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03/23 16:34 経済まひに耐える市民 マダガスカルの首都 外信61
共同
昨年十二月の大統領選以来、選挙結果をめぐる現職のラチラカ大
統領と対立候補の間で混乱が続くマダガスカルの首都アンタナナリ
ボでは、あちこちにバリケードが残るものの、大統領が布告した戒
厳令の下、市民は通常の生活を取り戻そうとしている。
同市では、一方的に大統領就任を宣言したラベロマナナ市長を熱
狂的に支持する市民がほとんど。だがラチラカ大統領を支持する五
自治州の知事が新しい首都にすると発表した東岸トアマシナと首都
を結ぶ幹線道路を両陣営がバリケード封鎖しており、首都へはガソ
リンや魚が、トアマシナへは野菜が届かない。経済はまひ状態で、
ガソリン不足が市民生活をむしばみ始めている。
首都ではラベロマナナ市長支持者のゼネストが繰り返されていた
が、二十日には市長のスト停止の呼び掛けに応じて店も通常通りの
営業に戻り始めた。官庁も同市長が任命した「閣僚」の下で業務し
ている。ゼネスト後、従業員の八割が市長を支持する国営放送は、
市長を「大統領」の肩書で放送し始めた。
戒厳令の緊張感はほとんどないが、多くのガソリンスタンドは閉
鎖状態。通常の約六倍の一リットル二万四千マダガスカル・フラン
（約五百円）でガソリンを闇取引する姿があちこちで見られる。首
都に運ぶまでに、バリケードを通過する度にわいろを払わなければ
ならないのが値上がりの理由だ。
運送費の上昇で主食のコメの価格も一・五倍に上がった。市場で
コメを売るノエリーヌ・ソヌネソートさん（４５）は「一日の売り
上げは選挙前の半分以下」と話す。
ソヌネソートさんが「大統領が代わって生活は良くなるはず」と
話すように、市長の「大統領就任」への期待が生活への不満を覆い
隠している形だが、いつまで続くか分からない二人の「大統領」の
対立にいら立ちの声も出始めている。
タクシー運転手のランドリアナナハリ・ファヌメザンツファさん
（３３）は「運輸省が機能していないので、タクシー免許の更新す
らできない」と嘆き、「二人は金持ちで生活に心配ないだろうが、
こちらはバリケードのせいで仕事にならない」と憤った。
昨年の経済成長率が６・７％と発展の波に乗り始めたばかりのマ
ダガスカルだったが、世界銀行現地事務所のガデム所長は「このま
ま対立が続けば、経済はますます悪化する」と警告している。（ア
ンタナナリボ共同＝橋本一彦）
（了） ０２０３２３ １６３３
[2002-03-23-16:34]
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。