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ガザ最新報告会レポート---転載 投稿者 通りすがれない 日時 2002 年 4 月 01 日 12:21:05:

ガザ最新報告会 
 日時: 3月23日(土)14時〜17時 
 会場: 中大記念館セミナールーム 680号室 
 主催:パレスティナ子供のためのキャンペーン 
 報告者:寺畑 由美  

 報告
  2/19〜3/5まで、ガザに2週間行っていた。 
 現地の状況を伝えたいと思う。ガザのイメージはどうなのだろう?自分の叔
母にその話をしたら、「非常に遠いところだ」という返事。実際に遠いところ
だ。ガザは、イスラエルに囲まれた地区。ラファもイスラエルにコントロール
されているので、イスラエルの許可がなければ、ガザへの出入りはできない。
 日本からはイスラエルへの直行便が出ていないため、トルコ経由で入国した。
 ガザに対する聴衆のイメージ 
 「建物が壊されている」 「危険」 「貧困」 
 12月にガザで撮った写真 ビーチ難民キャンプの様子が出される  
 ラファの写真  警察がミサイルで攻撃された。 
 戦闘機で破壊された警察署。戦闘機の威力が生々しい。 
 イスラエルのメディアは、警察関係の施設をピンポイントで攻撃していると
発表しているが、 ガザは密集していて、そこだけを攻撃するというのは難し
い。民間人が住んでいるので、とばっちりを受けないということはありえない。 
 ガザ入植地の写真。山手線の内側ほどの面積に、120万人が住んでいるが、
面積の4割が入植地で占められている(全部で19個)。 ガザにとってこれが
大きな問題になっている。入植地周辺の土地もイスラエルが接収するので、そ
こに住んでいるパレスティナ人は土地を奪われている。 
 ガザは空爆も多い。入植地に近づけば近づくほどシャッターには銃撃痕が多
数ある。アパートもまたしかり。ここに住んでいる人たちはほかに行く場所が
ないため定住しているというのが現実。だがイスラエルのメディアは「ここに
は人が住んでいない」と伝えている。 
 ハンユニス入植地 高い建物ほど激しく破壊されている。入植地近くの家に
はクローゼットに弾痕がある。銃弾が反対側の壁から突き抜けてきた。イスラ
エル兵の使っている銃弾は口径が大きいので、破壊力もすごい。家主は外を歩
いていてイスラエル軍の銃撃を受け、足にケガをした。モスクでの礼拝後帰宅
途中にに背中を打たれて下半身不随になった少年。イスラエル兵に銃撃された
人間は、自分が攻撃したことがなくても、パレスティナ人は銃痕が残っている
だけでテロリスト扱いされ、彼の父はガザ周辺の出入りを禁止されている。 
 ベイトラヒアという村。イチゴの名産地だが、パレスティナ人の多くはビニー
ルハウスを使ってイチゴを栽培しているが、深夜にイスラエル兵のブルドーザー
で破壊される。自分の家がイスラエル軍通路というだけの理由で家を壊された
人間もいる。 イスラエル軍の戦車は真っ昼間でも道を行き来している。
ガザの中では軍専用の道がいくつもある。付近の土地はイスラエル軍によって
破壊されている。1日中戦車、ブルドーザーがひっきりなしに通るので眠れな
い。いつも攻撃される不安があり、隣家に泊まっていたりしている。イスラエ
ル軍の家屋破壊は何件もまとめてつぶすということもしばしば。タワーの上か
ら住民に対して発砲したり、タンクで家屋を破壊している。 
 ラファでは一夜で70件以上の家が一晩で破壊された。アラブ人は大家族が多
いので、700人以上の人間が一瞬でホームレスになった。現地では「今のイス
ラエルのやり方はナチスと全く同じだ」という人が多い。現地のメディアは空
き家を破壊したと報道しているが、これは全くの嘘だ。こんな劣悪な条件下で
も住み続けている住民は多い。それでも子供は遊び心を失わない。 
 ガザは家屋・農地破壊などで自由を奪われている。道路もイスラエル・パレ
スティナで半分になっているが、イスラエル側は整備され、パレスティナ側は
整備が行き届いていない。入植地へ行く道もイスラエル軍が通っているとパレ
スティナ側はヘタをすれば2時間近くも待たされる。検問所も約40件ほどあ
り、ハンユニスへいく時、自分の町から外に出る時はイスラエルの入植地を通
って行かなくてはならないでる時は楽だが、戻る時にかなり厳しく検問されま
るので牢獄である。パレスティナ人の村は住民しか入れない。親戚でも救急車
も入れない。子供たちが学校に行く時ですら荷物やカバン検査などをするなど
の嫌がらせをしている。検問は時間で区切られ、時間以外に通ろうとすると追
い返されるか、下手をすれば銃撃される。  
 
