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米国は人類の歴史で最大、最強のパワーだ。ローマより強い
投稿者 TORA 日時 2003 年 1 月 10 日 10:58:55:

(回答先: 天界俺様日記part2 投稿者 ごるごるもあ 日時 2003 年 1 月 10 日 06:00:35)

ハイパーリアリズム

 フランスのユベール・ベドリヌ外相が冷戦後の米国の比類なきパワーを「ハイパーパワー」と名付けたのを聞いたとき、うまいことを言うなと唸(うな)った記憶がある。ちょうど5年前。インターネットブームのただ中、クリントン政権が自らを世界になくてはならない「不可欠国家」などと自画自賛していた頃だ。

 パリでベドリヌ氏に会い、9・11後の米国パワーのハイパー状況を聞いた。

 「ハイパーパワーという言葉は決して批判的に使ったのではない。それは冷戦時代の軍事力主体のスーパーパワーにとどまらずに、経済も文化も何もかもすべてのパワーにおいて圧倒的な力を持つパワーという意味で使ったのだ」

 hyperは英語でははしゃぎすぎとか躁(そう)状態といった「病的な」意味合いが込められる。当時、果たして米国は揶揄(やゆ)されたと感じ、反発した。ただ、フランス語ではそのような語感は含まれない。超大国を超える超超大国といったほどの意味で使ったという。ここは外交辞令半分くらいに聞くことにしよう。

       *

 「クリントンはそうした米国のあり余る力を持て余していたのが実情だ。クリントンにしてもオルブライト(国務長官)にしても他国の意見を聞く姿勢があった。欧州、中東、朝鮮半島政策では多角主義を志向した」

 「クリントン政権ではハイパーパワーは潜在的だったが、ブッシュ政権になって顕在化した。ブッシュ政権は、それを恃(たの)んで他国との協議の必要を感じていない。9・11テロは、政治的にも倫理的にもそうした態度を正当化する傾向を強めた」

 ただ、どうだろう。米国がどれほど超超大国だろうが、9・11テロは米国の脆弱(ぜいじゃく)な部分をも同時にあらわにしたのではなかったか。一人勝ち故に敗者が募らせるねたみと憎悪、世界化故に国境を超え忍び寄る各種の脅威、一極構造故に背負い込む世界の保安官の役割、といった不均衡な危うさ。

 「いや、脆弱といえる部分など米国にはまずないのではないか。経済が問題と言われるが、基軸通貨のドルを免罪符のように持っている。欧州連合(EU)は拡大に次ぐ拡大でいつまでもホンモノのパワーにはなれない。日本は改革が何年たっても進まない。ロシアが近代的国家に変わるにはあと20年から30年かかる。中国も同じだろう」

 「米国は人類の歴史で最大、最強のパワーだ。ローマより強い。ローマ帝国時代はペルシャや中国という帝国が並び立っていた。いまは米国しかない。それも軍事力だけではない。CNNも英語もハリウッドもある、敵性国家の指導者の子弟も米国の大学に留学する」

       *

 だが、エンロン事件のような米資本主義の病弊も明るみに出た。モデルとしての力は損なわれたのではないか。

 「エンロン事件があったからと言って米国の力が弱くなったということではない。自浄能力もあることを見せつけた。米国の会計基準が企業腐敗を防ぐことができると自慢してきたが、そうではなかっただけだ。また新しい会計システムを開発するだろう。たしかに威信は落ちたがパワーが落ちたわけでない」

 パワーのうち文化の要素を重視する。世界の反米感情の根っこにあるのは米国の文化の押しつけだと見る。

 「例えば、サウジアラビアを批判している共和党右派は、自分の価値観を世界に押しつけることが出来ると思っている。両国の関係は石油と安全の取引という利害に基づいているだけで、いまもむかしもサウジアラビアは強権政治に変わりはない。サウジアラビアに民主主義を押しつけようとするのは危険なことだ。下手すれば原理主義的政権を生み出しかねない」

 故ミッテラン大統領の持ち味だったフランス社会党の外交リアリズムをベドリヌ氏は濃厚に持っている。そもそも、外交リアリズムのイロハは国々のパワーを出来るだけ実態に即して写実することである。

 「多極化の世界など、それはフランスの願望ではあっても現実ではない」

 EUもその一角を占める世界多極化の外交論など絵空事と冷めている。その後で、付け加えた。

 「世界の多極化はワシントンにおいてのみ存在する」

 国務省、国防総省、ホワイトハウス、情報機関、議会、メディアの利害と関心の“多極化”が米国のそれこそハイパー衝動を抑制する唯一の拮抗(きっこう)力という現実を言い得て妙である。

 実物よりさらにリアルにその部分を描くハイパーリアリズムの描写力とでも言おうか。(2003.01.09)

(船橋洋一「日本@世界」より)
http://www.asahi.com/column/funabashi/ja/K2003010900288.html

◆アメリカ帝国の奢り高ぶりは抑えようがない。しかしながらアメリカ帝国の崩壊はすぐそこに迫っている。その弱点は国家を支えるエネルギーにある。それは石油である。アメリカ国内の巨大油田は採掘年数が100年を経過しており、あと数年で枯渇することがわかっている。最新の採掘技術をもってしても埋蔵量の40%しか汲み上げられない。アメリカと言う巨大帝国は石油の上に立つ幻影である。

http://www5.plala.or.jp/kabusiki/

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