Date: Thu, 25 Apr 2002 03:03:04 +0900
Seq: 27450 みなさま、こんにちは。アムネスティ・インターナショナルのボランティアの坂井隆之と申します。
アムネスティは、パレスチナ人に対する虐殺が行われたといわれるジェニン市で、予備的調査を行いました。それをもとに22日にニュース発表をしています。調査メンバーは次のように伝えています。「驚いたのは、そこに何がなかったか、という点だ。病院には死体がほとんどなかった。また重傷者もおらず…。死体はどこにあるのか?重傷者たちがどこにいるのか?…」
イスラエルは国連の調査団がジェニンに入ることを了解したはずでしたが、「延期」と言い出しています。いったい、ジェニンで何が行われているのでしょうか。
以下、転載歓迎です。
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アムネスティ発表国際ニュース(2002年4月22日発表)
原文のアドレス:
http://web.amnesty.org/ai.nsf/recent/MDE150582002!Open
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イスラエル/パレスチナ:アムネスティ派遣団によるジェニンでの予備的調査
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AI Index: MDE 15/058/2002
イスラエル及び占領地域への派遣調査から戻ったばかりのアムネスティ・インターナショナルの代表団は、本日、外国記者クラブでの記者会見の席上、現地での予備的調査の結果を公表した。代表団は事件の目撃者からの聞き取り、イスラエル国防軍を含む政府代表らと面会してきた。派遣調査団は、ルマネー村、ジェニン市、ジェニン市病院、ジェニン難民キャンプを訪れた。
「集められた証拠は、戦争犯罪など、国際人権法や国際人道法の重大な違反がなされたことを示している。しかし、事件全体の事実、規模を把握するためには、独立した国際的調査委員会による調査が、ぜひ必要である。」アムネスティ国際事務局のハビエル・ツニガ地域戦略部長はそのように述べた。
代表団は以下のような重大な人権侵害について、信用できる証拠を得た。
*アパッチ・ヘリコプターが最初の攻撃を始める前に、民間人に対し、ジェニンの難民キャンプからの避難を呼びかける警告や時間を与えなかったこと。
*イスラエル国防軍が難民キャンプの民間人の保護をしなかったこと。この人びと
は、戦時における民間人保護を規定するジュネーブ第4条約の下において「保護されるべき人々」である。
*超法規的処刑の申し立て
*破壊された家屋の瓦礫の中に閉じ込められたり、食料と水が尽きたキャンプの人々に対し、13日間、人道的援助を許可しなかったこと。
*難民キャンプの負傷者に対する医療援助を拒否し、救急車を意図的に攻撃目標としたこと。
*武力の過剰行使、および民間人を「人間の盾」としたこと。
*パレスチナ人の被拘禁者に対する殴打、劣悪な処遇を含む虐待行為。
*軍事的必要性が明らかにないにもかかわらず、財産を大規模に損壊したこと。
ジェニン病院で検視解剖をおこなったデリック・パウンダー教授は、自分がおこなった予備的調査について次のように語った。
「驚いたのは、そこに何がなかったか、という点だ。病院には死体がほとんどなかった。また重傷者もおらず、ただ情緒不安定に陥った人びとだけだった。だから、私たちはこう尋ねなければならなかった。死体はどこにあるのか?重傷者たちがどこにいるのか?と。」
「今回派遣されることになった国連の事実調査団は、真実を明らかにするための重要な第一歩となる、と代表団は強調した。しかしながら、それに続いて直ちに独立した国際調査委員会が、設置され、派遣されなければならない。この委員会は詳細かつ徹底的な調査を行なうのに必要な手段と専門知識を有していなければならない。この調査の報告書は公表されなければならず、責任が明らかになった者は法廷で裁かれるべきである。」
(以上です。)
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