 ここから物資配布の話 
 緊急支援で1件ずつ物資を配ったが、まだ状況が不安定だった。油、チーズ、
食料、パスタを詰め合わせて配布した。いった時期が向こうの正月に当たる時
期なので、子供向けにチョコレートを配った。
 民間の家を訪問。外は立派だが中身はスッカラカン。父はイスラエルに出稼
ぎをしていたが、インテファーダが起こったため失業。ガザに出稼ぎしていた
人間も失業した。お金が稼げないために近所のスーパーでツケで生活物資を買
っている。 母一人、子供9人の家族。障害者が4人いて、うち2人は重い知
的・身体障害を背負っている。家はいつ崩れるかどうかわからないほど老朽化。
部屋は小便くさい。部屋の中は狭い。ガザは身体障害者に対するケアはまだ行
き届いているといえない。リハビリ施設もお金がかかる上に、設備も整ってい
ないために家でケアするしかない。お母さんは無職で、国連の援助機関の援助
で生活している。食事が一番大変だという。重度の子の1人はどんどん食べて
しまうためにほかの子の分が行き届かなくなってしまうのが問題だという。
それでも我が子に向けるまなざしは優しい。 
 家屋破壊が多いための子供はどうなっているのか?カメラに見せる笑顔はす
べてを語っていない。現地の聾学校の先生が「どんな状況にすんでいる子供た
ちも、カメラを向けた時に笑わなくなったらおわりだよね」。これがガザの今
の状況を表現していると思う。子供たちはエネルギーがたまっているが、ぶつ
ける場所がない。街中でお互いを暴力を通した悪ふざけが増えたかも。親も何
が降ってくるかわからない、家を破壊されるだけでなく、仕事がない、食事が
ないという二重の負担を持ちながらどうやって子供たちと接していけばいいの
かわからない。自分自身もそんな子供たちをまっすぐ受け入れられる自信はな
い。子供も親や目上の人間のいうことを聞かなくなっている。それは親があれ
これいっても身の保証が保てないからだ。それだったら自分なりに考えて好き
なところにいってみようと思っているのではないか。 
 現地に行って思うのは、最初にいわれるのは「自分は日本人」だということ。
現地にとっては、日本人が友達に思えるらしい。日本政府もODAで支援して
いるし、NGOも現場に行っている。NGOができることは少ないことかもし
れないけれど、現地の人にとってはそれは大きな事だと思う。日本人とわかれ
ば2倍にも3倍にも親切にしてもらえる。こういう状況だからこそできること
をやっていかなくてはならない。  
 
 ここから質疑応答

 Q:食料はどうやって、どこから調達したのか? 

 A:今回が2回目の配布。最初はラファに150件ほど、障害児を持つ世帯
に限定した。日本から現地に物資を送るのは非常に困難なため、現金を送って
現地で物資を調達する形をとった。今回もそうだ。現地のセンターに物を置か
せてもらい、整理券と引き替えというやり方をとった。全員が悲惨な状況に住
んでいるために苦情の声もあったため、次回からは1件ずつ手渡しで渡した。
  
 Q:食料は一時しのぎにすぎない。ほかの人たちはどうやって暮らしている
のか?

 A:国連の支援も年々減っている。ガザでは失業率は7割、人工の8割が貧
困ラインの下で生活。小さなNGOができることは限られてしまう。ふつうの
人たちもNGOの援助で暮らしたり、国際援助も少しきている。ガザではおな
かが空いている人間が多いが餓死者がいないのは何でだ、といわれる。よく見
ると食べるものは飴やアイス見ないな物ばかり。そのときに一番安いものを口
に入れてしのいでいる。だから日常生活の上では栄養状態がいいとはとても思
えない。 
 レバノンのキャンプ内にもいえることだが、キャンプ内ではまともな食事は
口に入らない。だが手っ取り早い収入手段として雑貨屋を営業しているので、
砂糖やナッツなどをキャンプ内で売って収入を得ている。子供たちもなけなし
のお金をはたいて買うが、ちゃんとした食事をとることができない。小麦粉が
手に入って、それでパンを焼いて食べる。あとは砂糖水みたいなお茶を飲むと
かで糖分、でんぷんは口にできても、タンパク質はとれない。子供の栄養状態
も悪く、5歳以下の子供の死亡率も高くなってくる。 国連機関の援助もオス
ロ合意以降減っている。緊急支援は一時的にやってくるが恒常的なものはない。
イスラム系の団体がモスクなどに物資を配っているらしい。あとは親戚に物乞
いにいったり、つけ払いで食いつないでいる。そのへんのメカニズムはきちん
と調査されていないから日本に住んでいるとなかなか理解しがたい部分はある。

