【ワシントン７日＝永田和男】ブッシュ米大統領は７日、ホワイトハウスでイスラエルのシャロン首相と会談した。会談後の記者会見でシャロン首相は、ブッシュ大統領が和平プロセスの目標と定めているパレスチナ国家建設問題につき、「現状では検討は時期尚早」と述べ、パレスチナ自治政府の抜本的改革が実現するまでは交渉にも応じられないとの考えを示した。

　これに対しブッシュ大統領は自治政府改革の一歩として、近くテネット中央情報局（ＣＩＡ）長官を派遣し、パレスチナ治安部隊の再編を指導させることを明らかにした。〈本文記事１面〉

　会談中にイスラエルでの自爆テロの報が飛び込んだ。同席者によると大統領は首相に弔意を伝え、「理不尽な人命の損失」への怒りを表明した。

　大統領はテネット長官派遣について記者団に「パレスチナの治安部隊を統合された透明で責任あるものに作り直す手助けをする」と説明。イスラエル側は、治安部隊がいくつもの指揮系統に分かれているなど、テロ抑止のために機能していないとの不満を示していた。

　シャロン首相は今回の訪米で、アラファト自治政府議長がテロを支援しているとの報告書を米側に提出し、議長を和平プロセスから外すよう主張していた。

　米側は、「大統領は報告書を見ていないので首脳会談では取り上げられなかった」（政府高官）と説明した。

(5月8日14:04)
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★　アラファト議長をはじめとするパレスチナ自治政府は、ＣＩＡの“支援”を受け入れると表明したのだろうか？
敵であるイスラエルに財政支援と軍事支援そして国際プロパガンダ支援を行っている米国の情報機関に、パレスチナ治安部隊の再編を任せるって．．．

アフガニスタンで見られたように、現在進められている「対イスラム戦争」の基本戦略は、空爆を「文明諸国」が担い、地上戦はできるだけムスリム同士の戦いにするというものである。

“パレスチナ内戦”という悪夢が着々と準備されている。

イスラエル軍が空爆を担当し、アラファト治安部隊が“北部同盟”と同じように地上戦を担うという構図が“彼ら”の狙いであり、似たような作戦を中東地域全体に押し広げようと画策している。

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