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政府は１日、米国の対イラク攻撃を想定して、インド洋などに、高いレーダー探知能力を持つ海上自衛隊のイージス艦や哨戒機Ｐ３Ｃ部隊を派遣する方向で検討に入った。テロ掃討作戦を実施している米軍がイラク攻撃に転戦すれば、インド洋などでの洋上監視能力が低下することから、米国が非公式に派遣を要請。日本としてもテロを阻止するため派遣が必要と判断し、早ければ年内の派遣を検討している。米軍の対イラク攻撃を間接的に支援する意味合いもある。
福田官房長官は１日、首相官邸で、防衛庁の守屋武昌防衛局長と自衛隊の対米支援策を検討した。
政府は現在、昨年の米同時テロを受けて制定したテロ対策特別措置法に基づき、アラビア海などへ海自の補給艦２隻と護衛艦３隻を派遣し、テロ組織「アル・カーイダ」掃討作戦をしている米英軍への軽油補給を続けている。
米軍は、対イラク攻撃を開始すれば、アラビア海を中心に活動している米軍艦船をさらにイラク近くに移動させる方針とされ、米国は洋上監視能力を維持するためイージス艦やＰ３Ｃ部隊の派遣を非公式に日本に要請している。政府は、テロ特措法に基づいてイージス艦などの派遣は可能と判断している。
ただ、Ｐ３Ｃ部隊については、最低でも４部隊、整備担当者を含めると１００人規模の部隊が必要となり、周辺国に基地を借りるなどの問題も出てくることから、流動的な要素も残っている。
イージス艦は強力な防空システムと、高いレーダー探知能力を持つ最新鋭の護衛艦。Ｐ３Ｃは、上空からレーダーで周辺海域の船舶の位置などを把握したり、乗組員の視認で不審船の状況を確認できる。
イージス艦をめぐっては、昨年の米同時テロ直後、米国から非公式に要請があったが、与党内で「高い戦闘能力を持つイージス艦は、米軍の戦闘行為と一体化しかねない」などの慎重論が出たため、政府が派遣を見送った経緯がある。
(11月2日03:03)
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昨年の米同時テロ直後、米国から非公式に要請があったが与党内で「高い戦闘能力を持つイージス艦は、米軍の戦闘行為と一体化しかねない」などの慎重論が出たため、政府が派遣を見送った経緯がある。とあるが、こういう経緯があるならなぜ再び検討をはじめるのか。
今年の５月６日付の朝日新聞に、
海幕、米海軍に裏工作（イージス鑑）対日派遣要請を促す
４月に幹部 「対イラク戦前に」
というトップ記事が載りましたが、このイージス鑑などの派遣要請は、防衛庁海上幕僚幹部（海幕）が、在日米海軍チャプリン司令官を訪ね、米側からインド洋派遣を要請するように働きかけたものでした。テロ直後の派遣要請をことわったのはこの防衛庁幹部の裏工作発覚の時のことを言っています。
裏工作による米側からの日本側への派遣要請の働きかけには３項目あり、（１）イージス駆逐鑑派遣する。 （２）Ｐ３Ｃ哨戒機をディエゴガルシア島近辺に派遣。 （３）海自補給艦２隻をインド洋展開をできる限り長く維持する。などでした
米軍事筋はまた、この海幕幹部が働きかけの理由として「仮に米軍が対イラク開戦に踏み切ってしまってからでは、イージス鑑やＰ３Ｃの派遣は難しくなる。なにもないうちに出しておけば、開戦になっても問題にならないだろう」と説明したことも明らかにした。これに対しチャプリン司令官は「（権限を越えるので上級の）太平洋艦隊司令官に伝える」とだけ答えたという。
５月６日のトップ記事中、在日米海軍司令部報道部は、司令官と海幕幹部との面談内容に関する朝日新聞の取材に対し、直接には答えず、「反テロ戦争に向け日本政府が提供してきた死活的な支援については米海軍は心から評価している。日本が行う貢献は日本政府が決めることだ」との最近の司令官発言を紹介した。
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