 Q:パレスティナ人の障害者の多さは全体的なものか、それとも特殊なもの
なのか?それは長年の紛争に起因しているのか、それとも遺伝的なものか? 

 A:ジャバリアでは近親結婚が多い。文化的背景もあるが、ガザの中で限ら
れた範囲の中で家族を作っていかなくてはならないこともあるが、戦争等の後
遺症もなきにしにあらず。 
 インテファーダの時に銃撃を受けて弾が残っているとか、半身不随になった
人間はかなりいる。イスラム世界全般には従兄弟婚というのが多いが、これの
是非は我々がいうのは難しい。四肢や内臓欠陥、聴覚・視覚障害者も多い。聴
覚障害者人間が多いがきちんとしたデーターがないのではっきりしたことはい
えない。生活・文化的習慣もあるが、ほとんどの人間は難民キャンプで暮らし
ていて外と接触できない。絆が強い分だけそうなるのだろう。 従兄弟婚とは
財産・種族を守るためにイスラム世界ではよくあること。普通は遠い地域に住
んでいる人間とするのだが、だが難民キャンプにすんでいるとそれができない。
 Q:パレスティナ人はどういうメディアをもっているのか?アラブの国々を
どう思っているのか?  

 A:テレビのある人間はアルジャジーラを見ている。インターネットは普及
していないので、そこから情報を得る人間は少ない。パラボナアンテナも普及
してるので、シリアやエジプト、ヨルダンの番組を見ている。ただニュースは
多少の偏りはあるかもしれない。BBCやCNNも見られるので、英語を理解
する層はチャンネルサーフィンをしている。情報を知ることが好きな人間が多
いので、情報面で孤立していることはない。
 アラブに対する国々は「パレスティナをほったらかしにしてきた」という思
いが強い。破壊現場ではアラブはいったい何をやっているんだ?、パレスティ
ナ人を見捨てるのかという言葉が先に出てくる。仲間に入れてもらいたい分だ
け、怒りのエネルギーも大きいようだ。 立場によってアラブ諸国に対する見
方も微妙に変化する。サウジみたいな金を持っている国に期待する部分と、彼
らは金持ちだけれど何もやってくれないという人たちもいるし、隣国のヨルダ
ンやエジプトが仕返しにきてくれないかと思っている人間もいる。
 現地に行った時は和平が進んでいたと一般的にはいわれていたが、入植地も
家屋破壊もあるので、状況が変わっていないからいつ爆発すると思っていた。
インテファーダ後はあの家が壊れたとか、そういうことが現地ローカルニュー
スで流れている。パレスティナのテレビは葬式とイスラエル軍のことしか放映
していないから、戦時下ということで精神もそちらに向かってしまう。子供も、
テレビを見ても楽しくないといっている。日常生活の中にそういう生活を送っ
ている苦しさもある。

 Q:日本がODAで援助した建物が爆撃で壊されているが、EU各国がイス
ラエルに対して損害賠償を請求しているらしい。援助国がどのくらい有効なプ
レッシャーをかけているのか?それとも口だけで何もやっていないのか?

 A:日本パレスティナ医療協会が議員3人と現地に行ったが、イスラエルの
お仕着せのメニューを押しつけられ、議員は現地にも入れなかったので調べら
れなかったらしい。先日のテレビ報道で日本のNGOが支援した聾学校が破壊
されたというニュースが飛び込んできた。目立った例はそれが始めてではない
か?ガザ空港も壊されたが、滑走路はEUが、ビルは日本が担当したが、日本
はあまり抗議していないらしい。田中外相末期の時にイスラエルの閣僚に対し
て注意したらしいが、今はそれどころではないらしい。

 Q:言葉を交わす場合は何語でやっている?英語で会話できる人間はどのく
らいいるのか?普段は何語をしゃべっている?

