★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産21 > 352.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
http://www.asyura.com/2003/hasan21/msg/352.html
政府ができることとやるべきこと
投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 06 日 15:50:25:

(回答先: Re: 【デフレ問題再考 <その1>】 デフレの基本をもう一度考える 投稿者 蟻の一言をあっしらさんへ 日時 2003 年 2 月 06 日 07:49:47)


レスありがとうございます。

まず、レスの内容についてふれます。

>今宣伝している個人向けの国債は、紙幣を市場から回収するという意味では、デフレ
>要因になりませんか?(ちょっとした売りオペみたいなもの)まったく財務省は、日
>本人(とくに、低所得者層)をどこまで苦しめればいいんでしょうか?

個人向け国債は、貯蓄種別の移動で購入されるものなので直接のデフレ要因にはならないと考えています。(投資・貸し出し機会が乏しい現状では、貯蓄増加そのものがデフレ要因です)

個人向け国債は、預金+郵貯+生保保険料という金融機関と財政当局のあいだで管理してきた「国債サイクル」を歪めるものとして危惧しています。
個人はこれまで自分の預貯金や保険料が国債に化けているという意識はなく、金融機関が払い戻し(保険金支払い)に支障がない限り、スムーズに借り換え債で償還を先延ばしすることができました。
そして、国債発行高に見合う余剰通貨がない場合は、日銀が銀行に日銀券を供給してそれで国債を消化できるようにしてきました。
もうひとつ、貸し出し機会が乏しいなかで、銀行の収益を支えてきたのは国債の利払いです。

要は、財政当局と金融機関という狭いサークルで国債を管理してきたのが、無名称の国民にまで広がることで、借り換え(つなぎ)がスムーズに行かなく芽が大きくなります。
(個人は継続的に借り換えに応じるものではありません)

>政府貨幣や日銀に国債を引き受けさせて生み出された財源で大規模な景気回復策
>(例えば、国有地、不良債権の簿価買取、消費税の時限付き減税
> 国民に直接、臨時ボーナス支給、民間債務モラトリアム令
> 日経ダウ20000円までETFなどを購入
> 為替レートを160円〜170円ぐらいに固定する)
>するべきだとする提言している人もいますが、もう政府のやるべき事はないんでしょ
>うか。

列挙された政策には一時的なデフレ緩和効果を持つものもありますが、持続的なデフレ解消(経済成長)をもたらすものではありません。

「不良債権の簿価買取」や「民間債務モラトリアム令」などで過去の負債を帳消しにしても、フロー(現実の経済活動)が低迷していれば、新たな不良債権=過剰債務が発生することになります。

「臨時ボーナス支給」や「消費税の時限付き減税」などで需要拡大策を採っても、一時的な需要増加でしかないので、企業は設備投資や雇用拡大を行うこともなく、その効果がなくなった時点で元の木阿弥、それどころか、反動的なデフレ不況が襲うことになります。
「日経ダウ20000円までETFなどを購入」しても、買い手が限られているわけですから、そこ(日銀)が購入を止めた途端に急落することになります。

一般物価にしろ、株価にしろ、地価にしろ、持続的なフローの拡大がなければ持続的な価格(名目)上昇をしないものです。
フローの改善(拡大)なくして財やストックの価格上昇はないという基礎的経済論理さえ理解されていないことは由々しき問題です。

「為替レートを160円〜170円ぐらいに固定」(円安政策)は、輸入物価の上昇と輸出競争力上昇をもたらしますが、大幅な賃上げ(可処分所得増加)がない限り、国内生産品に対するより強いデフレ圧力になります。
食糧など輸入財に占める生活必需品が割合が高ければ、可処分所得=需要がそれに食われるわけですから、
日本企業による製品輸入が増大している状況では


>このまま、デフレ・消費不況に座して死を待つしかないんでしょうか。縮小均衡経済
>が進めば、絶対規制緩和されないところ(法曹界、公営事業体)以外は、惨憺たる状
>況になると思いますが?若者の海外就職も珍しくなくなる?
>日本から若者は消える?

「座して死を待つ」国民は少数派ですから、日本経済がボロボロになれば、現在では想像できない悪性インフレに転換すると予測しています。
失業者の増大・生活保護対象者の増大・高齢者の増大などに対応する赤字財政支出の膨張で、供給<需要のインフレ・ギャップが傾向的に拡大する事態になると思っています。

若者が海外に出て働ける場は、保護主義や自国優先政策が高まることで、今後ますます限定的になると予測しています。そうなれば、就業できない若者が国内にあふれ、社会状況がすさみ不安定なものになります。
若者が消えるより、荒れた若者が増加することを問題視しています。


=========================================================================================
[政府ができることやるべきこと]

政府は、まず、「デフレ不況」の根源的な要因を把握しそれを国民に説明すべきです。

原因がわからなければ対応策の立案はできませんし、政策に対する支持を国民から得るためには、原因を明確に説明する必要があります。

合理的なデフレ解消策に対する理解(支持)を得るためには、経済価値観の転換が不可欠になります。(自由主義的経済価値観が多数派のままでは政策転換はできません)

経常収支の黒字が10兆円を超え、個人金融資産もネットで800兆円は超えている日本は、合理的な政策を実行すれば「デフレ不況」を解消することができます。

端的に言えば、投資(貸し出し)機会がなく金庫によどんでいる“余剰通貨”を、政策を通じて経済活動に回るようにすることで「デフレ不況」を解消することができます。

重要なのは、供給が需要の源泉(供給=需要)という理解であり、政府や低中所得者に“余剰通貨”を回しても、必ずや供給主体である企業にそのお金が戻ってくるという理解です。
(逆に、“余剰通貨”を特定経済主体が資産として握り締めていれば経済全体が低迷し、赤字企業や破綻企業が増加しているように、資産としても劣化していくことになります)

[デフレ解消政策]

ポイントだけをほとんど説明なしで列挙します。

● 税制政策:「中低所得者減税」とその減税金額に対応した「高所得者増税」

● 税制政策:企業に賃上げを誘導する法人税の導入(暫定措置)

  ※ トヨタなど「デフレ不況」下でも高収益を上げている企業が、利益を人件費に再配分することを促す政策です。

● 金融政策:公的資金による返済不要の増資による銀行の“実質的”国有化

  ※ 一時国有化で大掃除したあとに破格値で売り払うかたちではなく、国有化した銀行が上げる収益で公的資金の返済を行う。フロー的には、持続的な貸し出し拡大を実現することが国有化の目的。
 (投入公的資金を返済し終わったあとは、国有状況が嫌なら、NTTのように株式を徐々に売って“売却益”を国家に入れるかたちにする)

● 財政政策:財政支出目的の優先度を公共事業から人的活動力への対価支払いに徐々に移行

  ※ 財政支出内容の変化が産業構造を変える起爆剤になる。


● 産業政策:企業に対して、日本向け製品を外国で生産して持ち込むこと抑制するようお願いする。

  ※ 日本向け以外の生産を中国などで行うのはいいが、日本向けは日本で生産するよう理屈を説明してお願いする。供給=需要という経済論理の理解が、「デフレ不況」克服の鍵です。

 次へ  前へ

国家破産21掲示板へ



フォローアップ:



 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。