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もう止まらないグーグル革命 「それは巨大な電子百科事典」 (NW)
投稿者 TORA 日時 2002 年 12 月 30 日 10:30:05:

もう止まらないグーグル革命


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一般市民に高度な情報収集能力を与えて
既存の検索エンジンに完勝を収めた新興勢力
驚異の検索サイト、グーグルがめざすものは
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スティーブン・リービー(本誌ハイテク担当)


 以前だったら――たとえば5年前だったら――靴の底をすり減らして聞き込みをしないと、この情報は手に入らなかっただろう。
 私はある刑事事件について調べていた。そのとき友人が、事件に関係のある品物がオークションサイトのeベイに出品されていると教えてくれた。売り主の素性は私も知らなかったし、担当検事も知らなかった。「捜査を進めています」と検事は言ったが、私も独自に調べてみることにした。
 調査を開始して15分後、売り主の氏名はもとより、その人物がカリフォルニア州の小さな町で不動産業を営んでいることも判明した。男の写真も見ることができたし、著書や出身大学もわかった。この男が若い男性に強い関心をもっていることもわかった。男がそうした相手とどういう行為をするのが好きなのか、生々しい描写も読むことができた。
 といっても、何も特別な捜査活動を行ったわけではない。毎日何千万人もの人がやっているのと同じことをしただけだ。あるウェブサイトにアクセスして、検索窓に知りたい情報のキーワードを打ち込んだのだ(キーワードは売り主のハンドルネーム。この男は自分の電子メールアドレスをハンドルネームにしていた)。
 すると、くしゃみを1回するよりも短い時間で、男の詳細なプロフィールが手に入った。しかも費用はゼロ。もちろん、靴もすり減らなかった。

世界第4位の人気サイト

 もうおわかりだろう。私はその問題の人物について、「グーグルした」のだ。
 驚異の検索サイト、グーグル。平均検索時間0.5秒以下で、どんな情報でも見つけてくれるようにみえるこの検索エンジンは、従来の検索エンジンをはるかに凌駕する能力をもち、一般市民に高度な情報収集能力を与えた。あまりに便利なために、グーグルなしでは生きていけないと感じる人もいるくらいだ。
 共同創業者のセルゲイ・ブリンは言う。「グーグルで調べればリサーチは完了、逆にグーグルで検索しないうちはきちんと調べた気になれない。そんなふうに思ってもらえるようにしたい」
 実際、すでにそうなりつつある。宣伝らしい宣伝をほとんどしていないのに、グーグルは世界で4番目に人気のあるサイトだ。しかも1位のAOL(アメリカ・オンライン)と3位のヤフーは、サイト内の検索サービスにグーグルのテクノロジーを用いている。
 1日の検索件数は1億5000万件。全世界で行われているウェブ上の検索の約半数は、グーグルを使っている。対応言語は86言語。「グーグルする」という言葉も生まれている。
 どうして、ここまで大成功を収められたのか。それは、実際に「使える」からだ。グーグルはウェブ上の膨大な情報を取り出すことを可能にし、私たち誰もが「スーパー探偵」になる道を開いた。
 米国防総省が市民のクレジットカードの使用やウェブサイトへのアクセスの履歴、電話の利用記録をチェックしようとしていることに、プライバシー保護論者は神経をとがらせている。しかし実は、私がeベイの売り主の素性を調べ上げたことからもわかるように、グーグルを使えば誰でも他人に関する情報を収集できてしまう。
 グーグルの初心者がたいてい最初にやるのは、自分の名前を入力して検索してみることだ。だとすれば、その次にやることもだいたい決まっている。昔の恋人の近況を調べるのだ。
 「その後どうしているかがわかると安心する」と言うギャビン・マクドナルド(29)は、昔の恋人4人を検索してみたという。
 もちろん、何か調べものをしようとする人にとっては夢のツールだ。「グーグルなしでノンフィクションの本を書くなんて、とても考えられない」と、作家のスティーブン・ジョンソンは言う。