 A:子供は何語でしゃべっても通じてしまうところがある。大人は外人とは
英語でしゃべっている。それはアラビア語を知っている人間は少ないからだ。
だがアラビア語でしゃべれたら、向こうの人間も心を開いてくれるだろう。N
GOの人間は基本的に英語だが、現地に長くいる人間はアラビア語でしゃべっ
ている。上手下手というより、自分たちの言葉をしゃべってくれたら現地で喜
ぶ。ガザだったら英語、ヘブライ語もかなり通じる。勉強というより、生活し
ていく上で身につけるというケースが多い。テレビは映像がついているから、
カタコトの英語でも何が起こっているのかわかる人間も多いと思う。
 アラビア語をしゃべれた方がいいに決まっているし、国連の学校では英語を
教えているが、CNNを見て英語を理解できる人間は少ないと思う。現地の言葉
でのコミュニケーションは大事だ。新聞だが、アラビア語は口語と文語で分か
れている上、文語で書かれているアラビア語を理解できる人間は多くない。1
枚の新聞を回し読みしたり、口コミで情報を回している。 
 10年前は情報は口コミで情報が中心。当時は電話もそれほど普及していな
かったので、口コミでメディアの情報を補っていたからすごいと思う。

 Q:個人・団体問わず、今の状況に対して何かできないかとか、情報をくだ
さいというメールを送っても返事すらくれなかった。個人でも何かしたいと思
っている人はたくさんいる。NGOにとって我々個人は何なのかを教えてほし
い。
 
 A:団体にはいるというのも手段の一つ。事務局にはいろんな問い合わせが
殺到しているから問い合わせに答えるのが大変。何かやりたいという気持ちは
大切だと思う。こういう企画をやるから手伝ってほしいという気持ちを持って
我々に乗り込んでもらいたい。 
 個人的に思うことは、問い合わせの多くは質問が中心。人によってできるこ
とは違うと思う。NGO・団体にゆだねるというのは難しい。こういう方法が
あるとしかいえない。こうしてくれとなかなかいえないところがあるから、自
分で考えてほしいというところもある。 
 事務所は4人ですべてをやっているがキャパがあるので、時間のゆとりがな
い時もある。メール対応はどういうレスをしたらいいのか、最近はウィルスの
影響もあるのでどうしても対応が遅くなる。NGOは人間関係を大事にしてい
かなければならないのだが、法人格をとると寄付金が少なくなって支援金が多
くなり、その関係で日常業務に忙殺されている。NGOに対する期待が高まっ
ているのはありがたいが、その一方で「こういう企画があります」ということ
をどんどん持ち込んでいただきたい。知恵を出せる人手を貸せる人は協力して
ほしい。  

 Q:入植地は魅力がないから、ここを撤退したいという動きはないのか? 
パレスティナの中で強力なメディアがあり、政治的な盛り上げをしているとい
うことは行われていないのか? 
 
 A:イスラエルの入植地の場所は海岸沿いとか、緑の豊かなところにある。
 ある程度の危険はあるかもしれないが、ガザの入植地には現在約6,000
人がすんでいる。それを守っている兵隊が2万人。完全防備の環境で、しかも
孤立している。また入植地の多くはパイオニア精神がある。政府からの援助も
ある。 
 パレスティナ国内のメディアだが、ラジオだけが復活しているが、アルジャ
ジーラのようにはいかない。タクシーの中でラジオを聞いている人はいる。 
 入植地はいろんな入植地があり、場所によって性格が微妙に違う。政治的・
宗教的な信条に基づき、「ここからパレスティナ人を追い出す」という人たち
もいる。エルサレム周辺の入植地は戦略的にも重要だ。ガザは近くに工場、農
場があるがどちらかといえば宗教的な人が多いらしい。フロンティア精神にあ
ふれ、自分たちがここを開拓したという気持ちを持っている人間が多い。最近
はタイ人やフィリピン人、ルーマニア人などが安い賃金で出稼ぎに出てきて、
それまでいたパレスティナ人が切り捨てられているというケースもある。

