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「恐慌の罠 なぜ政策を間違えつづけるのか」日銀官僚の頑迷な思考形態にある
投稿者 ポール・TORA・クルーグマン 日時 2002 年 11 月 22 日 12:35:04:

(回答先: 金融政策はインフレ水準を維持するものであるべき=米FRB理事  【ロイター】 投稿者 招き猫 日時 2002 年 11 月 22 日 09:59:41)

小泉純一郎氏は、多くの事柄について詳細な内容を提示していない。しかし、彼が言っていることは、日本の国民に対して「血を流し、苦しみを味わい、悲嘆に暮れる」ことを約束しているのに等しい。あるいは、金融に関しても同じことを言っているのである。「倒産する企業は出るだろうし、失業も増加するだろう。もし失業を恐れるなら、日本経済は決して回復することはない」と、彼は認めているのである。“かわいそうな日本”、である。

日本は、過去から学ぶことを拒否した人々の犠牲になっているのである。日本経済の明らかな、かつ現在直面している危機は、非効率性ではなく、十分な需要がないことなのである。すなわち、差し迫った問題は、日本が必要な資源の多くを手に入れることができないからではなく、持っている資源を十分に活用できないところにある。小泉改革は、そうした差し迫った問題をさらに悪化させる可能性がある。

経済学では、ゼロ金利でも経済成長を蘇らせるのに十分でない日本のような情況を「流動性の罠」と呼んでいる。要点は、他の条件が同じなら、“流動性”資産、つまり現金を保有するほうが債権を保有するよりも好ましいということである。金利が極めて低くなると、債権を保有するインセンティブは消えてなくなり、それに変わって人々は現金を保蔵することになる。ゼロ金利ですら消費者や企業に支出させるのに十分に低くないのなら、それ以上、金利政策にできることはないのである。要するに、日本経済は、「流動性の罠」に嵌まってしまったのである。(ポール・クルーグマン著「恐慌の罠」より)

小泉首相は経済問題を竹中金融相に丸投げしてしまった。北朝鮮問題は福田官房長官と安倍副長官に丸投げしてしまった。イラク問題にもアメリカのブッシュ大統領に会っても賛成なのか反対なのか態度を明確に出来ないでいる。いったい日本という国を誰が仕切っているのかわからない。華々しく歯切れ良くスローガンを掲げて見ても、中身がないから抵抗にあうとひとたまりもない。

小泉首相の言う「構造改革」は、ますます中身がわからなくなってきている。大臣たちの言うことも点々ばらばらであり、不退転の決意で望んだ不良債権処理も、何もしない間に株価が大暴落して、日本経済をピンチに陥れている。小泉首相の周りには優れた政策ブレーンがいない。実力者も内閣に入れず、長老の忠告にも耳を貸さない。

小泉首相が何を考えているのかわからないのは、小泉首相が何も考えていないからである。だからやっている事は何でも先送りの官僚政治である。小泉首相はいつになったら「景気回復なくして構造改革はできない」ということがわかるのだろうか。発想の出発点が間違えているから抵抗にあって挫折してしまうのだ。

自民党の反主流的立場なら言いたい放題のことが言える。ところが首相になると何も言えなくなってしまう。その場限りの大衆受けすることばかり言っているから、訳がわからない政治になってしまう。それでも国民の人気が高いのはクリーンなイメージがあるからだろう。しかし最近は政策運営の不透明さが目立ってきている。丸投げ政治が原因だ。

ポール・クルーグマン教授が指摘しているとおり、日本は過去の教訓から学ぼうとしていない。学者も評論家も思考停止状態になり、有効な政策提言が出来ないでいる。ポール・クルーグマン教授がインフレターゲット政策を提言しても財務官僚や日銀官僚には理解できないようだ。デフレギャップが生じている時に「そんなことをしたらハイパーインフレになる」と無知無能丸出しのことを言っている。

現在の日本は市場に資金を供給しただけでは景気は回復できない状態に陥ってしまった。政府自ら需要を作り出さないと経済規模は縮小していく一方だ。以前なら戦争という方法で需要を作り出せたが、核戦争の時代にはそれは出来ない。公共事業にも限界がある。それならば無限に広がる宇宙開発や海底開発をして見たらどうだろう。

海底にはメタンハイドレードという無尽蔵のエネルギー資源があるし、宇宙には太陽という無限のエネルギー資源がある。それらの開発のためには潜水艦やスペースプレーンが必要だ。日本には有人宇宙飛行計画がない。日本にはそれだけの資金も技術力もある。それが出来ないのは無能な官僚と、決断力のない政治家のせいだ。

ペーパードライバーの小泉首相は複雑な自動車の仕組みがわからず、アクセルを踏むべき時にブレーキを踏んでいる。ガス欠でエンジンが止まったのに、エンジン故障と間違えてエンジンを分解しようとしている。経済不振の原因分析が間違っていると、竹中大臣のようにとんでもない政策をやろうとする。ポール・クルーグマンがケインズの言葉を紹介している。

”我々は途方もない混乱のさなかにある。非常に精巧な機械の操作を誤ってしまったが、我々はその機械の仕組みを理解していないのである”と1930年にジョン・メィナード・ケインズは書き残している。彼の生きた世界、そして我々の生きている世界において本当に足りないものは資源ではない、効率でもなく、事態の本質を理解することである。人によっては日本や新興アジア諸国やブラジルの問題は構造的なもので直ぐには完治しないと言う人がいるが、世界経済の繁栄にとって深刻な構造上の障害だけを取って見ると、それは人間の心にしっかり根を生やしている旧態然とした経済に対する思考形態であるのだ。(例:日本銀行の頑迷なインフレ目標設定に対する拒否)。 ( The return of depression economic より)

http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu41.htm

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