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分析「日本の政治を読む」〜「凧政権」今国会閉幕時に“自爆解散”か[PAXNet] 2002/05/07 09:51:00 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 5 月 07 日 11:21:13:

●逆風すら吹かず「凧政権」失速か

小泉内閣の今後について、年初と情勢が大幅に変わってきているため、ここで改めて政局見通しを示したい。
今年初めと5カ月後とで状況が大きく異なっている点は、ひとつは1月末に能力的にはともかく、国民的人気は高かった田中真紀子外相を更迭したことによって、内閣支持率が大きく下がったことにある。更迭そのものの判断は間違っていなかったものの、タイミングとしては最悪だった。田中氏を支持する層から予想を超える猛烈な反発を受けただけでなく、軌を一にして鈴木宗男、加藤紘一両氏をはじめとする「政治とカネ」問題が噴出。小泉内閣の構造改革推進のイメージが大きく傷つき、首相自身のせいではないにしても、今や「スキャンダル政権」の印象が強くなっている。
もうひとつは支持率急落によって、小泉純一郎首相の政治基盤のぜい弱性が改めて浮き彫りになっただけでなく、これまで隠れていた首相自身の「力量」の問題までも透けて見えてきたことだ。首相は、敢えて「抵抗勢力」を作ることによって、“逆風”を政権の推進力にするという言わば「凧(たこ)揚げ」の手法を多用してきた。しかし、その手口もすっかり見破られ、現在では逆風もあまり吹かない「凪(な)ぎ」状態にある。と言って、自ら政局を動かすだけの力が今の首相にあるようにはみえない。
今後、小泉政権がかつてのような80%を超える高支持率を再び得ることは最早困難だろう。このため抵抗勢力と妥協しつつ、いかに首相側が「名」を得て、抵抗勢力側が「実」を取るかという「妥協路線」しか、政権を維持する手立てはないとの見方が有力だ。
その一方で、小泉首相はあくまで郵政関連法案などの公約が抵抗勢力の反対で成立しなければ、「自民党をぶっ壊す」ことにこだわり続けるだろうと見る向きもある。その論理的帰結は今国会閉幕時の「自爆テロ解散」だという。過激にみえるが、首相にとってはそれ以外の選択はあり得ないとの見方が一部では根強いことも紹介しておきたい。

【内閣改造】

●後任幹事長に古賀誠氏の名

抵抗勢力との大きな妥協はまず、今国会閉幕後に内閣改造と自民党役員人事が行われるかどうかで試される。首相は政権発足以来、一貫して「一内閣一閣僚」を標榜、この方針に頑なにこだわってきた。しかし、その原則も既に田中外相更迭で崩れており、狂牛病問題などで失態が続いた武部勤農水相をなぜかばい続ける必要があるのかとの素朴な疑問も依然消えていない。さらに森前政権から続投している閣僚も多く、自民党内から「人心一新」を求める声は日増しに強まっている。
一方、自民党役員人事でも、最後のYKKの一員として首相が何がなんでも守りたかった山崎拓幹事長だが、女性スキャンダルなどで既に同氏が国会運営面で党の求心力を欠いているのは誰の目にも明らか。とても重要法案をさばくだけの力量はなく、女性層からの強い反発を考慮すれば選挙戦でも不利に働くことが、小泉首相に改造・党人事を決断させる要因の1つとなりそうだ。
最近の首相の発言を見る限り、今国会閉幕後に内閣改造・党人事が断行される可能性は高まっている。もし行われれば山崎氏の更迭はまぬがれないだろう。与党内では、早くも後任に古賀誠前幹事長らの名前が上がっている。

●民間人の川口外相は交代か

内閣改造の規模は今のところはっきりしないが、少なくとも森内閣から引き継いでいる平沼赳夫経済産業相、扇千景国土交通相、福田康夫官房長官、川口順子外相、坂口力厚生労働相、片山虎之助総務相は当然交代の対象になろう。川口外相は主要閣僚だけに、首相としては代えたくないところ。しかし、環境庁長官(当時)から外相に横滑りした川口氏がいくら「能吏」ではあっても、ノーバッチ(民間人)としての限界がある。本格的な外務省再建を考えるなら、一刻も早く実力派議員の起用を検討すべきだろう。
さらに平沼経産相のほか、麻生太郎政調会長、高村正彦元外相に古賀誠氏を加えた「4人組」を「ポストYKK」としてどう処遇するかは今後の政権の在り方を見る上で重要だ。
いずれにせよ、首相が政権発足に当たって取った閣僚指名の「一本釣り」的手法の再現はもう不可能とする見方が一般的だ。

【解散・総選挙】

●「出直し選挙」なら10月か

衆院解散・総選挙の時期については、おおまかに言えば(1)今国会終了時(2)今秋の臨時国会時(3)再来年6月の任期満了選挙―の3通りが考えられる。6月または会期延長後の7月解散については、首相の後見人を自任する松野頼三氏が「余力があるうちに解散」を主張。かつて三木武夫首相が閣内の反対でついに解散できず、任期満了選挙で退陣に追い込まれた二の舞いを避けようというものだ。松野氏は解散に当たっては「少なくとも支持率40%以上は欲しい」としており、この条件を満たすには国会閉幕を待たずに解散ということも理論的にはあり得る。ただ、首相が「対決法案」にと望んだ郵政関連法案などは法案自体の瑕疵(かし)によって、対決とならない可能性が高い。その場合、解散の大義名分は難しくなる。もちろん先に挙げた、国会後の内閣改造が実現すれば、解散は当面なくなる。
(2)の「今秋の臨時国会時」というのは、このところ「政治とカネ」絡みで議員辞職が相次いでおり、これらすべて(現在、衆参合わせて5人)の補欠選挙が10月27日に集中していることと密接不可分だ。今後さらに同種事件で議員辞職が増える可能性は十分にあり、その場合、「いっそのこと衆院解散して出直そう」との機運が与野党に共通して出てくることがあり得る。その際、10月27日以前の解散なら加藤紘一氏をはじめ衆院を議員辞職した人たちも立候補できることになるが、これを選挙民による「みそぎ」と見るかどうか。
ここに上げた2つの時期は当面考えられるケースで、「対決法案」と「スキャンダル(議員辞職)」の2つの理由が絡み合えば、いつでも解散につながることは間違いないだろう。

【政界再編】

●スキャンダルで小泉内閣総辞職なら自民分裂も

小泉首相は一時期、対公明党などの与党対策として民主党と組むそぶりをみせる「民主党カード」を有していたが、支持率が下がり、選挙戦での「神通力」に陰りが出てきた今、このカードはほぼ効力がなくなったと言えよう。だいたいにおいて集票力のない小泉氏では民主党側に組むメリットがない。
次に石原慎太郎都知事が新党を旗揚げした場合、新党が20〜30議席を獲得する可能性は十分あり、同党がキャスティングボートを握れば、自民党と連立を組むことも考えられる。しかし、石原氏と小泉氏がまず連合して新党を立ち上げる可能性は少ないだろう。石原新党のバックには亀井静香氏がぴったりくっついており、小泉氏が亀井氏と最初から手を組むケースは想定しにくい。
ただ自民党が今後、スキャンダルまみれとなり、小泉内閣が総辞職、全くの出直し選挙となった場合は自民党が分裂、民主党(の一部)と組むことはあり得よう。 
(政治アナリスト 北 光一)

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