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サウジ米国資産売却は米孤立化の序曲(MSNマネー) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 8 月 26 日 15:19:53:

サウジが米国から2000億ドルの資金を引き揚げ。米国資産全体からすれば微々たるものでも、世界中から米国批判が出始め、孤立化が進んでいるのは事実。米国民の内向きの姿勢にも問題?

サウジが米国資産を20兆円売却した模様

8月21日付のフィナンシャル・タイムズ(英国の経済紙、以下FT)は一面トップでサウジアラビアの投資家がここ数ヶ月の間に約2,000億ドル(24兆円)の米国資産売却を行い欧州に移していると報じました。
同紙によればサウジの対米資産は総額で4,000〜6,000億ドル(約48〜72兆円)といわれており、もし報道が事実であればおよそ半分が既に欧州に移管されたことになります。個々数ヶ月のユーロ/ドル為替の動きを見ると4月以降ユーロが15%ほど上昇していますので説得力があります。

「対テロ戦争」が強く影響

実は、先週米国では9/11テロの犠牲者が原告となり、3人の王族といくつかのサウジの慈善団体や協会を相手とった訴訟がなされたばかりです。その規模は何と1兆ドル(約120兆円)の賠償請求という途方も無い物で、サウジはこれに対し反発をしています。
昨年のテロ以降、サウジは「テロ支援国家」として疑惑の目を向けられてきましたが、サウジ国内では嫌米感情が盛り上がり、米国から資金を引き上げようという動きが続いていました。米国のタカ派の議員にはサウジの資産を凍結しろと主張する人もいます。そこに先週の訴訟が加わり、いよいよ自らの資産に危険を感じたサウジが、米国からの資金流出を加速させる可能性が高まっています。FTによれば、最大手の投資家はまだ売却には動いていないようですので、今後もサウジによるドル資産売りが続く可能性は高いと思います。

「米国資産全体」からみれば極々一部の動きだが...

しかしながら、この「2,000億ドル」は米国金融資産全体から見ると微々たる物です。米国の金融資産は約90兆ドルあり、サウジが売却したのは0.2%にすぎません。より重要なのは「アラブの盟主であるサウジ」と米国の関係が明らかに悪化しているという事実です。このニュースが伝わって最も大きな影響を受けたのは石油市場です。原油価格がテロ直後の高値を抜き、昨年2月以来の1バレル30ドルを突破しました。テロ後「対テロ戦争の泥沼化により石油供給が危機に陥る」というリスクから買い上げられていた水準よりも高いところまで来てしまっています。

「米国の孤立化」がはっきりしてきた

「対テロ戦争」について米国は中東のみならず、アジア、欧州をくまなく外交し、根回しを続けてきましたが、積極的に支持しているのは英国くらいです。しかしながら、最近はその英国からさえも批判が出始めています。
少し古いですが、8/12の英デイリー・テレグラフ紙の調査によれば、58%が対イラク攻撃は正当化できない、78%が英国は参戦すべきではないと回答、さらに90%が戦争を行った場合報復テロがあると考えていることがわかりました。英国ではスポーツ選手や芸能人が盛んに戦争反対を訴えかけており、ブレア政権もこれ以上強硬に米国支持を続けていくと危機に瀕する恐れがでてきたため、最近はやや軟化してきたように見えます。
また、ヨハネスブルグで開かれる地球環境サミットにも、出席予定であったブッシュ大統領が石油業界への気兼ねのため欠席することが決まってしまいました。米国の政治的孤立化がはっきりと目に見えるような形になってきました。

米国民は私たち外国人の想像以上に自信を失っているのかも?

筆者は「米国ひとり勝ち」の国際体制はまだ終わっていないと考えています。理由は、純粋に経済だけを見れば依然として米国が最も革新的・創造的であり、もっとも生産性の高い国だからです。しかしながら、最近の「孤立化」をみると危惧を持たざるを得ません。
ところで、なぜ米国民はそれほどまでに内向きに孤立しようとしているのか考えてみました。別の現象、例えば、米国民がテロ後自動車のゼロ金利ローン等を導入し消費を無理矢理に増やそうとしているように見えること、どうしても他国を攻撃しようと躍起になっていること、テロの被害に遭った原因を「自分達のせいだ」とは決していわないところ等々とあわせて考えてみると、どうやら「ひょっとしたら自分達が悪いのかもしれない」と心のどこかで思いながらもそれを認められず、ヤケ買いをし、他人に逆ギレしているのではないかと想像されます。
人は逆ギレするとどうなるでしょうか?おそらく、ますます嫌われるようになるでしょう。そして、孤立し、引きこもってしまうのではないでしょうか?
「米国の引きこもり」...これはその後10年確実に世界経済を停滞させます。世界のGDPの3割を占める大市場が冷え上がるのです。そして、米国の地位は確実に落ちていきます。ドル資産に対するリスクは私たちの想像以上に大きいのかもしれません。仮に「引きこもり」に陥れば、今は景気循環が上向きですので大崩れはしないでしょうが、次に下向きになった時には大変なことになるでしょう。米国が逆ギレしないことを祈ってやみません。

提供:株式会社FP総研

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