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株式日記と経済展望 :「なぜアメリカは戦争をしたがるか」 「キリスト教国の苦悩」 内藤正敏 牧師 著
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投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 11 日 17:21:00:


2003年3月11日 火曜日

 

弱者の味方イエス

アメリカは、キリスト教国と世間では信じられているらしい。私は、そのキリスト の平和の福音を伝える牧師だ。それでよく質間される。「アメリカは、なぜ、貧しい弱 い国々に爆弾を落とすのか、どうして戦争を好むのか」と。 こういう質問には、どう考えても返答に困る。どう返答しても、「白い粉なので同じ もの」と、〃塩を砂糖と偽るようなもの"になるからである。

イエスは誰に対しても、憎しみを棄て〃許しと愛"に立ち返るよう説いた。その愛 は「敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい(マタイによる福音書五章四四 節)」であり、「悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左 の頬をも向けなさい。(同三九節)Lのはずである。 少なくともイエスは、悲しむもの、弱いもの、貧しいもの、不幸なもの、病気のも の、この世では誰からも顧りみられない馬鹿にされた人々、見捨てられた少数者、役 立たず、罪人の味方であった。 例えば、

● 「悲しむ人々は、幸いである。その人たちは慰められる。 (マタイによる福音書五章四節)」

● 「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正 しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。 (マルコによる福音書二章一七節)」

● 「金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい。 (マタイによる福音書一九章二四節)」


ローマ教とキリスト教


ローマ帝国は広大な土地を支配した多民族国家であった。そこで、皇帝礼拝を強要 して、国家統合を図っていた。 だから、それに従わないキリスト教徒は弾圧されていた。 しかし、信者は、禁止し抑圧すればするほど増えた。そして遂に、人口の過半数に 達する勢力とまでなった。 すると、ローマ当局は、その民族の枠や伝統の呪縛を超えて帝国全域で礼拝されて いる神を、利用しようと考えた。国策まで変え、キリスト教を内に取り入れたのである。

ここでキリスト教は、国内鎮護の宗教として利用されやすいように変えられた。こ の経緯からいっても、キリスト教は、国家為政者の都合で作られ護持される官製の宗 教に変質したともいえる。 これを、教会歴史の専門家は、キリスト教の勝利とみる。 しかし、私は敗北とみる。ローマ帝国がキリスト教に乗っ取られたのではなく、キ リスト教がローマ帝国に乗っ取られた、と思う。

これが「ローマ教」"偽キリスト教の正体だ。このローマ教が守ってきたものこそ が、「私は見た、私は来た、私は征服した」というカエサル(紀元前四七年)以来の軍 国主義優先の国策である。具体例が、今日のアメリカの軍事行動まで続く、西欧キリ スト教国の植民地主義、帝国主義、覇権主義だ。 「ローマ帝国」は、伝統的なキリスト教の名の下に生き残ってきたのであろうと思う しかない。


反キリストの国


しかし、そのアメリカは、二〇〇一年九月十一日でもって、偽キリストの国から反 キリスト(黙示録二二章一八節)の国になった。テロ撲滅の大義名分の下に、テロ 国家になったのである。世界に対し、また、白国民に対しても、武力、兵力による強 制を始めた。 きっこう 大国が拮抗する権カ政治から、一つの大国が権勢をふるう世界へと変化した。 アメリカが主導し各国がそれに従う、誰がボスで誰が従うのか、はっきりした世界 が生まれてきた。

二一世紀始め、地球世界はアメリカの一人勝ちである。二番手がい ないのだ。 湾岸戦争のころは、この構図が隠されていた。それが繰り返され、九月十一日の事 件以降、こういう構図が露骨となった。 世界貿易センターなどへの同時多発テロ事件は、湾岸戦争当時以上の国際協調を実 現させた。ロシアや中国やパキスタンでさえ、テロを激しく批判する。

テロ行為への国際的非難はわかるとして、テロに対抗して戦争を起こすことが国際 的に賛同を得るまでになった。反撃手段として空爆が国際的に認められる。 というより、ワシントンに逆らう選択は自国に不利だという現実主義が大勢を占め たということだろう。協調というより、遣従である。


ブッシュの信心


なお、ブッシュ米大統領は、マッキンレー、ヘイズにっぐ史上三番目のメソジスト派(キリスト教の一派)大統領だ。 『世界キリスト教情報サービス』は、次のように報じている。「イスラエル政府が、米国の福音派(*注)、『キリスト者連合』など保守系グループとの会議、聖地旅行への勧誘など、関係強化を進めている。 目的は、衰退している観光産業をよみがえらせ、さらに米国で草の根レベルの政治的支援をより強いものにするところにある。

その最大の目標は、推定九八○○万人の福音派、特に、その中の「キリスト者シオ ニスト」。 彼らは、ユダヤ人が神に選ばれた民であり、聖書に示された契約の通り、その土地 に神から権利が与えられたと信じている。 「キリスト教シオニズム」は個人的な信仰に止まらない。「キリスト教右派」が政治的 圧カを通じて国内問題への影響力を発揮したのと同様に、キリスト教シオニズムが米 国の外交政策に影響を与える可能性を持っている。(省略)