 Q:教育はどうなっているのか教えてほしい 

 A:教育だが、国連の設置している学校は小・中学校の教育をしている。自
治政府ができてからは、自治政府のが公立学校もできた。私立の学校や障害者
の学校もある。義務教育は保証されているが、貧困が進んでいるので途中でド
ロップ・アウトする生徒も多い。
 国連の学校は2部制で運営されている。教科は英語・算数・アラビア語。技
術・体育・音楽というのはない。義務教育をやったといっても、識字率は高く
ても、文章作成能力に関しては怪しい。インテファーダの時はイスラエル軍が
学校を抵抗勢力の拠点として閉鎖するので、草の根の学校というのがあり、市
民が自宅で学校を開いて子供を教育していた。だがその時代に育った子供が高
等教育を受けるとなるといろんな問題が出てきた。今回は学校が閉鎖されると
いう事態は免れたが、学校に通えないというケースがでているので、将来どう
いう形で出てくるかはわからない。

 Q:パレスティナに対する意識の変化が出始めたらしいが、入植地に住んで
いるイスラエル人に意識変化があるかどうか教えてほしい 
 
 A:最近はメディアで取り上げられているから、少しずつ変化していると思
うけれど、まだ難しいところがある。イスラエル側の平和運動家の行進を見た
ことがあるが、イスラエル人全体に広がるかどうかとなると、まだまだ先の話。
上の世代は「自分たちは戦って勝ち抜いてきた」という思いが強い上、下の世
代の気持ちを受け入れられないところもある。
 入植地に住んでいる意識の変化だが、宗教的・政治的信念に燃えている人と、
そうでない人では考えが違うが、中には平和運動に関わっている人もいる。
 イスラエルの世論はいろんなファクターがあって、政党も小さい政党が乱立
していて、それが連立しないと組閣できないという状況がずっと続いている。
ことわざの中に「ユダヤ人が2人いると政党が3つできる」というのがあるが、
その人が持っている政治的・文化的背景でいくらでも選択できる。そのときの
政治的状況で選択が全く異なる。去年右派が「エルサレムを手放すな」という
10万人規模の集会を開いたが、これはエルサレムの一定部分をパレスティナ
の主権下においていいというバラク首相(当時)の発言に反発したもの。だが彼
らも確固たる信念を持ってそういっているのかどうか?住むのはテルアビブが
いい、エルサレムは宗教がかかっていて嫌だというイスラエル人もいるし、エ
ルサレムは戦って獲得した土地だから手放すなと感情的になっている人間もい
る。シャロンが登場した時は支持率も高かったが、最近ではシャロンを支持す
るのにためらいを感じている人もいるが、どのくらいの規模だかはわからない。
イスラエルの世論の見極めは難しいが、今日の新聞に兵役を拒否している高校
生が載っているが、彼らはイスラエルの存在自体についても、軍隊自体の存在
についても「?」をつけている。単純に兵役拒否運動といっても、それぞれの
バックボーンは違うし、一つにまとまれないが、これはかつてない動きだ。ひ
ょっとしたら、風向きが変わるのかもしれない。

 Q:パレスティナを支援しているNGOはたくさんあるが、これらが要所要
所で手を取り合ったり、棲み分けするということはあるのか?また、ほかのN
GOとのつながりを教えてほしい。

 A:国内ではパレスティナ救援に関わっているNGOが集まってミーティン
グをする機会があり、少しずつ話を続けている。ピースボートがイスラエル大
使館の周りを24時間ぶっ通しで歩く「ピースウォーク」をやっているが、こ
れはほかの団体も絡んでいる。今後もいろいろ考えているが、対象が違ってい
るので難しいところもあるが、国内での活動では連携できるところで考えあい、
情報交換等を考えている。これからどんどん増えることを期待している。
 声明を出したり、メールを流すという話はあるが、方向性やプロジェクトが
違うので協同でやれる範囲は広くないが、話し合いや情報交換は続けたい。
 人を呼ぼうという計画があるが、どれだけアピールできるのか難しいが、計
画はある。
 現地とのNGOの連携は難しくて、日本とパレスティナは遠いから連絡が悪
い。人がいないとコミュニケーションもうまくいかない。現地のカウンターパー
トとじっくり信頼関係を築くというのはかなり難しい。

 Q:日本人は割と世界中に好かれていて、人権問題等で日本から来る手紙と
いうのは相手国政府から見たら、相当なプレッシャーになると聞いた。効果が
あるのなら、これらの運動をもっと広げたいと思っているが、それに関してど
う思うか? 

 A:メールを紙にして、それを周囲に広げるというのも効果があると思う。
 マスコミも利用できるところは利用したい。証明は大事だと実感しているが、
そちらに力を入れる分だけ現場に対するケアも必要。行進や署名活動と現場に
対する支援を同時進行でやっていきたい。
 

 報告ここまで。

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