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民主主義を無視する政治家の存在 (週刊メールジャーナル)  
投稿者 TORA 日時 2003 年 1 月 16 日 00:10:16:

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2003/1/15 No.167    週刊メールジャーナル  読者数9244人(前回)
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民主主義を体得できない“はたち”の若者が今年もあちこちに…
民主主義を無視する政治家の存在が根っこにあることは間違いない
            本誌編集発行人・ジャーナリスト 川崎 明

 「今年の成人式は全国的にほぼ静かでした」、そう報道するマスメディアに、
“しらじらしい”思いを禁じえなかったのは筆者だけではあるまい。

 まことに現金なもので、主な会場には抜かりなく取材クルーを配置しておき
ながら、「“騒がれない”成人式には報道価値がない」、といわんばかりの報
道姿勢には違和感を感じてしまった。

 本誌の今回テーマではないが、「成人式ってなんだ」という本質論までも、
併せて低調にしてしまったのは、やはりマスメディアの身勝手なご都合主義と
思わざるをえない。

 カメラは正直だ。一部会場のニュース映像には「ちょっと多過ぎでは」と思
われるほどの警備員や警察官の姿が映っていたからだ。

 そこには、主催者側の「今年は抑え込んでしまおう」という意図が透けて見
えたのだが、事実、「全国的に静か」だった陰には、そうした主催者側による
十分な“段取り”が準備された会場が、あちらこちらにあったことは間違いな
い。

 むしろそのことこそ報道テーマにすべきではなかったか。

◆成人式を“オモシロ出来事”報道の対象にすべきではない

 一方で、自治体が中止してしまった成人式を、成人が中心になって開催した
“自分たちのイベント”もいくつかあり、そこには、手探りながら“はたち”
の意味を見つけ出そうとする若者たちの気持も感じられた。

 いずれにせよ、“警備強化”してまでも“形式的成人式”が必要かどうか。
“自分たちのイベント”など新しい記念行事の動きに求められるものはなにか。

 そのような切り口からの論議が深まれば、“若者たちの今日的な問題”は、
“成人式だけの問題ではない”ことに行き着くはずだし、そのためのフィール
ドを用意することこそ、マスメディアの責務ではないか。

 そもそも、昨年をピークにした成人式の騒ぎは、実はマスメディア自身が
“呼び込んだ”ことだと言ってもいい。

 今年もごく一部に無意味な妨害行為が無かったわけでもないが、そのようす
はTVニュースでは比較的軽く扱われ、新聞では地方版にベタ扱いで掲載され
た程度だ。

 そうした抑制的報道には、これまでの“オモシロ出来事”重視報道に対する
反省は感じられるものの、こんどは成人式報道の意味をまるごと軽視するよう
な姿勢が感じられる。

 どうしてこうも大きなブレがで生じてしまうのだろう。

◆保守新党結成に自民党古賀前幹事長の影

 このままでは、来年からまたぞろ“形式的”で“無価値、無意義”な来賓あ
いさつを繰り返す成人式が増えないか心配になる。

 この国の法体系では“はたち”はきわめて大きな意味をもつ。その当事者が、
自己中心の目立ちたがりパフォーマンスしか示せないのは、“はたち”に相応
しく、民主主義の意味を体得(十分会得して自分のものとすること=広辞苑)
できていないからだといわれる。

 前置きが長くなってしまったが、この国の民主主義の未成熟は、実は政治的
要因が大きいことを指摘しておきたいのだ。

 去る10日、保守新党の熊谷代表が公明党東京都本部の新年パーティーに出
席し、民主党当時に繰り返した“口汚い”公明党批判について、「ほとんど徹
夜で考えた」という謝罪文を読み上げ、「この紙を財布に入れ、ボロボロにな
るまでずっと持ち続けたい」と誓ったことが報道されたが、これほど“しらじ
らしい”意思表明も珍しい。

 昨年末、本誌は“同調者の数を読み違えてスタートした保守新党”と書いた
が、その要因となったのは、影で新党結成を工作した自民党の古賀前幹事長ら
と、党員の離党引き止め工作を強めた民主党新執行部との綱引きだった。

 与党3党の一角を拠点に、抵抗勢力の別働隊が小泉首相に揺さぶりをかける
ーー。古賀氏の新党構想にはそんな思惑があったことは知られている。そこに
“選挙事情”を抱えた民主党議員が釣り込まれたわけだが、そこには、民主主
義のかけらもない。

◆民主主義の未成熟は政治の責任

 熊谷氏によって、顔に泥を塗られたと言ってもいいい選挙民(静岡9区)は
いま、どんな思いでいるのだろうか。民主主義って一体なんだーー。それを考
えて欲しいものだ。

 かつて、細川内閣が標榜した政治改革の具体化として実現した小選挙区制だ
ったが、その目標とされた政権交代は、一向に実現のめどが立っていない。

 「もう1年細川内閣が続いていれば、自民党は自壊していただろう」と振り
返るのは衆院副議長の渡部恒三氏だが、これが齟齬をきたしたのは細川氏自身
の、あの、あっけなくも不可思議な行動だった。

 そこに働いた強大な政治力学については、そろそろ細川氏自身が口を開いて
欲しいものだが、政権を失うことの致命的な意味を体験した自民党が、自社連
立政権に踏み切った理由を知らぬものはない。

 これもまた民主主義を顧みないご都合主義政治の見本であった。こんな政治
が“若者たちの今日的諸問題”を引き起こしていることは明らかだ。

 小選挙区制による政権交代を可能にするために2大政党を目指そう、という
ことが国民的合意だったはずだが、その民主主義を無視し、裏技を駆使して政
権にしがみつく自民党。

 自らの選挙区事情を重ねあわせて議員の身分を維持するため、与党に身を置
こうととした民主党離党議員。

 そんな議員たちが国民のために、国のためにと称してどんな活躍をしてくれ
るのか、それを確かめ得るかもしれない通常国会が20日から始まる。
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