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ついに“乳児エリート”から抜け出せなかった小泉首相と日本政府  − 小泉首相の米国支持記者会見を受けて −
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/1249.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 18 日 22:49:59:


そうなると考えてきたことが現実になったのだから驚くことではないが、小泉首相の支持表明を生中継で見たときには大きな落胆を覚えた。

落胆した一つの要因は、独立主権国家の元首に国外退去することを求める最後通告を発したブッシュ大統領の演説を受けたものであったからである。

ブッシュ政権は、独自の判断に基づき外国元首の辞任と国外退去を求め、それが自主的に実行されなければ武力行使に踏み切ってでもそれを実現すると宣言したのである。

ブッシュ政権は、この最後通告を出したことで、従来のイラク攻撃の名分の枠を踏み越えたのである。
大量破壊兵器の廃棄がテーマであり、フセイン大統領の辞任及び国外退去なぞUN安保理で一度たりとも論議されていない。
日本政府とて、一度たりともフセイン大統領の辞任を求めたことはない。
イラク政府に査察に全面協力をするようわざわざ外務副大臣を特使として派遣し、イラクと大使の交換を行っているのだから、フセイン政権を正当な政権だと承認してきたのである。

米国政権のこのような逸脱(政策変更)は、日本政府が方針を変える絶好の機会であったが、小泉首相は、それがあたかもこれまでの延長線上にあるものであるかのように支持を表明した。

小泉首相は、「まだ平和的解決の道は残されている。フセイン大統領の決断にかかっている」と語った。このような言辞は、イラク攻撃に反対している平和愛好国家が内密に働きかけるときに許されるものであり、ブッシュ政権への支持を表明した国家が口に出すのは恥ずべきことである。

「大量破壊兵器の廃棄」と「国家元首の国外退去」は、まったく次元が異なる要求であり、建前としては寝耳に水の話である。

「国家元首の国外退去」がなければ攻撃するという米国政権を支持したことで、日本は侵略国家となり、日本政府は戦争犯罪人集団となってしまった。

しかし、驚くべきことと言うか、さもありなんと言うか、主要メディアの報道を追っている限り、そのような国家危機にある認識を表明した政治家などのエリートはいないようだ。

日本政府が「国家元首の国外退去」を戦争目的に掲げたブッシュ政権を支持したということは、ブッシュ政権の支持が妥当か非かやブッシュ政権が正常か否かではなく、日本政府自体がまともな政府なのかが問われるより重大な問題に変わったことを意味する。


安保理決議なしのイラク攻撃に反対する人は、反ブッシュ政権よりも、反小泉政権に注力しなければ大きな誤りを犯すことになる。

小泉首相は、ブッシュ政権支持の根拠がデタラメであることもさることながら、武力行使(参戦)と戦争荷担をごちゃごちゃにして「日本は戦争に参加しない」と強弁した。
反対をしないとしても、中立を宣言し、中立国としての義務を履行しない限り、その国家は一方の交戦国に荷担していることになる。その場合、敵国(イラク)が日本を攻撃しても国際法違反ではない。

小泉首相の日本は戦争に参加するわけではないという説明は、国民に、日本政府は米国を支持しているだけだと思わせ、戦争に荷担しているという国際法的現実を希薄にさせるものである。

ベルギーの外相は、安保理決議なしのイラク攻撃を決意した米英を「侵略者」と呼び、侵略者の兵員や軍需物資の領域通過を認めることは侵略者の“共犯”になるので、とうてい容認できないと表明した。

戦争に参加しないということは、中立を維持するということである。そのためには、戦費協力だと解釈できる資金の供出や交戦国の戦争遂行能力に資する人や物の自国内(領域はもちろん領海・領空も)通過を拒絶しなければならない。


このまま小泉内閣の存続を認めれば、日本が侵略国家であり続け、日本国民が侵略戦争の荷担者であることを失念したまま歴史を刻んでいくということを意味する。

■ ブッシュ政権支持のデタラメな根拠


小泉首相は、「ブッシュ大統領は国際協調を得るために、さまざまな努力をしてきた。苦渋に満ちた決断だったのではないか。米国の方針を支持します」と語った。

様々な努力を行った結果として、米国は、国際法に基づく武力行使の正当性を手に入れられなかったのである。
小泉首相は、あれだけの努力を行ってもなお国際的合意を得られなかった国際社会の現実認識を真摯に受け止めなければならない。

