からみずほ除外を決めた。昨年秋から冬にかけてあさひ銀行や朝日生命で起きた「逃避」よりも規模が大きいはず、と囁かれる。
東京電力や東京ガス、NTTなど大手企業の口座引き落としが滞ったばかりか、余波は他行にも押し寄せた。みずほの口座を解約し、他行に口座を開こうとする顧客が、三菱東京、三井住友、UFJなどに殺到、「下手をすると他行のシステムがパンクする」事態が憂慮されている。システムリスクが、信用秩序全体を混乱に陥れるシステミックリスク——要するに「恐慌」に変じる恐怖である。
恐慌は同じ顔をしてやって来ない。昭和金融恐慌が大臣の失言で始まったのなら、今度はプログラマーの些細な見落としが引き金だったかもしれない。
みずほは統合発表当時こそ金融界や産業界から称賛を浴びたが、時がたつにつれて実態が明らかになると、むしろ日本の金融界の「病巣」と指摘されていた。三行は内部で互いに罵り合い、足を引っ張り合い、自らの利益ばかりを追い求めたからである。
そもそも一勧、富士、興銀の三行は、みずほという形の三行統合を望んではいなかったのである。三年前、少なくとも富士は一勧との二行合併を画策し、興銀も一勧との二行だけの経営統合を持ちかけたのだ。富士も興銀も、日本を代表する名門銀行だったが、存在意義を失ってバブルにまみれて落ちぶれ、二十一世紀の生き残りが危うくなった。そこで最もくみしやすい一勧との統合で延命を図ったというのが真相だ。
なぜ一勧を選んだかと言えば、それは一勧が相対的にバブルの傷跡が小さく見えたうえに、自己主張の乏しい「経営不在」銀行だったからにほかならない。比較的良質な資産をもちながら、DKBをもじって「でくのぼう」と揶揄された一勧は、富士や興銀にとって格好の花嫁候補だったのである。
「標的」にされた一勧はどうすべきか迷った。しかしどちらかを選べば、食い物にされてしまうとの思いが経営首脳の脳裏をよぎったはずだ。しかし単独で生き残るだけの自信もない。そこで「二行と同時に手を組めば、自分がキャスチングボートを握れる」と考えた。これが三行統合の始まりだった。
もちろん、富士も興銀も初めは内心、自分だけが一勧と統合したいと考えたに違いない。だが、一勧と組めなければ、東京三菱銀行や住友銀行、あるいは異端児だった三和銀行と手を組まざるを得なくなる。富士も興銀も、世界一の巨大銀行の誕生という理想に吸い寄せられたのは事実だが、実際には三行統合に合意するしかなかったと言える。富士と興銀は一勧との統合は望んでも、三行が統合することに心から賛同はしていなかった。

目を覆うばかりの「経営不在」

かくして、優柔不断で経営不在の銀行と、プライドばかり高く、互いを牽制し合う、落ちぶれた名門銀行二行の構図ができあがった。それが「みずほ」である。みずほにリーダーが生まれるはずはなく、経営は分裂状態が続き、事あれば、真っ先に互いを批判する体質はすでに内包されていた。
みずほは経営統合発表からほぼ一年後の二〇〇〇年九月に、共同持ち株会社を設立し、持ち株会社みずほホールディングスの傘下に一勧、富士、興銀の三行がぶら下がる格好になった。システム統合はそのさらに一年半後の今年四月。三行を「みずほ銀行」「みずほコーポレート銀行」の二行に分割再編するのと同時である。前代未聞の分割再編を、一年で最も決済の多い年度末直後に実行する危険は、素人にでもわかる。しかも三カ月前にはUFJ銀行が口座振替でトラブルを起こしているのだから、なおさらだ。
危険きわまりないシステム統合を決めたのも経営不在なら、統合の延期や再テストを決断できなかったのも経営不在のなせる業だ。さらに悪質なのは、三月三十日に口座振替システムの障害が判明していたにもかかわらず、特別な手当てもなしに統合を強行。顧客に何ら説明もしなかったことである。
四月一日には分割再編に伴って、大量の人事異動や引っ越し作業も直前まで行われていたというから、危機管理はゼロだったに等しい。現にオンラインシステムに障害が発生した当初、経営首脳も本部スタッフも障害に気がつかなかったというから話にならない。
システム障害が発生した直後、富士のキャッシュカードが利用できなくなったため、一勧の役員は「富士のせいだ」と言ってはばからなかった。後に一勧が開発を担当したシステムの不具合が原因と判明すると、今度は富士の幹部が「一勧の旧式のシステムを使うからこんなことになった」と触れ回る。
興銀はそんな富士、一勧のいがみ合いを冷ややかに見ていた。障害のプレスリリースには、興銀出身の齋藤宏が頭取を務める「みずほコーポレート銀行」の文字がない。「興銀は無関係」と言いたかったに違いない。すると一勧は業を煮やして「興銀のシステムの容量が小さく、余計な開発をさせられたから準備不足に陥った」(中堅幹部)と応酬。「システム復旧作業中の混乱は目を覆うばかりだ」と内部の関係者は話す。これがみずほの本質である。
杉田力之(一勧前頭取)、山本惠朗(富士前頭取)、西村正雄(興銀前頭取)の三人のみずほ特別顧問(前最高経営責任者)は、この間何をしていたのか。ある役員は「取引先に頭を下げるでもなく、復旧の陣頭指揮をとるでもなく、ただ部屋にいてあたふたするばかり」と吐き捨てる。三人が集まったのは障害が発生してからおよそ十日後。口座振替の遅れが二五〇万件に達してから三、四日たっていたという。
三年前、帝国ホテル「富士の間」で三人が壇上に立って経営統合を発表して以来、三人の前CEO(最高経営責任者)の信頼関係は低下の一途だった。
経営統合の発表直後の九九年九月。編集部の取材に対し、興銀の西村頭取は「対等合併は意見の違いがあると何も決まらないが、三行統合の場合は意見が対立しても二対一になるから、おのずと正論が通り、難なく事が運ぶ」と胸を張った。「三行統合は、二行による対等合併以上に意思決定が難しくないか」という質問に対する答えだった。
しかし西村頭取の「自信」とは裏腹に、みずほは三行がお互いに牽制し合い、人事をはじめとする重要事項が多数決で決まることを恐れて、意思決定がことごとく先送りされた。「多数決の恐怖」は何よりも人事に顕著に表れた。とりわけ幹部連中が嘆くのは首脳人事の迷走である。健康不安で持ち株会社の杉田力之社長が辞意を漏らした二〇〇一年五月から、首脳人事をめぐる疑心暗鬼で意思決定がストップした。先の西村発言は妄言というものだ。
ポスト杉田は、同じ一勧の西之原敏州副頭取が就任する手はずだった。ところが富士、興銀ともに「我の強い策士」とされた西之原の就任を拒否し、富士の山本頭取が名乗りを上げる。さすがに高齢の西村は断念したが、代わりに大企業取引を担当するみずほコーポレート銀行のトップを興銀出身者にしようと画策する。いったんは山本頭取が持ち株会社社長に就任する人事が固まるが、株価急落で、内外からの経営陣一新を求める声に押され、CEO三人は退陣を余儀なくされる。これがわずか半年前の二〇〇一年十一月下旬。

