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遅撒きながら『放送レポート』「テロ」合唱反省冒頭記事に湾岸報道の旧友登場 投稿者 木村愛二 日時 2002 年 6 月 19 日 10:41:07:

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『亜空間通信』278号(2002/06/19)
【遅撒きながら『放送レポート』「テロ」合唱反省冒頭記事に湾岸報道の旧友登場】

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 転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

先週末に届いた『放送レポート』177号(2002.7)に、湾岸報道で知り合った岩下俊三の寄稿が載っていた。題名は「9.11以後、世界は」(3)であるが、岩下は、「『自爆テロ』とか『同時多発テロ』と、ほとんど吟味もせずに使い続けてきたこと」への現場の疑問の声を伝え、メディアの「横並び」習性を批判している。

 やっと出始めたか、遅かりし、の恨みはあるが、ともかく、これからが、わが「反攻」の夏、秋である。腕っこきの味方が多いに越したことはない。岩下に関しては、以下の抜粋引用で紹介する。

Web無料公開『湾岸報道に偽りあり』
隠された十数年来の米軍事計画に迫る
http://www.jca.apc.org/~altmedka/gulfw-05.html
http://www.jca.apc.org/~altmedka/gulfw-06.html
http://www.jca.apc.org/~altmedka/gulfw-07.html
http://www.jca.apc.org/~altmedka/gulfw-08.html
第一章:一年未満で解明・黒い水鳥の疑惑[中略]
「油まみれの黒い水鳥」の映像は湾岸戦争報道の象徴といっても過言ではない。私は、この映像報道への疑惑を『創』誌の一九九一年四月号と十月号で発表した。

[中略]

半年が経った。 すでに盛夏。カミナリの季節。事件は意外な進展を見せた。その間の私の気持ちもふくめて記した「再検証」が、次のような『創』(91・10)の記事である。

[中略]

「『創』四月号に書かれた水鳥の疑惑の件ですが……。気象衛星ノアの映像写真を入手しました。現在、専門家にコンピュータ解析をしてもらっています。油の流出源はアメリカ軍の発表とは違うという事実を、映像的に立証できそうです」
 受話器を取った途端に「テレビ朝日のザ・スクープのスタッフですが……」と名乗りを上げた担当の岩下俊三記者が、いかにも仕事一筋の雰囲気でボソボソと事情を説明する。その声を聞きながら、私の頭は一瞬にしてコーヒー沸かしに化けていた。カーッと血が昇る。私自身、それだけの想い入れがあり、真剣勝負の気持ちで書いた記事だったのだ。

 以上で引用終わり。以下、上記の『放送レポート』記事を全文紹介する。


 『放送レポート』177号(2002.7)p.28-29.
「9.11以後、世界は」

あの「事件」以後、世界は、日本は、メディアはどう変わったのか---。さまざまな立場から考察、検証する。

(3)

岩下俊三
フリージャーナリスト

 取材者を〃取材〃してみると

 私は「あの事件」が起きてから一貫してやってきたことがある。

 それは、あらゆる機会を捕らえて「日本のメディアの対応についてどう思うか」という質問を最前線のジャーナリスト達に問うて来たことである。

 ある時はテレビ局の廊下で、ある時は飲み会の席で、非公式ながらも彼らの本音を間き続けてきた。その結果、彼らの答えの第一声が期せずして同じであったことに驚かされた。

 その発言とはおおよそ、このようなものであった。

「あの事件をいつのまにか『自爆テロ』とか『同時多発テロ』と、ほとんど吟味もせずに使い続けてきたことに、疑問と戸惑いを感じている」

 いうまでもなく、ニュースを発信するためには、わかりやすく共通な「記号」を使わざるをえないけれど、「テロ」という符丁に込められた言葉(ロゴス)それ自体の政治的マニフェスト性は、ブッシュ大統領の「これは戦争だ」という発言と「空爆というキャンペーン」とを極めて容易にしたばかりでなく、日本の「ショーザフラッグ」までをも引き出させる効果があったことは否めない。

あの衝撃的な映像に対して、誰もがメディアによる「解説」や「介入」を待ち望む一種の飢餓状態を呈したけれど、果たしてそうした人々の「咽(のど)の乾き」を癒す程の言語を我々が持ち得たのであろうか?

 むしろそうした「咽の乾き」に乗じて「テロ」というわかりやすいキャンぺ−ンに甘んじてしまったのではないのか…。

 正確に物事を伝えるべき報道が、著しく客観性を失い、「正邪」や「善悪」といった本来あってはならない主観を「テロ」という言葉に内包させてしまったのではないか?

