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「皇帝型」大統領をのさばらしてはいけない:「自由の国は抵抗を忘れたのか」 [ニューズウイーク日本版1・1/8]
投稿者 あっしら 日時 2002 年 12 月 27 日 23:45:30:


『ニューズウイーク日本版1・1/8』のP.52と53の見開きで、「自由の国は抵抗を忘れたのか」と銘打った歴史家アーサー・シュレンジンジャーJr.氏の論考が掲載されている。(氏はジョン・F・ケネディ大統領の顧問を努めた)

ほとんど論議をしないままブッシュ政権のイラク攻撃を支持し協力までしようとしている日本政府の方々に是非とも呼んで欲しい内容である。

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「自由の国は抵抗を忘れたのか」

教訓:アメリカが戦争に向かいつつある今こそ 堂々と賛否を論じ合うこと それが民主国家の義務だ

『議論とは、民主主義の本質であるはずだ。しかし今日では、戦争が近いのだから議論は棚上げにすべし、愛国心のあるアメリカ人は指導者に従うべし、大統領に反論するのは不敬罪だと言わんばかりのムードが広まっている。
〈中略〉
 このような最近の傾向には二つの疑問符がつく。まず、戦争に向かっているときは政府を支持するのが民主国家の国民の倫理的義務なのか。そして、戦争に突き進む政府に対して、私たちの祖先が議論や反論を控えたことがあるのか。いずれも、答えは歴史のなかに見いだせるだろう。
〈中略〉
 連邦最高裁判所はバーネット事件で公立校の生徒に国旗への敬礼と「忠誠の誓い」を強いる規則を、違憲と判断している。
〈中略〉
 この判決が出たのは1943年6月14日の国旗制定記念日。世界中の前線でアメリカの若者が星条旗を守るために戦い、死んでいくという時期だったが、アメリカ人の大半はこの判決を歓迎した。

 反対意見の役割は、さらに重要だ。自由な人々が行う選択のなかでも、戦争と平和の問題は最も重い。若者を異国の地に送って人を殺させる、あるいは彼らを死なせる前に、問題点を吟味し、議論を尽くすこと。それが民主主義の神聖な義務だ。「皇帝型」の大統領にひれ伏す必要はない。
〈中略〉
 第2代大統領ジョン・アダムズによれば、独立戦争のときでさえ住民の3分の1は力ずくで独立することに反対していたという。
 1812年の米英戦争は、国を不ナウする激しい論争を巻き起こした。上院は大統領の宣戦布告を承認したが、票は19対13に割れた。
〈中略〉
ニューイングランド諸州は、民兵の派遣要請を拒否した。
 メキシコ戦争(1846〜48年)も同じように厳しく批判された。ニューヨーク・トリビューン紙を創刊したホレイス・グリーリーは、その紙面で全国民に呼びかけた。「あなた方の支配者が、底知れぬ犯罪と惨禍の深淵にあなた方を突き落とそうとしている!・・・目を覚ませ、大虐殺の罪から自分たちの魂を守れ!」
 マサチューセッツ州議会は、この戦争は「目的が憎悪に満ち、理不尽で不当かつ違憲であり、自由、人間性、正義、そして合衆国に対する戦争とみなすべきだ」という決議を採択した。
〈中略〉
連邦下院は1848年、メキシコ戦争は「大統領が不必要かつ違憲に引き起こした」と決議した。
 その数日後、この戦争を正当化する大統領の議論を「最初から最後まで欺瞞の塊」と非難した一人の若い下院議員がいる。エイブラハム・リンカーンだ。
 彼は友人に、自衛のための先制攻撃(いわゆる今日の「ブッシュ・ドクトリン」だ)に反対する理由を、こう説明している。「侵略を防ぐために必要だと大統領が判断すれば、いつ隣国を侵略してもいいのなら・・・大統領は好きなときに戦争をできることになる」〈中略〉
 1898年のアメリカ・スペイン戦争では、とくにフィリピン占領をめぐり、米政権は激しい非難を浴びた。著名な哲学者のウィリアム・ジェームズはこう書いている。「先祖の魂を5分で吐き出し、この国の美点を捨てても、胸が少しも痛まないとは。われわれの行為はフィリピンの人々にとって醜悪であり続け、我々自身にとっては嘘であり続けた」
 作家のマーク・トウェインは、星条旗の「白いしまを黒く塗り、星をどくろに換えるべきだ」と書いた。
〈中略〉
 第一次世界大戦が始まる前も、アメリカは国を挙げて議論した。これに続く第2次世界大戦の議論は、私の人生の中で最も激しく、怒りに満ちたものだった。共産主義をめぐる40年代の議論や50年代の赤狩り、さらには60年代のベトナム戦争をめぐる議論よりすさまじかった。そして今日では大半のアメリカ人が、ベトナム戦争への反論は正しかったと認めている。
 これが議論と反対意見をめぐる誇らしい歴史だ。国を挙げて真摯な議論をすることなく、アメリカの若者を重大な戦争に送り込んで人を殺させ、死なせる権利はどんな政権にもない。「皇帝型」大統領をのさばらせてはいけない。


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