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イラクへの武器査察官、新技術を頼りに
投稿者 アカヒ 日時 2002 年 11 月 14 日 13:20:50:

(回答先: イラク、怒りに満ちた決議受諾書簡 米・安保理へ矛先〔朝日新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 11 月 14 日 13:09:30)

イラクへの武器査察官、新技術を頼りに
リサ・M・クリーガー、ダン・ストーバー:マーキュリー・ニューズ記者

 世界有数の科学捜査官の何人かが、間もなく地球上で
最も過酷な環境へ送り出される。彼らの一挙手一投足に
戦争の可能性がかかっている。

 最新の探知装置で武装した国際査察官らは、存在する
ともしないともわからない武器を捜索するためにイラク
全土を動き回る。

 彼らが炎暑、砂塵、敵意の渦巻くイラクで何を発見す
るかによって、同国が米国の攻撃を受けるかどうかが決
まるだけでなく、全世界の軍縮や大量破壊兵器の拡散に
も影響が及ぶ可能性もある。

 査察官らが装備するのは最先端の探査機器だ。だが、
彼らが直面するのは科学実験室では経験することのない
難問だろう。調査を混乱させる目的の遅延、妨害、盗
聴、証拠隠し、人為的な危機の連続などが生じる可能性がある。彼らには期限が設定されている。3カ月
以内に国連に報告書を提出しなければならないのだ。炎暑の中でほこりまみれの仕事。電力供給も不足す
るだろう。全世界の行方がかかっており、重圧は大きい。他に類を見ない科学プロジェクトだ。

 国連安保理は8日、イラクのサダム・フセイン大統領の宮殿も含めて、イラク全土で「即時に妨害な
く、無条件に」大量破壊兵器を査察する権利を査察官たちに与えるという断固たる決議を採択した。国連
軍事査察団の先遣隊は、11月の最後の週にバクダッド入りすることになっている。イラクは大量破壊兵
器の所持を否定している。

 「査察が厳しいほど、成功の可能性は高いだろう」とワシントンDCにあるカーネギー平和財団の核拡散
防止計画のディレクタター、ジョセフ・チリンチオーネはいう。「矛盾しているようだが、恐らく査察が
厳格であればあるほど、戦争を回避できる可能性が高い。イラクが容易に査察を切り抜けられるようであ
れば、米国はすべてをごまかしだとみなし、残された唯一の道は戦争だと感じる可能性が高くなる」

 査察官たちには多くの新しい探知装置が準備されている。前回1998年にイラクを訪れた際には、疑
惑地帯への立ち入りを巡って押し問答が繰り返された揚げ句に帰国した。結果的に砂漠のキツネ作戦と名
づけた米国の爆撃作戦の開始を早めた。探知装置には以下のようなもの含まれている。

●イラクの天然ウラン鉱の貯蔵から短距離ロケットの実験に至るまで全てを監視する常設の固定カメラ。

●特殊金属部品の組成を即座に特定できる携帯用X線装置。工業用機器の真の用途を示す手がかりを得ら
れる可能性がある。

●高度なポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を用いて炭そ菌や他の有機物質を特定する携帯型検知装置。

●査察団が砂漠地帯を迅速に移動できるように、GPS(衛星利用測位システム)を搭載したラップトッ
プ・コンピューター。暗号通信によって、イラン側に盗聴されることなく抜き打ち査察を計画できる。

 旧式の諜報活動も、同様に重要だ。例えば、イラクで中心的な役割を演じている科学者は誰か? 彼ら
の職場はどこか? どこで訓練を受けたか?といった質問に対する答えだ。

 カリフォルニア州ほどの国土を持つイラク国内には、研究施設を隠す場所は何カ所もあるが、これらの
研究施設の内部事情を知っている人間は比較的少ない。

 CIAによれば、査察団が前回訪れて以来、イラクは化学兵器の開発を継続し、ミサイル計画を拡充し、
生物兵器に多額の投資をしてきたという明白な証拠があるという。イラクが最初に核兵器を手に入れる時
期は、いつ十分な量の兵器レベルの核物質を入手できるかにかかっている。

 製造施設のいくつかは隠されていると考えられている。他に移動施設もあると見られている。さらに、
両用の施設、つまり平時の化学製品製造を速やかに化学兵器製造に転用できる施設もあると考えられる。

 「国連査察団の現実的な目標は、あらゆる兵器を廃絶するという、恐らく不可能な目標ではなく、イラ
クに軍事的に重要な兵器能力を与えないことだ。そういう目標なら実現可能だと私は考えている」と米国
平和研究所の上級特別研究員、ジョナサン・タッカーは先月、ワシントンDCでの記者会見で述べた。タッ
カーは、1995年に生物兵器査察官としてイラクを訪れている。

 現地に入った後は、査察団は次の証拠を探すことになる。

 ◇核兵器

 CIAによればイラクは、復活した核兵器計画を支援するために、核専門の科学者と技術者、計画文書、
十分な両用の製造施設を維持しているという。核関連の技術と材料の調達は増えており、国外の核専門家
と接触している可能性もある。

 核査察団は超専門的な集団である。彼らはまず見知った顔を探し、イラクの核科学者たちがまだ一緒に
働いているのか、どこにいるのかを探る。ブッシュ大統領は、イラクの旧核施設近くにある新しい建造物
の衛星写真に公式の注意を引き付けたが、査察団は、建造物と同じくらいの重要性を、イラクの科学者と
直接話すことに置いている。