ブッシュ大統領がイラク攻撃の決断を苦渋の思いで行おうが喜び勇んで行おうが、それは、イラク攻撃の正当性になんら関わりがないことである。


● 小泉首相は重大な局面で嘘をついた

このようなレトリックやその他の牽強付会的説明は“許容範囲”だと思っているが、「フセイン政権に武装解除の意思がないと断定された以上、支持が妥当だ」と語ったときには唖然とした。

「武装解除」という用語法自体が欺瞞に満ちたものだが、それを「大量破壊兵器廃棄」と置きかえるのならば、フセイン政権に武装解除の意思があるかないかが国際社会の最大の争点であったはずであり、米英の決議案が賛成多数さえ得られなかったということは、「フセイン政権に武装解除の意思がある」という見方が多数派であったことを意味する。

小泉首相は、「フセイン政権に武装解除の意思がないと断定された」と国民を公然と欺く発言をしたことで、総理大臣のみならず国会議員としての適格性を再び失ったことになる。

日常生活に追われ、自国首相に信頼を寄せている国民であれば、「フセイン政権に武装解除の意思がないと断定されたのか」と思い、イラクに対する攻撃も仕方がないと判断する可能性もある。

小泉首相が「フセイン政権に武装解除の意思がないと判断した」と語ったのなら、自身の判断ということになり、その理由を説明することで理解が得られるか得られないかという問題だから許容できる。

● フセイン政権(保有大量破壊兵器)とテロリスト

フセイン政権が廃棄を指示された大量破壊兵器を今なお保有しているかどうかが、ここ半年のUN外交の主要テーマであり査察の目的であったが、大量破壊兵器保有の有無は脇に置く。

小泉首相は、「大量破壊兵器、毒ガスなどの化学兵器、炭疽菌などの生物兵器がもし独裁者、テロリストの手に渡った場合、何千人、何万人、何十万人という生命が脅かされることを考えると、人ごとではない。極めて危険なフセイン政権に武装解除の意思がないと断定された以上、私は米国の武力行使を支持するのが妥当ではないかと思っている」と説明した。

フセイン政権が化学兵器を実戦使用したことは周知であるが、フセイン政権が保有する生物化学兵器がテロリストの手に渡った事実はない。

しかし、米国が保有を禁止されている生物兵器を保有し、ブッシュ政権の時代にそれがテロリストの手に渡ったのみならず実際に殺戮に使用されたことは確度の高い事実である。(2001年9月から10月の「炭疽菌テロ」のことである)

生物兵器禁止条約を批准している米国は、炭疽菌を製造し保有していたことで条約違反であるが、そのような危険な物質を管理できない国家でもあるということになる。
しかも、ブッシュ政権は、「炭疽菌テロ」の捜査を本気で行っているようには見受けられない。
テロの疑いもある2001年11月のAA機墜落事故も、事故原因の特定さえ行われておらず、今ではそう言えばそんな出来事もあったなあという状況になっている。


“大量破壊兵器”とテロリストを結びつけてイラク攻撃を正当化できるというのなら、ブッシュ政権こそが第一の標的にされなければならないことになるのである。


● 日米同盟の重要性

小泉首相は、「日米同盟の重要性、国際協調の重要性を両立させる努力を今後も続けていく。戦後50年間、日本を平和・繁栄に導いてきたのは日米同盟の重要性をわきまえて国際協調を図ってきたからだ。戦後50年間以上、わが国の先輩が、日米関係の信頼を損なうことは日本の国家利益に反すると判断した」と説明した。

これは、イラク攻撃問題とは直接関わらない戦後日米関係の一般的な意義付けでしかない。

フランス・ドイツ・ベルギーがイラク攻撃に反対したからといって、NATOが崩壊したわけでもなく、それらの国々と米国の同盟関係が消えたわけでもない。


同盟には、防衛同盟と攻守同盟がある。
防衛同盟であれば条約締結相手国が攻撃されたときに共に戦う義務しかないが、攻守同盟であれば、条約締結相手国が攻撃を仕掛けたときにも共に戦う義務を負う。
だから、拡張主義国家同士や属国でもない限り、そのような危険な攻守同盟を結ぶような愚かなことはしない。