イスラエル政府や米国の福音派の間で、しばしば話題になるのが、ブッシュ大統領 は福音派信仰をこれまでも率直に語ってきたものの、個人的にキリスト教シオニスト 的な見解を持っているのか、ということ。ブッシュ大統領がイスラエルに同情的なの はそのためだ、というイスラエル政府側の見方もあるが、ホワイトハウスのケン・リ セイアス報道担当は、ブッシュ大統領の宗教的信念がイスラエルに対する行動に影響 を与えているかどうかに関してコメントを避けた。

しかし、イスラェルが、アメリカ の福音派を重要な後援者だと見ていることは明らかだL ブッシュ指導下のアメリカは、アフガン問題に何とか先が見えてきた今、父親ブッ シュ時代に果たし得なかった究極的目標、サダム・フセイン打倒に向かいつつあるよ うだ。「神の国」米国に対する「悪の帝国」ソ連が崩壊した今、敵はイラクしかない。 しかし、イラクが消滅するのもアメリカは好まない。敵がいなくなったのでは、軍 備増強の口実がなくなるからだ。 迫り来る世界不況を、戦争で吹き飛ばすしかない。

アメリカ最大の公共事業は軍隊 である。一四〇万人の軍人を食わせねばならない。およそ二千万人の兵器国防産業の雇用を守らねばならない。そんなわけでタカ派好戦勢力に自然と引っ張られる。おまけに、世論を形成する大多数のキリスト教徒達は、キリストの心でなく、ローマ帝国の守護神を信じているのである。 (*注福音派信仰とは、聖書の言葉をそのまま言葉の通りに信じる、いわばキリスト教の原理主義で、文鮮明の統一教会とは無関係)


核戦争を待つ人々


また、アメリカには、イスラエルから手を引くようにとのユダヤ人に批判的な内部 からの強力な圧力もある。だが、大半は、イスラエルとの友好分子であり、アメリカ がこの国を見棄てるようなことはない。それはアメリカ経済や情報や政府を牛耳って いるユダヤ人六百万人と、ユダヤ資本、それに今述べたキリスト教原理主義者やキリ スト者のシオニストがそれを許さないからである。 グレーセル.ハルセルは"予言と政策"(邦訳の題『核戦争を待望する人々』・副題 「聖書根本主義潜入記」)で、このキリスト教原理(根本)主義者を次のように書いて いる(二六四頁)。

「ところが天啓的史観論者(聖書にある神の都シオンと現代のシオニズム国家イ スラエルを完全に同じものと見る)はそうは考えないのだ。彼らはイスラエルに 金を送り、イスラェルがどんな手段を用いてもパレスチナ人から土地を奪う手助 けをしている」

いや、何よりアメリカは、イスラエルを利用するメリットを熟知している。イスラエルのためといえば何をしても、聖書を文字通りに信じる短絡的なアメリカ大衆の世論が支持するからである。今でもやりたい放題であるが、ますますそれを利用して頭に乗る。アメリカは、聖書の次の言葉に根拠を求める。

● 「あなたを祝福する人をわたしは祝福し、あなたを呪う者をわたしは呪う。地上 8 看-冒,王竈 の氏族はすべて、あなたによって祝福に入る。(創世紀 二一章三節)」

この"あなた〃とは、アブラハムであり、その直系はイスラエルである。だからこ の民とくっいておれば、祝福され、いろいろ利用できる。選民イスラエルを守ると いえば、それだけで、大義名分が立つのだ。"イスラエルのためにする”といえば何 でも出来るからである。 先の『核戦争を待望する人々』には、「金のことならどんな要求でも通ります」と、 合衆国議会の予算委員会でのイスラエルロビーがやりたい放題であることを指摘して いる。こういう人々の操るイスラエルで、毎日のように全土でテロや騒動が起き、報 じられている。


産みの苦しみ


最近のアメリカの行動に疑間を抱く者は多い。それに日本ではキリスト教嫌いの人 が多いように思う。そういう御仁には、格好の標的が現代のアメリカだ。そこにある のは、アメリカ"キリスト教国"好戦的”超ならず者国家という図式だ。 しかし、これまで書いてきたようにキリスト教が好戦的なのではなく、アメリカの 好戦性は、まず、第一に、建国以来の歴史に根ざすもので、第二に、国民の半数以上 が信じている宗教が、本当のキリスト教ではなく偽物の、古代から帝国主義に巣くう 「宗教」だからである。

アメリカのそれは、他国を占領するという帝国主義ではないが、意のままに他国を 動かそうとして、成功しているのだから新植民地主義だろう。アメリカは明らかな自 己矛盾を抱えたまま、その覇権主義の野望を満たそうとしている。その点では、どう みてもローマ帝国と同じだ。 そういう「アメリカ帝国」が二千年前と同じように、二一世紀の初頭、中東やアジ アの「遅れた」国々に自国の民主主義とか、自由主義とか称する論理を押し付けよう としている。

その結果、激しい抵抗が起き、"それをけしかける西欧諸国は好戦的"と、 現状維持勢力に、思われてしまっている。 ところが、それは原始的な封建社会から近代文明社会に脱却するための、産みの苦 しみなのだと私は考える。西欧では二百年前に、日本では百五十年前に体験した苦痛 であった。

