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日本版『スパイ衛星』打ち上げへ
投稿者 K1 日時 2003 年 1 月 24 日 14:33:53:

日本版『スパイ衛星』打ち上げへ 

 K1拉致事件や核問題といった北朝鮮情勢の追い風を受け、日本初の情報収集(偵察)衛星が三月にも打ち上げられ
る。一九九八年の「テポドン・ショック」をきっかけに駆け足で最終段階までたどりついたが、その分、国民の理解は
いま一つ。日本版「スパイ衛星」の課題や賛否のポイントを検証した。 (田原拓治)

 ■東北アジア、宇宙軍拡の懸念

 打ち上げ、運用の主体となるのが内閣官房に設けられた「衛星情報センター」。取材を申し込んだところ、東京・新
宿の同センターではなく、「機密保持」のためか、施設外の喫茶室を指定された。衛星そのものの詳しい能力なども極
秘扱いだ。

 まず、この衛星の狙いは何か。「国際テロ組織の動向把握」「大規模災害への対応」「地球環境の観測」「食糧需給
変動の判定・予測」…。防衛庁、警察庁、外務省、文部科学省、海上保安庁など、同センターにかかわる省庁により目
的はバラバラだ。同センターは「多目的」を強調する。

 しかし、東京国際大の前田哲男教授(軍縮・安全保障論)は「多目的はカムフラージュ。本質は北朝鮮や中国を対象
にした軍用スパイ衛星だ。仮想敵国を持たないとする政府見解に抵触し、東北アジア、宇宙の軍拡につながる」と警告
する。

 導入に携わった政府関係者も「専守防衛のための鋭い目と耳」と肯定的な点では異なるが、外交・防衛が柱である点
は隠さない。

 ■他国の情報統制対抗できる意義

 これまで日本は米国、カナダ、欧州の商業衛星から各省庁が衛星写真を購入してきた。だが、アフガン戦争の際には
米国は写真を買い占め、他国に情報が漏れぬよう操作した。そのため「こうした情報統制に対抗でき、他国に知られず
必要な写真を撮れる、自前の偵察衛星を持つことは安全保障上の大きな一歩」(同関係者)と指摘する。

 では、性能はどうか。どの程度の大きさの物を識別できるかという能力を「分解能」と呼ぶ。今回の衛星ではこれが
昼間で一メートル。最先進国・米国のキーホール(KH)シリーズは十五センチで、日本の省庁が写真を購入している
同国の商業衛星「クイックバード」は約六十センチだ。

 予定通りに年内に二組上げても、地球上の同一地点を回るのは半日に一回ほどになる。防衛庁筋は「日本全土が射程
に入る北朝鮮の中距離弾道ミサイル『ノドン』は移動式で、半日に一回ではとても追いきれない」と効果に冷ややか
だ。

 これに対し、警察庁筋は用途が別と反論する。「ミサイルの実射に対抗しようというのは別世界のこと。新型ミサイ
ルの試験では数日は発射台にある。あるいは山の中での開発で偽装が施されていても恒常的に観測することで判明でき
る」

 ■部品の1割は米国製

 軍事評論家の江畑謙介氏も「実戦配備されたミサイルに対抗するためには発射の赤外線を感知する早期警戒衛星が必
要だが、これは地球上からはるか遠くで写真が撮れない。それと分解能が十五センチクラスで見なければならない物は
限られている。フランスやイスラエルの偵察衛星も分解能は一メートル以上。日本版はぜいたくなくらい」と評価す
る。

 ただ、江畑氏も今回の衛星が「純国産」でない点には苦言を呈する。今回、部品の約一割は米国製だ。

 「部品の中には解体できないブラックボックスも含まれているのではないか。日本が何を撮るかを信号で送ったり、
撮られてまずい場合、停止する可能性だってある。安全保障に紳士協K1定はない。外国に部品を委ねるなんて考えら
れない」

 これに対し、同センターは「輸入部品は日本の他の衛星で購入実績があり、ブラックボックスはない。国産でもでき
たが期間や金額面で輸入を選んだ。機密保持を考えなければ、分解能がもっと優れたものもできた。しかし、国産にこ
だわったため、あえて今回の仕様になった」と説明する。

 たしかに衛星の性格上、対米関係で暗闘もあった。米国は安保上の「独り勝ち」を守るため九八年九月、キャンベル
国防次官補代理が日本の導入に反対論をぶち上げた。衛星を丸ごと買え、という圧力もあった。

 その後、米国は開発協力に転じたが、同センター職員は「米国は好意的。日本をパートナーとみる勢力が勝ってい
る」と微妙な言い回しをした。日本の開発能力が、米国にとって脅威にはならない程度なら、つぶすより取り込んでし
まえ、というのが米国の本音、との見方がある。

 ただ、前田教授は緊張は今後も続くとみる。「かつて自前で開発しようとしたFSX(次期支援戦闘機)が米側の圧
力でF16戦闘機改造の日米共同開発に変えられた前例がある。偵察衛星も例外ではないのではないか」

 ■分析官は100人「力不足否めず」

 米国のシンクタンク「STARTFOR」は「分解能一メートルは日本が意図的に低く発表した可能性がある」と報
告、警戒している。

 とにかく、写真は撮れることになりそうだ。だが、肝心な点はそこから何を読み取るか、という能力だ。

 同センターは防衛庁の五十人台、警察庁の三十人台を中心に各省庁の出向者ら三百人(うち民間は百人)で立ち上が
るが、分析官は百人。米国、欧州の民間機関にも派遣し、訓練した。

 「それでも当初の力不足は否めない」と前述の政府関係者は話す。「情報分析にはファイルの蓄積が大切。一気には
築けない」

 軍事評論家の藤井治夫氏は「分析とともに、その情報に基づいた対応が重要だが、米国のような軍事力がない日本の
選択は限られている。妄想を描いてみても無意味」と酷評する。

 開発費に不透明さを指摘する声もある。開発には経済産業省系の「NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機
構)」「JAROS(資源探査用観測システム研究開発機構)」、総務省系の「CRL(通信総合研究所)」など複数
の法人がかかわっている。

 受注先の三菱電機に渡るまでに四百五十億円がこうした法人に使われた。同センターでは「時間に制約があり、ノウ
ハウを握るこうした法人に委託した。致し方ない選択」としているが、「天下り法人による中間搾取」とみる向きもあ
る。

 シビリアンコントロール(文民統制)上の問題点も不鮮明なままだ。同センターでは「性能、運用意図に類する情報
は明らかにできない」とする。故障しても性能にかかわるため発表できない場合もありそうだ。

 これは国際情報戦の世界では当たり前なのかもしれない。ただ、藤井氏は「導入決定までに国民に基本データを公開
し、論議すべきだったのにそれがなかった。文民統制も難しいのではないか」と懸念を示す。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20030124/mng_____tokuho__000.shtml

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