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http://www.asyura.com/2003/gm5/msg/107.html
“医薬品”を自家生産する遺伝子改変トウモロコシが、米国産大豆に混入していたことが発覚
投稿者 佐藤雅彦 日時 2002 年 11 月 24 日 18:24:09:


●遺伝子改変作物については、除草剤耐性や殺虫毒素の“自家生産”能力を
付与した組換え作物だけが問題になってきましたが、さらに恐ろしいのは
“薬物”を自家生産できるように改造した組換え作物です。

●DNA組換え技術が確立したのは1973年で、それに前後してこの技術の
危険性が微生物学者たちから内発的に提起され、結局、一時的に世界中で
自発的な実験中止が実施され(軍関係はこれに従っていた保証がないです
けど)、その後、異例ともいえる安全対策指針が作られたわけですが、
そもそもの懸念は、たとえば「インシュリンを自家生産する大腸菌」を
作り出してそれが実験室から漏れだしヒトその他の動物の腸に住みついたら、
インシュリン過剰症を起こして致命的な結果を招く、といった不安が考えら
れたからです。

(遺伝子組換え作物の危険性についての詳細な説明は『サイバーX 
食べ物が危ない』に書いておきました。
 http://www.kohgakusha.co.jp/books/detail/4-87593-291-X )

●組換えDNA技術が世界中に普及した現在、「実害がでてない」から
やっぱりそんなに危険な技術ではない、と言い募る人々がいますが、
偶発的な漏洩や人工遺伝子の自然界での伝播を「現行犯逮捕」するのは
現実には不可能なわけで、そうした決定的な現任証拠がない、という
だけの話です。しかし組換えDNA実験が解禁され、普及して以来、つぎ
つぎと新型の病原体や感染症が突発出現しているわけで、その原因を
「自然的な進化の結果」に求めるのはあまりにもナイーヴだし、政治的
に悪質です。

(新型病原体の突発的出現のあやしいメカニズムと、新型病原体の人為的
な作成をエセ科学的説明で隠蔽しようとする企てについては、
『突発出現ウイルス』[ロックフェラー大学のS・モース監修、海鳴社
  http://www.hanmoto.com/bd/ISBN4-87525-189-0.html ]や
『サイバーX バイオの闇』
[工学社 http://www.kohgakusha.co.jp/books/detail/4-87593-269-3 ]
に詳しく書いておきました。)

●さて、今回、米国でダイズ粒に遺伝子改変“薬物産生”トウモロコシ粒が
混入していたことが発覚したのですが、最大の問題は、どのような“薬物”
産生性のトウモロコシだったかの公表を農務省が拒否しているということです。
下記に紹介した記事(“地球の友”のプレスリリース)によれば次のような
物質が含まれている可能性が高いとのこと――

【1】AIDSワクチン用の(HIVのウイルス粒子表面の糖蛋白である)「gp120」
【2】凝血物質の「アプロチニン」
【3】皮なめしやインシュリン生産に利用できる消化酵素「トリプシン」
【4】カビから抽出した酵素で工業用接着剤として用いる「ラッカーゼ」

●これらの物質をどのていど経口摂取すれば危険なのか、という問題が残って
いるので、一概に「食べたら危険」とは言えないかも知れませんが、それに
しても、【1】を多量に取れば免疫学的な不都合が起こる可能性がありますし、
【2】〜【4】はアレルゲンとなる可能性があります。今年の夏に、遺伝子改変
作物に組み込んだ遺伝子がそれを食べた実験動物の腸内細菌から見つかった、
という報告がありました。まさにこれは「インシュリン産生性大腸菌」の悪夢
を連想させるものですが、要するに、組換えDNAが作物から腸内の細菌に取り
込まれていたわけで、【1】〜【4】のような物質の産生遺伝子が腸内細菌に
伝播した場合は、きわめて厄介な奇病が発生するでしょう。また、そういう
大腸菌が人から人へと伝播すれば、伝染性の奇病に発展するでしょう。


●以下は記事の全訳です――

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

http://allafrica.com/stories/200211180391.html

Mysterious Pharmaceutical GM Crop Goes Wrong in the US
怪しげな“薬用物質”を作り出す遺伝子改変作物が米国で暴走を始めた

Friends of the Earth International (Amsterdam)
PRESS RELEASE
November 18, 2002
Posted to the web November 18, 2002
Brussels

US Authoritites unwilling as of today to report which Genetically Modified Pharmaceutical maize was found in the food chain The United States food chain has been contaminated by Genetically Modified (GM) maize plants used to produce a pharmaceutical or industrial chemical but US authorities are unwilling as of today to disclose what the mysterious GM Pharmaceutical maize is that was found for the first time among food crops in two US States (Iowa and Nebraska).
■米国当局が本日、“薬用物質”を作り出す遺伝子改変作物作物が
食物連鎖に紛れ込んでいることを嫌々ながら認めた。米国の食物連鎖
は薬用や工業用の化学物質を産生する遺伝子改変トウモロコシによって
汚染されてしまった。なのに米国当局は、2つの州(アイオワと
ネブラスカ)の穀物のなかから史上初めて検出されたこの怪しげな
“薬用物質”を生み出す遺伝子改変トウモロコシがいったいどのような
ものなのか、今日現在、まだ公表を拒んでいる。

