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イラクは釣り師スコウクロフトの垂らした針を深く飲み込むか否か固唾飲む世界 投稿者 木村愛二 日時 2002 年 9 月 16 日 22:26:13:

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『亜空間通信』374号(2002/09/16)
【イラクは釣り師スコウクロフトの垂らした針を深く飲み込むか否か固唾飲む世界】

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 転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 イラク攻撃に向けての国際世論が揺れに揺れている今の今、ブッシュ親の安全保障会議担当大統領補佐官、退役空軍中将ブレント・スコウクロフトの言動が、注目を浴びている。

 この77歳の曲者に関しては、何度か論じてきたが、最近の電網情報もあるので、再論する。

 以下が、私の10年前の文章からの抜粋である。

http://www.jca.apc.org/~altmedka/gulfw-12.html
『湾岸報道に偽りあり/隠された十数年来の米軍事計画に迫る』
CIAプロパガンダ作成者、スコウクロフトは何者か

『司令官たち』の描写では、ブッシュとともに、国家安全保障会議担当の大統領補佐官、退役空軍中将ブレント・スコウクロフトが、最も好戦的であった。ブッシュの釣りの相手までつとめ、一緒に「世界新秩序」構想を立てたというが、この「男」は、いったい何者なのであろうか。一部のマスコミ報道では「上品な紳士」と評されていたが……。
 現在のアメリカ支配層の対イスラム・アラブ世界への姿勢を、最も正確に分析していると思われる本に、『イスラム報道』がある。ここでは、スコウクロフトを筆頭にあげる作業が「特記」されている。
 一九七九年、ホメイニ師のイスラム革命が中東を揺さぶっていた時、アメリカでは、さまざまな対イスラム政策の立案、宣伝が行われた。その中でも、「特記すべき例として、大西洋評議会の中東に関する特別作業部会(そこには、ブレント・スコウクロフト、……リチャード・ヘルムズ、……カーミット・ルーズベルト……らが含まれていた)があげられる。このグループが、1979年秋に発表した報告書の題名は、『石油と混乱/中東における西側の選択』であった」
 文中、リチャード・ヘルムズはCIA生え抜きの元長官で、その後にイラン大使という経歴である。カーミット・ルーズベルト(現地の発音はローズヴェルト)は、セオドアとフランクリンの両大統領を出した名門に生まれながら、CIA作戦主任として、イランのパーレヴィ帝復活クーデターを指揮したことで有名な中東専門家であり、CIA引退後には石油メジャーの副社長に迎えられている。つまり、ブレント・スコウクロフトは、十数年も前からこれらのCIA人脈を率いて、中東での巻き返し政策を立案していたベテラン軍人なのである。

 以下が、最近の電網情報である。

http://www.asyura.com/2002/war16/msg/156.html
スコウクロフトの豹変 投稿者 さすれば 日時 2002 年 9 月 16 日 13:27:55:

 一時米国内外で沸き起こったイラク攻撃慎重論がいつのまにか鳴りをひそめた。ことに、ブッシュ大統領の国連演説を境に、一斉になだれを打ってイラク攻撃やるべしの声が高まりつつある。事前に国連が介在するならばGOというわけか。それではあまりにも単純ではないか。
 こうした反イラク大合唱の中で、最近まで慎重論だった軍の長老、湾岸戦争当時の大統領補佐官でブッシュ家に近いといわるブレント・スコウクロフト氏が急に主戦論に転じた。彼は「大統領の国連演説はすばらしかった。イラクへのパンチの効いたストライクだった」とブッシュを褒めちぎった(15日英BBC、米ABC)。この人はもともとはタカ派の人らしいが、先月来、「イラク攻撃は中東地域全体を煮えたぎる大釜に変える」「20万、30万の軍隊を投入しなければならず、またイラクの長期占領が必要で、それは困難である」とブッシュ政権に自制を求めていた。いつから困難ではなくなったのか。凡人にはさっぱり分からない。

以下が、以上に対する私の補足意見である。

http://www.asyura.com/2002/war16/msg/161.html
スコウクロフトは「馬鹿殿」を補佐する曲者「老中」である。私は以下の2つの通信を発している。以下、必要な部分だけを抜粋再録する。

http://www.asyura.com/2002/war14/msg/153.html
『亜空間通信』312号(2002/07/24)
【1979年ホメイニ革命以来の「中東における西側の選択」を果たすイラク攻撃?】
 アメリカの大統領補佐官として中東での1979年以降のCIA工作に関与した2人の長老格の名を挙げた。スコウクロフトとブレジンスキーである。

http://www.asyura.com/2002/war14/msg/169.html
『亜空間通信』313号(2002/07/25)
【イラク攻撃が米外交問題評議会で語られ米中央軍に自衛隊員派遣の符合20年余】

(2002/07/25)武蔵野市の中央図書館で手に取った雑誌、朝日新聞社発行の『論座』(2002.08)に、この2人、スコウクロフトとブレジンスキーが主要論客として参加した米外交問題評議会の「プログラム」、「国家安全保障担当補佐官シリーズ」の要約訳出記事を発見した。題名は「『軍事的対テロ戦争』では問題は解決しない」である。
 ここで、「対テロ戦争に占めるイラクの役割について」の「質問」(質問者の氏名の記載なし)が出て、スコウクロフト(この記事では「「スコークロフト」としている)が、次に要約するような一連の発言をしているのである。
「イラクは、すでに長い間、われわれの頭痛の種になっている」「イラクに対する戦争がどのようなものになるか」「サダム追放作戦を実施するのには、20万から30万の兵力を投入する必要があるし、数年間現地にとどまらなければならなくなる。したがって、正直かつ率直にこの点を市民に語りかける必要がある」

 以上で引用終わり。

 スコウクロフトの「慎重論」は、以上の考えの下に発表されたもので、その直後、ブッシュ坊やは、「私は辛抱強い慎重な人間」云々と発言した。つまり、スコウクロフト伯父さんの教えに素直に従って、「正直かつ率直にこの点を市民に語りかける」努力をしたのである。その結果を、伯父さんは褒めてやったのである。結果として、世論を味方に付けて、開戦ができる状況が開けたのである。

 以上で引用終わり。

 さて、ここでまた補足すると、最初に抜粋再録した私の旧稿には、「ブッシュの釣りの相手までつとめ、一緒に「世界新秩序」構想を立てた」というが、この「男」とある。私にも少しは釣りの経験がある。大物を釣り上げるには、相手が餌の付いた釣り針を深く飲み込むまで、辛抱強く待たなければならないのである。湾岸戦争では、それが成功した。
 今、再び、同じ獲物を前にして、世界中の観客が、固唾飲んで見守っているのである。1979年、すなわち、アメリカがホメイニ革命でイランから追われた年に、中東に関する「西側の選択」を決定した当人が、23年後の今、77歳の古狸ともなりながら、ここで下手な焦りを見せるはずはないのである。
 世界中が観客席に止まり、誰も命懸けの留め男を買って出る気配もないのだから、次々と獲物を代えて、釣りは続くであろう。

 以上。

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木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長
ある時は自称"嘘発見"名探偵。ある時は年齢別世界記録を目指す生涯水泳選手。
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http://www.jca.apc.org/~altmedka/hanbai.html
(2002.07.13.ヒット数70,000突破!)
E-mail:altmedka@jca.apc.org
URL:http://www.jca.apc.org/~altmedka/
altmedka:Alternative Medium by KIMURA Aiji
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電網速報『亜空間通信』(2001.09.01.創刊 2002.09.15.現在374号発行済)
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