命を救われたユーザーも

 なかには、命を救われた人もいる。ニューヨーク州プラッツバーグに住むテリー・チルトンは、ある朝胸を締めつけられるような痛みを感じ、グーグルで心臓発作について検索してみた。
 するとたちまち、詳細な症状のリストを載せている米心臓病協会のサイトにたどり着いた。「さっさと病院に行ったほうがよさそうだ」と判断したチルトンは、病院に急行。数時間後には手術を受け、無事に命を取りとめた。
 グーグルの影響力はますます大きくなっている。国民がウェブを介して国外の情報に触れるのを制限するために中国政府が選んだ手段は、グーグルの利用を禁止することだった(ただし、中国の当局は1週間後にこの措置を撤回した。グーグルの利用価値がそれほど高かったのだ)。
 オンライン上でビジネスをしている企業が、グーグルの影響力を気にするのも無理はない。「もし検索結果からもれるようなことがあれば、ビジネスが急停止しかねない」と、ネットコンサルティング会社ウェブゲリラのグレッグ・ボーザーは言う。
 この驚異のサイトの生みの親は、スタンフォード大学の大学院生だったブリンとラリー・ページだ。2人が出会ったのは95年。ともに22歳で、コンピュータ科学を研究していた。2人が始めたウェブ検索の学術研究は、やがて検索エンジンの実験へと変身していく。
 2人の取り組みが画期的だったのは、サイトに張られているリンクの数とその重要度をもとに、検索結果の表示順を決めるようにしたことだ。「行きたいサイトにすぐ行けるようにしたかった」と、ページは言う。
 たとえば「ニューヨーク・ヤンキース」を検索すると、他の検索エンジンの場合、リストの先頭のほうに来るのはスポーツグッズ店のサイトや往年の名選手に関する本の情報かもしれない。しかしページとブリンのシステムだと、ヤンキースの公式ホームページが先頭に表示されるはずだ。
 ページとブリンの検索エンジンは、スタンフォード大学関係者の間でカルト的な支持を得るようになった。「すぐに1日のアクセス件数が1万件に達した」と、ページは言った。「これは本物かもしれないぞ、と思った」
 会社組織にしたのは98年。その際に選んだ社名が「グーグル」だった。10の100乗を表す単位グーゴルをもじった命名だ。会社設立にあたっては、ベンチャーキャピタルの出資も集まった。

バブルにも踊らされず

 グーグルも、新興ネット企業に充満していた「バブリー」な空気と無縁とは言えなかった。ロビーにグランドピアノが置いてあったり、オフィス内を犬が自由に走り回ったり。ロック歌手ジェリー・ガルシアの元おかかえシェフに社員食堂で腕を振るわせたりもした。
 しかしページとブリンは、基本的には「安く上げる」ことをポリシーにした。中古品のディスクドライブを利用し、サーバーも自分たちの手で作った。社員を増やすことにもことのほか慎重だった。
 利益を上げなければ本物のビジネスとは言えないというブリンの「哲学」のもとで、グーグルは短期間で利益を上げることをめざした。当時の大多数のドットコム企業(やがてその多くは姿を消した)の発想とは、明らかに違った。
 利益を上げていたおかげで、ドットコム・バブルのもう一つの落とし穴にもはまらずにすんだ。多くのネット企業と違って、早まった株式公開をしなかったのだ。
 「そんなものは必要ない」と、昨年CEO(Chief Executive Officer:最高経営責任者)に就任したエリック・シュミットは言う。「株式を公開しなくても、とてもうまくやっている」
 では、グーグルはどうやって利益を上げているのか。同社の今年の収益は、推定で1億ドル。前年の2倍に達する見込みだ。
 もちろん、グーグルは利用者から料金を徴収していない。ヤフーやAOLのような提携相手からのライセンス料なども大きな収入源だが、収益のかなりの部分を占めるのは広告料金だ。
 グーグルの広告には2種類ある。一つは、検索結果のページの右側に表示される「アドワーズ広告」。もう一つは、検索結果一覧の冒頭に表示される広告。いずれも特定のキーワードが検索された場合に広告が表示される。そのため検索結果に関連のある広告が表示され、利用者に見てもらいやすいという利点がある。
 広告は検索結果とはっきり区別して表示され、ページ当たりの広告件数にも上限を設けている。邪魔な画像やバナー、ポップアップが飛び出してくることもない。
 「余白の多いサイトの外観をとても大事にしている」のだと、グーグル幹部のシェリル・サンドバーグは説明する。