「同罪」の富士通も窮地の恐れ

本来は後任人事を三人で協議するところが、みずほの場合は違った。富士の山本頭取を持ち株会社社長に決めたうえで、みずほ銀行やみずほコーポレート銀行も含めた「三行のポスト割り振り」を行員二万数千人分設定していた。「山本氏の後任は今さら富士以外の人物にできなくなっていた」のだ。
 富士の小倉利之みずほホールディングス副社長が候補に挙がった。しかし小倉は一勧のシステムをベースにしたシステム統合に強く反対し、一勧の反感を買っていた。首脳人事はこうして迷走し、最後は興銀が「社長、会長、副社長九人の全員退任」を単独で金融庁と協議したうえで、電撃的にマスコミにリークした。富士には「能吏」前田晃伸しか候補がいなかった。首脳陣が予定と変わったため、役員や部長以下の人事がすべて固まったのは、統合三カ月前の今年初めのことだった。
本誌の取材に対し、みずほ銀行の幹部は「結局、人事の遅れが致命傷になった。直前まで業務用の仕様書が決まらない部署もあった。実は四月になっても、新しい名刺にEメールのアドレスが刷り込めない有様です……」と打ち明ける。これでは統合作業が遅れるのも当然だろう。
当初計画では、勘定系システムが一勧系に統一される「片寄せ」方式だったが、システム開発の工数が膨らむ上に元帳データを移さなければならないことを理由に「ブリッジ」方式に変えた。この変更には一勧系のメーンフレームとリレーコンピューターの両方を受注していた富士通が深く関わっている。秋草直之社長自身も乗りこんで当初案を覆したというから、数千億円の受注額の相当部分を返さなければならないかもしれない。富士通は経営難に陥り、主力行のみずほに新規融資を仰ぐという笑えない事態になるのだ。
四月十八日。「昨夜(みずほ銀の)CIO(竹中公一常務)が自殺したのに、金融パニックを恐れるみずほグループはひた隠しにしている……」との怪情報が政界筋を駆けめぐった。朝日生命保険専務の自殺を連想させた内容だけに、マスコミ各社は取材に走ったが、ガセネタと判明した。発信源は定かではないが、「みずほ問題」を政治問題化させ、森昭治金融庁長官の首をとろうとする野党筋が流したとも言われる。一方では、みずほ銀のCIOが一勧出身者のため、「興銀や富士が一勧の勢力をそぐために政界に悪質な噂を流したのではないか」との憶測まで飛び交っている。水面下では、すでに「ポスト前田」をめぐって再び三行間の暗闘が過熱しているのは事実だ。

もう「メガバンク」は要らない

みずほは公的資金注入が生んだ「化け物」だ。一度死にかけたはずの大手銀行が、公的資金によってゾンビのように復活し、「つぶせない」モラルハザードのなかで巨大化した。「化け物」はいまだに一つの生命体として機能せず、細胞は別々の意思で蠢く。システム障害はその一例に過ぎない。
責任の一端は統合に深くかかわり、二年半にわたってその存在を放置し続けた金融庁にもある。アリバイ作りのように、問題が起きてから緊急検査を実施しても意味がない。金融庁には一銭も新たな税金を使わずにみずほを国有化する手段がある。預金保険機構が保有している優先株を普通株に転換し、議決権を取得することである。議決権を行使して、みずほを少なくとも三行に解体し、そのうえで一行ごとに厳しい緊急検査を断行すべきである。今さら無理というなら、資金流出で資産が縮小した分、万単位でレイオフ、縮小均衡するしかない。「メガバンクみずほ」はもう要らないのである。(敬称略)

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