日米安保条約は、防衛同盟であり、さらには米国が日本の防衛義務を負う一方で日本は米国の防衛に義務を負わない片務性を特質としている。

日米安保条約が、攻守同盟であれば、米国がイラクを攻撃するときには共に戦わなければならないが、防衛同盟である限り、それにどう対応するかは条約とは別次元の判断になる。

何度か書いているが、万が一、米国政権が、イラクに対する先制攻撃を日本政府が支持しないからと言って日米安保条約の義務を履行しないというのであれば、それこそ、米国は防衛同盟の相手国として適格性を欠いているということであり、そのような国家とは同盟はあてにならないから早急に別の手立てを講じなければならないことになる。

「米国が困っているときに支持しないで日本は守ってくれという話は通用しない」という言動を行う人もいるが、それは、私人間の話と国家間の話をごちゃまぜにしたデタラメな説明である。(日本が日米安保条約の義務を履行しないときには通用する話である)


● 米英武力行使の国際法的正当性

小泉首相は、「私としては一連の国連決議、1441、678、687が武力行使の根拠になりうると理解している」と語り、新決議がなくても武力行使は正当だとの考えを示した。

これは、ブッシュ大統領の最後通告や歴史の継承性そして何より国際法論理を無視した妄言である。

まず、3つの決議のどれにも、フセイン大統領の辞任や国外退去を求める内容は含まれていない。それにもかかわらず、ブッシュ大統領の最後通告はそれを主たる要求として掲げている。

昨年11月のイラクに武装解除を求めた1441号の解釈でもそうだが、湾岸危機・戦争当時の678号と687号を持ち出したことは大きな誤りである。
それこそ、イラク問題に関する12年間のUN外交努力を水泡に帰させることになる。

1441号は、イラク政府が全面的に協力しないときは深刻な結果を招くという文言を含むもので、全会一致で採択された。
イラク政府が全面的に協力していないかいるかを判断するのは、1441号を採択した安保理において他はない。
米国や英国が、勝手にイラク政府が全面的に協力していないと判断して、深刻な結果を招く行動を起こすことはできないのである。

それでも日本政府が米国の武力行使を1441号決議で正当化できると主張するのなら、国際法の基本さえ理解できていないということになるだろう。
1441号の文言解釈レベルではなく、1441号を現実化する権限を持つ主体が問題なのである。

どこか知らないが記者会見の幹事を務めた人物は、イラク攻撃には国民のあいだに根強い反対があるが...」という質問をした。
「根強い反対」というのは、過半数には達していないが、それに近い反対があるというときに用いるべき表現であり、70%〜80%が反対している現状にはそぐわない表現である。

結局、この人物だけの質問で小泉首相の記者会見は終わった。

『イラク問題:首相の米攻撃支持の説明に四苦八苦 福田官房長官  [毎日新聞]』( http://www.asyura.com/2003/war25/msg/1349.html )から推測すると、TV中継されているところでの質疑応答を避けたということだろう。
このような重要問題の記者会見で、それに唯々諾々と従う主要メディアは“体制翼賛”に自ら入っていることになる。


野党は、「武力行使に反対する決議案」を共同提出した。これは全会一致を原則としているから採択されない可能性が高く、遅きに失したというそしりも免れないが、小泉首相がブッシュ大統領の最後通告を真剣に検討した結果として支持を表明した現時点では、米英の「武力行使に反対する決議案」よりも、日本を国際法を犯す侵略国家にしようとしている小泉内閣に対する不信任案(首相問責決議案)提出のほうが優先されなければならない。

この不信任案(首相問責決議案)に賛成した代議士及び参議院議員は、戦争犯罪人にならずにすむが、それらに反対する国会議員はすべて戦争犯罪人だと断じる。

本来戦争犯罪人である者がその責任を問われなくなる唯一のチャンスは、戦争に勝つことである。
国際法が何たるかも理解できず、国際道義もなく、現実判断もできない戦争犯罪人は、米英が勝利することを祈り続けるしかない。
戦争犯罪人のそのような祈りが許される日が続けば続くほど、日本という国家は、尊厳や未来を徐々に失っていくことになる。

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