 私の「取材」に答えたジャーナリスト達はいずれも、その疑問を自らに問いつつ今日も「テロ」という記号を使い続けている。

 しかし問題は、むしろ彼らのような「良心的」で「自覚的」なジャーナリストですら、あらかじめ括られたストーリーと言語体系の枠組みのなかでしか発信出来ないという自己矛盾にあるということだけではない。

 その奥にもっと童大なメディアの問題が潜んでいるような気がしてならない。それは、もともとあった日本的なシステムに内在する横並びの「事なかれ主義」の病であろう。9月11日の事件によって、それがより顕在化したのである。

 ではその病とはなにか、そしてそれを乗り越えるために我々はなにをすべきか、具体的な証言にもとづいて考えてみたい。

 制御されたストーリー

 TBSの徳光規郎氏は、私の知る範囲では日本でもっともイスラム社会に詳しいテレビマンである。彼はその夜、たまたま早めに帰宅してくつろいでいたところ「とにかくテレビを見てみろ」という友人の電話をうけて、はじめてあの映操に遭遇したという。そのとき彼がとっさに思ったことは、自分の予感が的中したことだったそうだ。

 それは、世界がいわゆる「インティファーダ」というものの問題牲を看過ごしている限り、いずれは行き着かざるをえない、恐るべき事態への予感であった。

 イスラエルの圧倒的な武力制圧に対する武器なき民衆のあくなき抵抗運動であったインティファーダに、カイロ持派員時代から一貫してこだわってきた徳光氏は、歴史の流れのなかで抱いていた「何かが起きる」という危惧、それが目の前のテレビで具現化していることに唖然としてしまったと言いつつ、「ながくあの世界を取材してると当たるんだよね、俺の勘が」と苦く笑う。

 その「専門家」は事件直後の数日間、自らの出演も含めて各番組から引っ張りだことなった。しかし局全体が、何が起きたかわからない手探り状態から脱出するや否や、全くお呼びが掛からなぐなったというのである。

 これはなにもTBSだけのことではない。湾岸戦争で実績のある記者達はいずれの局においても次第にスポイルされていった。何故なのか?

 それは現場を熟知する彼らが、「定まったストーリー」を良しとする東京のデスクのコントロールが効かないラディカル(根底的)なスクープを発信する恐れがあるからではないかと…私には思われる。

 では、なぜスクープがいけないのか?

 現場を知らない人たちはスクープが危険と隣り合わせであると決めつけているので、何か起きたら責任が取れないし、取りたくないと思っているからである。


 いやそれにもまして、すでに定まった安全な「定説」、たとえばオサマ・ビンラディンが真犯人であるとか、タリバン政権の人権抑圧であるとか、なにも検証されていないアメリカ発の「定説」を覆すスクープをとるよりも、他社の横並ぴから「特落ち」して責任を取らされることを重視し、恐れるからである。

 私は、かって自分も関わった湾岸戦争の「油まみれの水鳥」報道の顛末を思い出した。

 父ブッシュが「フセインは環境を汚染している」と言ったものである。後にその原因となった油の流出が多国籍軍の空爆によるものだったというスクープによって「定説」は覆されるのだけれど、それまでの報道はいずれもあれを「フセインの悪事の一環」と決めつけて語っていたことを忘れてはならない。

 だからこそ検証せずに「テロ」と決めつけることに、すくなくとも徳光氏のような「現場主義」ジャーナリストは大いなる危惧を抱かざるをえないのである。

 何処に三脚を立てるのか

「戦時にはウソの体系ができやすい」という前提に立って独自の仕事を展開してきたNHKの桜井均氏は、吾が友人のなかでもとりわけ「フレームアッブ」を嫌う卓越したドキュメンタリストである。彼は「9・11」の事件をメディアの「臨界点」と捕らえている。確かにあの「過剰な映像」と同時性は、一方で「情報の不在」をより際立たせてしまうために、送り手にもどうしていいかわからなくなる「臨界」状態をもたらせてしまう。この状態では、現場の生の映像と官製の「発表報道」とがくり返し垂れ流される。ここに「メディアの危機がある」と桜井氏は言うのである。

 彼の解釈では、メディアとは「介入」のことであって、ただ垂れ流すなら無人の二四時間監視カメラで十分であると…。

 従って我々は情報を読み解き、明示するために情報に「介入」すべきであると言う。私の経験からしても、本未メディアが「介入」すべき情報に、国家が先に介人してしまうケースが多くあり、そうなると、そのわかりやすいウソを増幅させるための映像とルポルタージュの洪水になりがちであった。

 その際、もっとも重要なことは、「何処に三脚を立てるか」ということであろう。事件の後ニューョークやアフガンに立てられた移しいカメラの放列を尻目に、桜井氏はアフリカに三脚を立てて情報に「介入」した。

 もとより、この事態は「イスラムとグローバリズムとの戦い」とシンプルに言えるようなものではない。イスラムといっても一様である筈もなく、その真実は極めて多面的かつ「複雑」なのである。

 だから彼の言葉を借りれば、この時こそ我々は「複雑系」に三脚を立てなければならないのかもしれない。そしてその姿勢の正しさを、アフリカの多様なイスラム社会と複雑にからみ合った現実を徹底取材した彼自身の仕事が証明しているようだ。

 少なくとも私にとっては、そうした桜井氏のドキュメントはあの事件を理解するのにもっとも有効であったから、「徹底した事実の確認さえあれば、情報に介入し、誰かに都合のいい定説を覆すことができる!」と、意を強くした次第である。

 以上で引用終わり。

 詳しい論評は後日の予定とする。

 以上。

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木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長
ある時は自称"嘘発見"名探偵。ある時は年齢別世界記録を目指す生涯水泳選手。
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