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VDTからの電磁界の健康影響 投稿者 てんさい(い) 日時 2002 年 7 月 21 日 10:06:03:

あるMLからの転載

日本産業衛生学会「産業衛生学」に2001年5月から2002年3月号に
かけて以下の論文を発表しました。連載が完了しました。

1)VDTからの電磁界の健康影響   2001年5月号

電磁界の健康影響に関しては、一部の作業者の間で、不安感が先行している
きらいがある。 

これはVDT普及当初に報告された健康影響は、本来VDTからの電磁界とは
因果関係が無いにもかかわらず、他の電磁界健康影響の話題と共に、
漠然とした電磁界に対する不安感として残っているからといえる。
 
 今までは、VDTからの電磁界を実測するだけではなく、機器の構造・原理・
設計のレベルまで立ち入って実測結果を裏づける検証を行ってきたとは
思えない。 

結果としてVDTからの電磁界に関して作業者を納得させるだけの十分な情報が
開示されずに年月が経過してしまったといえる。 
今後本誌にVDTからの電磁界の実態に関して、設計の立場にまで入り込んだ
情報を報告する予定である。この詳細報告は以下の2)から7)にまとめた。

2)VDTからの電磁界の実態(1) X線・紫外線  2001年5月号

 WHO国際EMF(電磁波)プロジェクトが1998年に公開したFact Sheet 201に、
「X線については非常に低エネルギーのX線がCRT(ブラウン管)内部で
発生するが、前面ガラスが十分に厚いので、CRT内部から外に漏れる以前に
完全に吸収される」という記述がある。

また、紫外線については「CRTからは極めて僅かな量の紫外線が放射されるが、
冬場の窓越しに入ってくるよりもはるかに少ない」という記述がある。 
同様な見解をJEIDA(社団法人 日本電子工業振興協会)のVDT対策専門
委員会は公表した。

過去の産業衛生の観点からの実測データにおいても、VDTから漏洩するこれらの
電磁界(X線と紫外線)は健康上問題のないレベルであると報告されている。

それらを機器の構造や設計の観点からレビューした結果、
WHO(世界保健機構)の見解を裏付けることができた。

3)VDTからの電磁界の実態 (2)高周波電磁界    2001年7月号

 VDTからの漏洩電磁界の中で、周波数を400 kHzより高い帯域に限定して言えば、
放射電力の推定や近傍界としての数値計算結果から、
また正しく実測を行っている過去の例からも、
電磁界強度はICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)や日本産業衛生学会の
許容基準を十分に満足している、ということができる。

 本稿で述べた範囲の電波領域の生体影響は考える必要が無いといえる。
テレビジョン受信機等への通信障害は起こりえるが、
これは健康問題と別である。

4)VDTからの電磁界の実態 (3)低周波電磁界    2001年9月号

 低周波電磁界(ELF/VLFと呼ばれる帯域)の電界と磁界に関して、
VDTの構造や設計からくる発生源の状況、低電磁界放射となるように
対応したものとしない古いVDTからの放射量を述べた。

未対策のFBT(テレビジョン受信機などの内部部品のひとつで、高圧発生用
変圧器のこと)から放射する電界に少し大きい放射があるので、
至近距離でのVDT作業を考えると日本のJEIDAやスウェーデンの
MPRUガイドラインに適合した製品の選択が好ましく、十分であり、
TCOの規定(同じくスウェーデンの規定)に合致した低電磁界製品を使用する
必要性は少ない。

VDTが低電磁界対応製品でなくとも、現時点のICNIRPや産業衛生学会の
電磁界暴露限度値に比べると十分に低いレベルである。 
比較的微少なELF磁界(例:0.4 μT程度)の健康影響の研究が現在も
行われている。

 それらの結論がまだ完全に出ていない。
従って、それらの結論によっては、本稿に述べた論は見直しが必要になる
可能性は残っている。 
本稿のみならず、ICNIRPのガイドラインも、産業衛生学会の許容曝露基準も
見直しが必要になる。

 今後とも電磁界の健康影響に関する研究の動向などを継続して
ウオッチしていかなければならない。

5)VDTからの電磁界の実態 (4)静電気     2001年11月号

 静電気の健康影響に関しては過去に皮膚障害等の症例が報告されている。
最近のVDT では帯電防止処理がなされている。埃塵の影響で画面が
見にくくなることも少なくなるので、これらの機器の使用を推奨する。 
静磁気に関しても問題はない。

6)LCDからの電磁界              2002年1月号
 液晶タイプVDTからの「電磁界が無い」、もしくは「電磁界が少ない」
という様な「低電磁界漏洩である」というセールストークは、
液晶パネル部という限られた部材におけるELF磁界という特定の領域の
電磁界における事象を述べているに過ぎない。

液晶タイプVDTもCRTタイプVDTも電磁界漏洩という観点から見れば、
同じレベルといえる。
WHOの見解等から言えば、これらVDT機器からの電磁界漏洩は共に
問題視する必要がない。

機器からの電磁界漏洩の健康影響に関して必要以上の不安感を持つが故に、
単純に液晶タイプVDTを選択したとすれば、それは間違いとさえいえる。
それぞれのVDT機器の特性、使用する環境等から、
適切なVDT機器を選択すべきである。

7)電磁波防護用品の効果          2002年3月号
 OA環境に使用される電磁界防護用品の防護効果の検証を行った。
これまで「OAエプロン」や「OAフィルタ(VDTフィルタ)」は
電磁界防護用品の代表として効果に疑いも無く使用されてきた。

 しかし、今回の検証でOAエプロンは殆ど実効的に電磁界防護効果はない、
 OAフィルタは電界抑制に効果があるが、それは必ず接地して
使用しなければならない、ということが判った。

 OAフィルタは電磁界防護以外にコントラスト改善や反射防止機能が
あるので、電磁界防止機能よりはこれらを優先させるべきである。 
その他の防護用品に関しては個別に防護効果を確認すべきである。

 こうした考えは世界保健機構WHOの国際電磁界プロジェクトの公開
見解Fact Sheet 201に記載されている「電磁界防護用品は不要である」と
いう見解に一致する。 

これらの論文は、機会があれば読んでください。

この雑誌は一般書店では販売されていません。
各企業の産業医や保健婦の多くは日本産業衛生学会の会員と思いますので
各産業医に依頼して、この論文を読んでください。

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