Friends of the Earth is seeking urgent reassurance from the European Commission that food in Europe has not been contaminated. The company that produced the maize, Prodigene, carries out a range of outdoor tests on crops containing pharmaceuticals and industrial products in at least 96 locations in the US.
■“地球の友”は、欧州委員会に対して、ヨーロッパの食物がまだこの汚染を受けていないことを緊急に確認することを求めている。問題の遺伝子改変トウモロコシを製造しているのはプロディジーン社
(Prodigene)で、同社は米国の少なくとも96ヵ所で製薬用および工業用の
化学物質を産生する遺伝子改変作物の広範な野外実験を行なっている。

The ProdiGene incidents reportedly frustrated the US food industry, which stated on Thursday Nov. 14 that biotech companies need to change which crops they have chosen to make drugs and industrial products.
■今回の「プロディジーン社事件」は米国の食品産業界を激怒させたと
伝えられている。食品業界は11月14日に「バイテク業界は薬品や工業製品
を作るために作物の遺伝子改造を行なう、という選択を見直す必要がある、
という声明を出した。

This was an accident waiting to happen. If you grow GM crops outdoors then they will eventually contaminate the rest of the food chain. We are seeking urgent reassurances that food imported into Europe has not been contaminated, said Adrian Bebb, GM Campaigner at Friends of the Earth.
■「これは起こるべくして起きた事故である。遺伝子改変作物を野外で
栽培すれば、最終的には食物連鎖を汚染することになるだろう。我々は
目下、ヨーロッパが輸入している食物がまだ汚染されていないことを緊急
に確認するよう求めている」と“地球の友”遺伝子改変食物問題担当の
エイドリアン・ベッブ氏が語る。

The US Department of Agriculture (USDA) announced on Tuesday Nov. 12 that it quarantined over $2.7 million worth of soya beans (500 000 tonnes) destined for human consumption at a Nebraska grain elevator after finding parts of ProdiGene's GM maize mixed with the soya beans. They later ordered their destruction.
■米国農務省は11月12日に、ネブラスカ州の穀物倉庫に人の食料用として
保管されていたダイズ270万ドル相当(50万トン)にプロディジーン社の
遺伝子改変トウモロコシ粒が一部混入していたことが判ったため、これを
隔離したと発表した。

USDA authorities, who refuse to reveal the chemical or drug genetically engineered in the GM maize, also claim that a similar incident happened last year involving the same company. The soya crop was planted and harvested on the same site where a GM pharmaceutical maize was grown on the previous year. Seeds dropped by the maize grew this year and contaminated the soya crop.
■農務省当局はいまのところ、遺伝子改変トウモロコシがどのような薬用
物質を含んでいるか公表するのを拒否している。しかも同社が昨年、
まったく同じ事故を起こしていたとまで述べている。問題のダイズは、
昨年、遺伝子改変“薬用物質産生”トウモロコシの栽培試験をしていた
まさにその圃場で栽培・収獲されたものだった。遺伝子改変トウモロコシ
から落ちたタネが今年自然発芽してダイズを汚染したのである。

Friends of the Earth, as part of a wider US coalition, warned the US Government earlier this year that this could happen. The coalition is now filing a legal petition demanding an immediate halt to the outdoor growing of pharmaceutical GM crops.
■“地球の友”は米国で他の環境保護団体などと広範な遺伝子改変作物
阻止運動を展開しているが、すでに今年の初め、米国政府にこうした
事故が起きる危険性を警告していた。阻止運動の連合体は、遺伝子改変
“薬用物質産生”作物の野外栽培を緊急に差し止めるため、訴訟を準備
している。

Research into the company involved, Prodigene, reveals that the contamination could be one of the following :
* Aids vaccine gp120 -- a glycoprotein
* Blood-clotting agent -- Aprotinin
* Trypsin - Digestive enzyme that can be used in leather tanning or to produce insulin.
* Industrial adhesive Laccase -- an enzyme derived from a fungus
■プロイディジーンに関する調査で、このたびのダイズ汚染を起こした
遺伝子改変“薬用物質産生”トウモロコシは、つぎの“薬用物質”のうち
のいずれかを産生する品種だった可能性があることが判った。

【1】AIDSワクチン用の(HIVのウイルス粒子表面の糖蛋白である)「gp120」
【2】凝血物質の「アプロチニン」
【3】皮なめしやインシュリン生産に利用できる消化酵素「トリプシン」
【4】カビから抽出した酵素で工業用接着剤として用いる「ラッカーゼ」

Other pharmaceutical GM crops reportedly grown by ProdiGene include experimental oral vaccines for hepatitis B and for a pig disease, transmissible gastroenteritis. According to USDA records ProdiGene has received 85 test permits for experimental open-air trials of pharmaceutical GM crops and chemical crops for planting in at least 96 locations.
■プロディジーン社は、これ以外にも、B型肝炎や豚の伝染性胃腸炎の
実験段階の“経口ワクチン”を自家産生する遺伝子改変“薬用物質産生”
作物などをすでに栽培している、と報じられている。農務省の記録によれば、
プロディジーン社は“薬用物質”や化学物質を自家産生する遺伝子改変
作物の野外栽培実験を少なくとも96ヵ所で計画し、そのうちの85ヵ所
について実験許可を受けている。

Once you start genetically engineering drugs and chemicals into crop plants then you really are opening Pandora's box. The consequences could be catastrophic, said Adrian Bebb of GM Campaigner at Friends of the Earth.
■「食用の植物に遺伝子操作をほどこして“薬物”や工業用化学物質を
自家産生する性質を付与すれば、もはや文字どおり、パンドラの箱を
開いたことになる。破滅的な結果を招きかねない。」 エイドリアン・
ベッブ氏はそう警告している。

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