キリスト教国と称するアメリカをはじめ西欧列強が、南米やアフリカや中東やアジ アの遅れた国々に押し付けたとも思われている思想や文化や生活様式は、たしかに彼 らをその極端なまでの貧しさから解放した。その功績は、戦争とか差別とか隷属とか、 はる 様々の西欧人が持って来た負の遺産に遥かに勝る。また、最早、極貧の時代に後戻り 出来ない。そのことも覚えておく必要があると思う。

イエスの教えは平和である。逆の戦争を望むというのは、そのキリストの教えとは 無関係である。(それゆえに、アメリカが、いかに非難されようと、キリストが誤りで あるなどと墜言えない)。 現在のアメリカ政府が軍需産業の資本家に乗っ取られ、世界中に戦争の火の粉を撒 き散らしている。そうなったのも世論の支持があったからであろう。世論は操作され る。同様にキリストの教えも変えられた。理屈はどうにでもっけられ、真実は如何様 にも曲げられるからである。そういうことも無論、聖書に予言されたことだ。

ソ連が崩壊し、ドイツが統一された。西欧はEUとして統合に向かい、十五ヵ国か ら二十五ヵ国までなろうとしている。 その一方、アメリカは軍備を増強し、世界中に基地を設けている。こういう世界は 従来の図式では分からなくなって来た。今までの東西、資本主義、共産主義などとい う対立で説明できなくなってきたからである。 不可解なことが多すぎる。知識人や評論家が、もっともらしい説明をするが、どこ かおかしい。大事なことを忘れている。全体の壮大な流れがつかめないからであろう。 そこには普通には説かれない、分からない、神のシナリオがある。

自然にそうなっ たとか、偶然というには話が出来過ぎている。歴史は、人にはなかなか理解出来ない 不思議な力に動かされていることを、素直に認める時期が来ているのではないか。人 が万能だという思い上がりを問われているのではないか。 歴史を動かす大事件の裏にも様々の陰謀もあろう、しかし、それがユダヤ人の陰謀 とか、フリーメーソンの陰謀というのはおかしい。それほど彼らもまとまってはいな い。また、出来過ぎた話というのが問題だ。

しかし、何よりも、○○○の陰謀というのは、○○○だけの責任で、自分たちには 無関係という前提がべースにあることが問題である。陰謀によって世界が破局に向か うとすれば、それは、自分も含む人間全てが持っ"際隈のない欲望の追求〃に根ざす からである。 アメリカにも良いところはある。 そして、アメリカの良さは、その多様性と開放性にある。

アメリカ人の多くがクリスチャンを白認する以上、周囲の人間の目ではなく、むし ろ、神さまに従い、生きようとする。自分の行動の正邪は神によって見られていると 考える。したがって個人の良心に照らして正義と思えることは、たとえ少数派となっ ても貫こうとする。これはユダヤ教徒、イスラム教徒にとっても同じだろう。

だからこそ、アメリカでは、カリフォルニアのバークレー市議会のように反戦決議 があったり、カーター元・大統領やビルトッテンさんのように反対する者も多い。個人 では信仰的対応が出来ても、国家というレベルでは、そういう行動ができないのかも しれない。


著者  内藤正俊(ないとう・まさとし)
1945年兵庫県生まれ。67年キリスト教に入信。 69年日本大学卒業(哲学専攻)。現在、加古川市の宝殿イエス教会および大阪西成釜ヶ崎 教会の牧師。著書に『バイブル大予言』『大悪魔祓師イエス・キリスト』『反・気くばりのす すめ』『国富みて心貧しく∬聖書がわかる本』 (以上潮文社刊)『キリストと核戦争』『この 予言を封じておけ』『繊悔書』などがある。連絡先〒675-O054兵庫県加古川市米田 町平津392-51

最近スキャナーを購入しました。キャノンの9800円の製品ですが、その性能に驚いている。画像をスキャンしてもきれいだし、OCRの性能もスキャンしてほとんど修正の必要もないほどだ。これなら本の一冊ぐらい簡単に電子化できる。しかしそれを公開すると著作権の侵害となるので、PRになる程度に要約して見ました。

私は仏教徒であり、キリスト教のことはよく分からない。しかしその教えは仏教もキリスト教も大して変わることはなく、「愛と平和」を説いている。しかしながら中には不心得な者もいて、信者達の信仰心を、己の野心を満たすために利用する不心得者が出てくる。アメリカのキリスト教右派もそうだし、日本では創価学会がそうだし、韓国を中心にキリスト教を語った統一教会もある。

内藤牧師が指摘しているように、アメリカは偽のキリスト教国から反キリスト教国に変身した。ヨーロッパで50万人とか100万人もの大規模な反戦デモは、普通の政治デモではない。カトリック教会やプロテスタントの教会が呼びかけて行ったものだろう。ブッシュ政権の中枢を握っているのはキリスト教シオニスト達だ。これに対する反対運動が世界的に広がっている。つまりキリスト教内部の対立なのだ。


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