人間の判断をシステム化

 検索結果は絶対的な聖域と考えられている。「この点は絶対に譲れない」と、シュミットは言う。
 だが、グーグルが検索結果を「操作」したことがないわけではない。どぎついポルノサイトを検索結果から除外しようとしたこともあるし、新興宗教団体が著作権侵害を主張していたリンクをはずしたこともある。
 また、世界各地で展開している外国語版のグーグルは、現地の法律に準拠する。たとえばドイツでは、ホロコースト(ナチスによるユダヤ人大虐殺)を否定するサイトは検索結果に出てこない。グーグルの網羅性を評価する人々は、こうした「自主検閲」に懸念を示している。
 人名を検索するだけで豊富な情報を集められることから、プライバシーの侵害を引き起こすおそれもある。だが、いずれユーザーは慣れる、というのがページの考えだ。「グーグルがあるせいで、人々はオンライン上に何かを公表すれば、それが一生自分につきまとうかもしれない、ということに気づきはじめた」と、彼は言う。
 「検閲」の是非も、いずれ市場が判断するというのがグーグル側の見方だ。もし満足のいく結果が得られなければ、「ユーザーは他の検索エンジンを試すまでだろう」と、シュミットは語る。
 新たなライバルも出現し、ポータルサイトへの進出もささやかれるなか、ブリンとページは今後も優れた検索エンジン作りにこだわり続けると言う。実際、グーグルは検索のための情報収集力の充実、そして新たな検索サービスの開発に最大の力を注いできた。
 なかでも最近大きな成功を収めたのが「グーグルニュース」だ(英語版でのみ提供)。世界中のニュースサイトから集めた膨大な数の最新ニュースが、独自の格付けに従って自動的に整理され、CNNのサイトのように美しく並ぶ。
 ここでもグーグルは、大勢の人間(この場合はニュース編集者)の判断を集約し、それを表示に反映するシステムを用いている。
 がらくたとコンピュータがひしめき合う小部屋で、ブリンとページはさらに壮大な夢を語り合っている。「究極の検索エンジンは賢くて、世界のあらゆることを理解する」とページ。
 一方のブリンは「グーグルは人間の頭脳を世界の知識で増強する手段だ」と言う。「いずれ人間の脳に組み込まれるだろう」
 グーグルの快進撃は、これからも止まりそうにない。

グーグルはウェブ上の膨大な情報を取り出すことを可能にし、
私たち誰もが「スーパー探偵」になる道を開いた

利益を上げなければ本物のビジネスとは言えないという「哲学」のもとで
当時の多くのドットコム企業と違って、短期間での黒字転換をめざした

誰でもどこでも ミシシッピ州の古い農場近くでトレーラーに暮らすジム・コンラッド(55)。自然に大きな関心を寄せる彼は、周辺の森で発見したことをウェブサイト上で発表している。ある日コンラッドは、奇妙な鳥の巣に遭遇。クモの巣とコケでできていて、球形というその特徴をキーワードに、彼はさっそくグーグルで検索を行い、さらにイメージ検索機能を駆使して、ブユムシクイという鳥の巣であることを突き止めた


ニューズウィーク日本版

2002年12月18日号 P.40

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