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隔世の感、中国の急速なクルマ社会化【朝日新聞】
投稿者 ご破算に願いましては 日時 2003 年 1 月 29 日 07:55:19:

1980年代半ばに特派員として北京に駐在した時代、車はなくてはならぬ仕事と生活の「足」だった。

 会見があるから人民大会堂へ、学者のインタビューで北京大学へ、写真電送のために長距離電話局へ、外相の外遊見送り取材で北京空港へ……どんな現場も車が無ければ仕事にならなかったろう。

 「新鮮なほうれん草とミカンが買える」との口コミ情報で農貿市場へ、「安いダウンコートがあったわよ」との耳寄り情報で家族が百貨商場へひとっ走り。モノ不足社会だった北京生活を生き抜くにも、車は必須アイテムだった。

 タクシーはあったが絶対量が少ない。流しで拾うのは困難で、ホテルなど特定のたまり場で長い行列に並ばねばならない。電話で呼ぶ方式もあったが、それが待てど暮らせど来ない。おまけに殿様商売だから運転手は無愛想で、遅れてきてもわびのあいさつの一つもない。

 そのかわり長安街など目抜き通りや第2環状線も交通量が少なく、私のヘボな運転でもすいすい走れた。駐車も楽だった。目的地に着いたら、歩道に乗り上げればいいのである。外国人所有の車は、黒いナンバープレートで特別扱いしてくれ、警察官も文句をいわなかった。

 ある夏、車好きの先輩記者が渤海湾にのぞむ海浜リゾート、北戴河までドライブ旅行を敢行した。まさに敢えて実行する、という悲壮感さえ漂う出発だった。

 沿道情報がなにもない。路面は大丈夫か。予備のタイヤは2、3本で足りるか。ガソリンスタンドはないだろうから、危ないが予備ガソリンをポリタンクに詰めて、と念入りに準備した。

無事に帰還はしたが、いやはや大変な道中だったらしい。片道がまる1日がかり。沿道で停車するとやじ馬に取り囲まれる。黒ナンバーで妙な外国人がやってきたというだけで大騒ぎだ。すると警察官がやってきて身分証明書を見せろだのこうだのと、やっかいな事態に発展する。

 四苦八苦の旅であっただけに、珍道中は立派なルポ記事になった。その日本の新聞に載った記事が、すぐに翻訳されて新華社発行の「参考消息」紙に掲載された。ドライブ旅行という概念がまだ定着していなかった時代だから、きっと編集者も「面白い」と思って採用したのだろう。

 これが80年代半ばの北京クルマ事情である。長安街の広い車線が車でびしり埋まる現状を考えると、わずか10数年で隔世の感がある。

 90年代の2回目の駐在の時は、自分では車の運転をしなかった。交通量急増の状況下で、ヘボな運転術では太刀打ちできない。たちまち事故を起こすに違いないと思ったからだ。昼間は運転手さんにまかせ、夜は流しでいくらでも拾えるタクシーを利用した。

 さて今年は2月1日が春節(旧正月)。懐具合のよい家庭では一家の海外旅行も流行だとか。富裕層のためにと、中央テレビは東南アジアなど近隣諸国の天気予報を始めた。国内残留組の茶の間の話題は様々だろうが、ホットなテーマの一つはマイカー購入計画だろう。

北京や上海など、一人あたりの平均年収が5000ドルに達した沿海部の多くの家庭が、マイカーの購買層に育ってきた。中国紙にこんなデータが紹介されていた。9年前というから1994年のことだが、車の購入者に占める私人の割合は10%にも満たなかった。それが去年は60%に達したという。

 中国は01年末にWTO(世界貿易機関)に加盟し、国際競争力の弱い自動車産業にはマイナスの影響が出るだろうと予測されたが、加盟1年目の02年は、第1汽車、上海汽車、東風の3大集団を中心に、自動車業界は収益が大幅に増えて、前年比60%増の431億元にもなった。02年の自動車生産量は、01年に比べると40%増という大幅な伸びで合計348万台に達している。今年は360万台が予想される。

 正月の話題にマイカー購入話がのぼるだろうと予想するのは、各メーカーが昨年末から今年初めにかけ、激しい値下げ競争に突入したからである。例えば好調に業績をあげている広州ホンダが新型アコードの価格を13%以上値下げすると発表。これが品質を上げての価格引き下げだったので、中国国内の価格体系に衝撃を与えた。国内有力メーカーも「紅旗」「富康」など相次いで値下げを発表。中国メディアは今年は市場のシェア争いで、「価格戦争」が激化すると予測。専門家は国産車で8〜10%、輸入車で5%程度の値下がりを予想する。

 中国は、いよいよモータリゼーション前夜を迎えたのだろう。「前夜」とことわったのは、クルマ環境の本格的な整備が伴わなければ、本格的なモータリゼーションとはいえないからである。

 高速道路網は発展しているが、給油所は何キロごとにあるか。事故・故障が起きた場合にすみやかに事故を報告し、修理サービスが受けられる態勢になっているか。商店街の駐車場スペースは十分に確保されているか。保険サービスの普及、事務処理は速やかか、など課題はまだまだ多い。

 しかし中国が遠からず「自動車王国」になることは間違いない。それ故に日本のメーカーも含め、中国市場参入に目の色を変えているのだ。

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