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　東京都あきる野市の私立東海大菅生中学校（島田幸成校長、生徒１１８人）が、昨年度導入した「完全学校週５日制」を取りやめ、来春から「６日制」に戻すことになった。また、同じく昨年度からほぼ半数の土曜日を休みにしている東京都多摩市の私立大妻多摩中学・高校（安川瑛子校長、生徒中学・高校計７４２人）も、来春から「６日制」に戻す。

　いずれも学力低下を懸念する保護者の声に押されての“逆行”だが、「土曜を休むことで、かえって平日のゆとりが消えた」との学校側の判断もあったという。公立の小中高校が「ゆとり教育」を掲げて今年度から完全５日制に移行する中、私立校では他にも６日制への「回帰」を検討する動きがあるといい、波紋を広げそうだ。

　東海大菅生中では今年６月、「５日制」に関して全保護者にアンケートをしたところ、約半数が「学力低下が心配」と回答。土曜日の過ごし方も「寝ている」「テレビを見ている」「ゲームをしている」など、有効活用されていないとの指摘が相次いだ。

　現在、同校では火曜日は７時間、他の平日４日間も６時間と、「がちがちの詰め込み授業」（島田校長）。部活や生徒会活動などに十分取り組めないという。「逆に６日制の方がゆとりある授業が出来る」（同）ほか、公立中との差別化を図る意味でも６日制が良いと判断した。

　来年度からは土曜日に４時間授業を設ける一方、火曜日の７時間目はカットする。２６日の保護者会で６日制復活を説明する。

　一方、大妻多摩中・高校も、学力低下への懸念や、平日の過密授業などの問題から６日制復活を決めた。保護者には歓迎する声が多いという。

　文部科学省によると、全国の私立校で隔週などを含め５日制を導入しているのは、昨年４月現在、中学６４２校のうちの６８・１％、高校では１３１５校中の８０・８％。当時、６日制だった中学の２３・７％、高校の１４・９％が、５日制への移行を予定・検討していた。

　同省は今年３月、各都道府県に対し、強制力はないものの、私立校にも５日制の導入を指導するよう求める通知を出している。

(10月19日14:33)
http://www.yomiuri.co.jp/04/20021019i406.htm

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