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いつも左胸に付けられていた北朝鮮のバッジがはずされていた（１９日午前、新潟市内のホテルで）
　北朝鮮から帰国した拉致被害者５人は、２か月ぶりの再会から一夜明けた１９日朝、新潟市内のホテルで、横田滋さん（７０）、早紀江さん（６６）夫婦ら家族連絡会や「救う会」のメンバーらと懇談した。

　５人は、これまでスーツ姿の際はいつも左胸に付けていた北朝鮮のバッジを全員が外していた。同席した中山恭子内閣官房参与によると、５人は「勝手に自分たちで外しました」と説明したという。また蓮池薫さん（４５）の兄、透さん（４７）は、５人のうちの１人が「本当は（付けているのが）嫌なんだよね」と話していたことも明かした。

　懇談では、北朝鮮側が「死亡」と伝えてきたほかの拉致被害者８人の死因についても話題となり、交通事故が死因とされたケースについては、「可能性はあるけれども、偶然が重なりすぎているのではないか」という声も出たという。

　この後、５人は安倍晋三官房副長官と懇談。小泉首相あての手紙を託した。

　前日の夜、５人で文案を考えたといい、「日本にとどまり家族の帰国を待つ、という意志は５人の共通認識。今後も変わることはない。政府が一貫した立場で交渉をねばり強く続け、一刻も早く家族を私たちのもとに帰すよう尽力をお願いしたい」と訴えている。

　◆横田さん「いずれ訪朝」◆

　横田さん夫婦は、５人との懇談後、孫のキム・ヘギョンさんとの面会について、「いつまでも訪朝しないでいるのは、家族会が抑えていると誤解を与えるので、いずれは訪朝しようと考えている」と語った。

　訪朝の条件として、滋さんは、政府関係者の同行や、ヘギョンさんの父との面会、北朝鮮側が死亡したと発表した娘のめぐみさんを含む拉致被害者８人の消息についての詳細提示――などを挙げた。

(12月19日13:55)

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