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Re: 共和党と民主党そして左翼 投稿者 あっしら 日時 2002 年 3 月 28 日 18:36:31:

(回答先: 米国右派政治勢力の評価について 投稿者 ビルダーバーグ 日時 2002 年 3 月 28 日 11:29:50)

ビルダーバーグさん、こんにちわ。

ご指摘されている様々な見方については、大ざっぱに言えば、私を含めすべての人が過去を引きずっている現実を見ることを通してしか将来を推察することができないということに起因していると思います。

それは間違ったものの見方ではなく、そうするしかないし、そのなかからより根源的なことを見抜けるかどうかの問題だと思います。
過去と現実を表面的にしか見ていなければ、とりわけ“激動期”には、これからのことをまったくと言っていいほどトンチンカンにしか語れなくなります。

ある時期(2千年以上前と言ってもいいし、500年前、300年前、200年前と言ってもいいでしょう)以降の世界の動きを方向付けてきた論理(勢力)が、何なのかという問いかけをしなければ、たかだか300年前にも存在しなかった米国がどうのこうのという議論が平気で行われてしまいます。
ローマ帝国・ムガール帝国・清帝国・オスマン帝国さえ崩壊(分裂)させた勢力が、経済的な世界制覇を目指して、それぞれの時代(現実)に対応した大局的な政策を脈々と採り続けてきたのです。
そのような勢力にとってみれば、ローマ帝国も、ヴェネチアも、オランダも、英国も、米国も、目的遂行にとって動きやすい寄生地ではあっても、永続的なふるさとではなく一時的な活動基盤でしかないのです。それらの土地や国民が、どうなろうと知ったことではないです。

米国の共和党と民主党は、米国には違った政治勢力が存在し、我々国民がそのいずれかを統治者として“選択”しているという民主制的幻想を担保するための存在でしかありません。
本質的にはどちらが政権(大統領)をとろうと構わないのですが、近い将来必要になるであろう政策を遂行するために、より都合がいい方(国民が納得する方)はどっちかという判断で政権の行き先を決めているといったものです。
(反共主義者を自認している共和党ニクソン政権が対中融和策や賃金物価統制令を打ち出すとか、理想主義的なルーズヴェルト政権が第二次世界大戦に参戦したり、同じようなケネディ政権がキューバ強硬策やベトナム介入策を打ち出すとか、低所得者優遇のクリントン政権がやっても国民皆保険はダメだったとか、意に背き不都合になれば暗殺するとか)

共和党がどうの民主党がどうのと言っている人は、そのような擬制にどっぷりはまった状態で世界を見てしまっているのです。

共和党の「中国嫌い」も、そのような意味での役回りでしかありません。
米中国交回復は共和党政権で成し遂げられ、“天安門事件”後に最恵国待遇を付与したのも共和党(ブッシュ)政権です。民主党がそれらを行えば、「容共主義者!」や「弱腰!」といった罵声を浴びせられます。
中国については、北朝鮮とともに、“アジア分裂の要”であり、“武器輸出の一大名目”であり、揺さぶりを掛けながら自分たち(米国ではなく古来よりの国際金融家)の経済論理のなかに引き込む対象なのです。

左翼は、近代主義者であることで世界が見えにくくなっていると思います。
左翼的心情の基礎は、搾取に対する怒りとともに、エリート意識に支えられた啓蒙主義です。
雑ぱくに言えば、「労働者は搾取されて苦しんでいる」しかし「労働者はそれに気づいていない」というものです。
そして、政権をとると、「政策の正しさが理解できない国民もいる」が、「それは、精神が病んでいるか、反革命分子なのだから、矯正しなければならない」ということになります。
さらに、現実主義者が政権の多数派になると、経済的に豊かになるためにと称して、資本主義国家と同じような政策を国家主導で行うようになります。
共産主義国家の行き着く先は、「国家資本制国家」(国有企業基盤)か「国家管理資本制国家」(私的企業重視)になります。
「国家管理資本制国家」は、1937年から高度成長期までの日本と基本的に同じです。
国際金融家にとっては、日本のような経緯であろうが、ソ連や中国のような経緯であろうが、近代化=資本制化を遂げて自分たちの論理のなかにずっぽり入ってもらえばいいのです。(ロシア革命も、中国の共産党支配も、国際金融家がそのような選択を“認めた”からこそ実現できたのです。「蒋介石は、中国本土を支配する能力なし、反共勢力として台湾で踏ん張れ」という選択がされたのです)


>米国こそ諸悪の根源と主張している新左翼などが、どうして「事件そのものが米国の
>謀略」と考えないのでしょうか。この世界を「価値観の激突」とみているでしょう
>か。それとも、木村さんのいうように、彼らは「米国の第5列」なのでしょうか。

左翼は“無神論”が大きな思想的基盤ですから、自分たちと同じ近代主義国家である米国よりも、信仰篤きムスリムのほうが不可解で得体の知れない存在なのです。

左翼は、イスラム世界でもPLOやシリアなどのように左翼や近代主義者に対しては理解(共感)できますが、イスラム復古派のことを「反動的で狂信的な危険な存在」だと考えます。

米国は、80年代以降起きた様々なテロで、イスラム復古派=イスラム過激派の危険性を大々的に宣伝してきました。その“成果”で、左翼も、「イスラム過激派なら米国本土空爆テロをやっても不思議ではない」と考えてしまうのです。

そして、左翼のある部分は「抑圧されているのはわかるがテロはよくない。しかし、テロに対して戦争を仕掛ける米国も悪い」と反応し、別の部分は「抑圧された人民の正当な戦いである」と反応したりします。

“人のいい”左翼は、対外侵略を繰り返す米国であっても、米国の政権が自国民を大量に虐殺するようなテロを行ったかもしれないとは考えもしないかも知れません。そして、その可能性があると言われても、そんなはずはないと否定してしまうのかもしれません。

左翼の指導的部分に国際金融家のエージェントが入り込んでいることは、国家機構・各種政党・メディア・環境保護運動・NGO組織・国際人権組織・イスラム復古派などにも入り込んでいるのと同じように当然のことです。

国際金融家の力は、とてつもないものです。


右翼も、近代主義の波に呑み込まれていますけどね。


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