 「彼らは放射能探知器を備えたヘリコプターであちこちを飛び回るが、その成果は限られている」と、
ある米諜報アナリストは匿名を条件に明かした。「そうやって見つかるのは工業規模の巨大な核燃料加工
施設だけだが、そうした施設を保有しているほどイラクはばかではない」

 さらに地上では、「携帯型の放射能探知器はそれほど役に立たない。放射能探知器で偶然に何かを見つ
ける可能性はないに等しい。余計な荷物になるだけだ」

 このため査察団は、ウラン加工燃料や特定の種類の機械など、核爆弾に使われる40余りの特定の材料
部品を探すことになる。さらに放射能の検出のために空気、水、植物を採取する探知施設を設置する。

 ◇化学兵器

 バグダッドは、化学兵器の製造を再開したと推測されている。イペリット、サリン、サイクロサリン、
VXなどが考えられる。過去の査察の間に製造能力はいくらか減じられ、恐らく湾岸戦争の時よりも限定さ
れてはいるが、VXの製造と兵器の貯蔵期限は改善されているはずだ。

 化学兵器の製造に使われる可能性のある特定の化学物質は、国際的な禁止条例があるため持ち込むこと
は全く不可能だと、1990年代初期に探知器開発計画を指揮したローレンス・リバモア研究所のフレッ
ド・ミラノビッチはいう。

 より複雑な問題は、バクダッド近隣のファルジャ第2工場にある塩素やフェノールのプラントなど、イ
ラクの民間化学産業施設に隠されていると思われる、何百トンもの化学兵器の処理方法だ。どちらの化学
物質も民間での使用は合法的だが、びらん剤や神経剤の原料に使われる物質でもある。

 国連査察団がこれらの施設へ有線ビデオのカメラと空気採取装置を設置すれば、これらの研究所の用途
を監視できるだろう。

 国連査察団はまた、イラク国内と、国外でのイラク外交官による化学物質調達の動きも追跡する。イラ
クと40カ国以上の民間企業との間で、秘密の取引が行われている疑いがある。

 ◇細菌兵器

 1995年、イラクは湾岸戦争前に、大量の炭そ菌胞子、ボツリヌス毒素、アフラトキシンと呼ばれる
真菌を生産し、少なくとも166発の航空爆弾とスカッド・ミサイル弾頭の中に充てん、貯蔵し、使う準
備ができていることを認めた。

 生物武器は戦争後に破壊したとイラクは主張しているが、国連査察団は、イラクがまだ炭そ菌胞子や細
菌を充てんした弾頭を隠し持っているか、またはさらに作る計画を立てている可能性があると見ている。

 例えば、イラクのひまし油製造工場では、有毒なリシンを製造できる。この毒物を吸入すると、1日か
2日のうちに、複数の臓器に障害が発生する。イラクは国連の特別査察団に対し、湾岸戦争の前にリシン
を製造して砲弾に詰め、実地試験を行ったことを認めた。

 生物兵器は非常に強力でありながら、核兵器よりもはるかに安く簡単に製造できるので、「貧乏人の原
子爆弾」と呼ばれる。

 化学兵器と同様に生物兵器は合法的な医学や農学の研究室で製造できる。イラクにはワクチンや微生物
農薬の製造工場をすぐに生物兵器の製造に転用する能力がある。

 例えば、UNSCOMは1988年だけに限っても、イラクが、炭そ菌のような細菌の大量培養に適した複
雑な培養基を39トン近く輸入している情報をつかんだ。だが、イラクでの培養基の用途は22トン分し
か判明しておらず、残りの17トンについては説明がつかない。これは、炭そ菌や他の病原菌を大量培養
した強力な状況証拠だ。

 しかも、病原菌は自然環境にも豊富に存在しているので、検出が困難だどミラノビッチはいう。「多く
のものが自然発生していることはお分かりいただけると思う。そのせいで、生物兵器の検出は難しいの
だ」

 それゆえ、どの検出システムも生物兵器に使われる微生物を識別するための情報に依存している。こう
した識別情報となるのは、病原体にしか見られないDNA配列だ。

 同じくらい重要なのは、しばしば病原菌の類縁である、多数の無害な細菌を除外することだ。そのため
に、科学者らは、自然の微生物環境の特徴を把握しようと、空気、水、および土壌に加え、人間の血液、
尿、および唾液から、環境を形成する微生物のサンプルを集める。

 査察官が最後にイラクを訪問したときよりも、生物兵器検出ツールは高速で確実なものになったと、ロ
ーレンス・リバモア研究所の化学・生物国家安全保障プログラム(CBNP)のディレクター、パット・フ
ィッチはいう。

 「小さくなったし、できるテストも増えている。さらに、全体的に安くなり、使い方も簡単になった。
博士号を持っていなくても使える」

 科学者らはアフィメトリックス(本社、サンタクララ)とも協力してコンピューター・チップに似た遺
伝子チップを開発している。さまざまな病原菌について、固有の特徴的な部分の遺伝子情報を記憶でき、
未知の病原体の素早い分析が可能になる。

 「今回は、ずっと素早く、どのような種類の微生物が扱われているかが分かり、はるかに明確な答えが
得られるはずだ」とスタンフォード大学の生物物理学者、スティーブン・ブロックはいう。国際研究所の
上級特別研究員で生化学兵器の専門家だ。

 「測定の精度が向上すれば、『昨日はここにあった何かが他に移されたようだ』ともっといえるように
なる」とブロックはいう。(敬称略)


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