★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産21 > 473.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
提言を受けて...
http://www.asyura.com/2003/hasan21/msg/473.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 08 日 18:52:36:

(回答先: Re: 政府ができることやるべきことの提言について 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 2 月 08 日 14:30:40)


すみちゃん、こんばんわ。

政治家は表舞台に立つ人ですから、能弁で魅力的な人物であれば誰でもいいでしょう。
政治家に協力することは厭いませんが、地盤も金もなく権力に危険性を覚えている私が政治家を志すことは無謀です(笑)


>○ 税制政策:「中低所得者減税」とその減税金額に対応した「高所得者増税」
> 中低所得者は絶対多数ですから、その説得に成功すれば実現可能です。
> 国内に定職(高所得の源泉)を持つ高所得者は逃げられません。投資と年金のみで
>食っている高所得者の一部は外国に逃げるでしょうが、言葉や家族、教育の問題があ
>るので、長期間にわたって逃げることは難しいといえます。この点、欧米諸国に比べ
>て、日本における実現可能性は高いでしょう。また、このような高所得者は年齢が高
>いことが多く、この点でも国外逃亡は困難です。

高額所得者には、低中所得者に“一時的に”お金を回すことで自分たちの所得が持続的に確保されるという経済論理を理解して欲しいと思っています。

日本のように発展した国民経済では供給主体は企業にほぼ集約されているのですから、消費性向が高い低中所得者にお金を回しても、企業に戻ってくるものです。
全世帯の73%を占める低中所得者にお金を回すことで、高額給与も投資収益も確保できるという現実を忘れるのは愚かです。

「失われた10数年」で、隆盛を誇った大企業が赤字経営に落ち込み、華やかな生活をしてきた中小企業の経営者が家を取られたり自殺に追い込まれたりしています。

高額所得者減税や消費税率アップにより自分のお金ができるだけ減らないようにとすることは、ごく一時的な利益にはなっても、中長期的な利益にはなりません。
(高額所得者や資産家が稼いだお金をがんがん浪費すれば、歪んだかたちの経済成長が実現されますが、稼いだお金を金融資産として溜め込んでいれば「デフレ不況」になります)

海外に逃避する策も、経済的苦境が日本だけの事象であればいいでしょうが、世界は「同時的デフレ不況」に向かっているので、お金を抱えて“南国の楽園”にでも逃げない限り、日本にいたほうがいいと思うはずです。
欧州は20%を超える付加価値税など日本よりも負担は厳しく、金持ちに甘い米国も、膨大な経常収支赤字と公的債務残高を抱えているので、現状の税制を維持するのは困難だと予測しています。

まあ、日本から逃げ出すのは個々人の自由ですし、いろんな経験を積むのも悪くなのでお好きにどうぞと思っています。
現在の日本は、経済活動に使われない“余剰通貨”があふれているので、金融資産を持って国外脱出をする人が少々いても経済にはほとんど影響ありません。
(通貨自体に価値があるわけでもありませんしね)


>○ 「金融政策:公的資金による返済不要の増資による銀行の“実質的”国有化」
> これも実現可能な政策だと思われます。ただし当の銀行の抵抗は激しいので、中低
>所得者を味方に付けなければ実現できません。このためには、外資の味方に「見え
>る」竹中氏や木村氏では無理です。中低所得者に嫌われるからです。もっと「泥臭
>い」風貌の政治家が必要です。また、暫定措置とするべきです。NTTのように株式
>を高値で売って早期に民営化する必要があります。

すみちゃんのほうが政治家向きだと思われる分析ですね(笑)

公金を使って大掃除した銀行を超破格値で売っぱらうのではなければ、「NTTのように株式を高値で売って早期に民営化する」かたちでかまわないと思っています。
株式売却は、早期というより、最低でも投入した公的資金をきちんと回収した時点が望ましいでしょう。

このような処理方法であれば、外資もメリットがないので手を突っ込んでこないはずです。(産業や流通に外資が進出するのはかまいませんが、銀行とりわけメガバンクが外資の手に落ちれば、産業や流通まで支配されることになり、国民経済としての自立性が損なわれることになります)


> ○ 「財政政策:財政支出目的の優先度を公共事業から人的活動力への対価支払い
>に徐々に移行」
> この説明は、抽象的すぎて理解できません。一般的には、私は財政支出の増大は望
>ましいことではないと思います。また、いわゆる「公共事業」従事者が、「対価の支
>払い」を受け得る「人的活動力」になり得るのかどうか、疑問を持っています。つま
>り、どういう「人的活動力」を必要とするどのような「事業」を想定されておられる
>のか、ご教示頂きたく思います。

赤字財政支出は基本的に反対ですが、経済活動に使われない“余剰通貨”が大量に存在しているのなら、それを政府が吸い上げて経済活動に向けて支出すべきだと考えています。
このテーマは、アメリカ蟻さんへのレスでふれていますので、そちらを参照していただければ幸いです。

> ○ 「産業政策:企業に対して、日本向け製品を外国で生産して持ち込むことを抑
>制するようお願いする。」
>   「税制政策:企業に賃上げを誘導する法人税の導入(暫定措置)」
>   これが最も難しいポイントです。はっきり言って、現在の資本主義の思考行動
>の枠組みでは実現不可能です。

かつては外国企業の直接投資を原則禁止してきた日本も、日本企業が多国籍企業化していくなかで、その利益を尊重するかたちで貿易と国際投資の自由を標榜するようになりました。
おっしゃられるように、現在の資本主義の思考行動というか、現在の経済価値観では、日本企業の製造拠点移転とそれに伴う日本への逆輸入は抑制できないと思っています。

この問題も、アメリカ蟻さんへのレスを参照してください。


>    ○ 私としては、以下の方向が考えられると思います。
>    (1) 国民国家と多国籍企業との契約(優遇条件)の明確化
>    トヨタ自動車は多国籍企業です。しかし、実は日本国民全体から、有形無形
>の支援、優遇を受けて営業が成り立っていることは明らかです。しかし、国民経済を
>破壊する行動をもしとられる場合には(仮定の問題ですよ)、日本国政府は「日本企
>業」だからという甘い対応をとるべきではなく、厳しい対応をとるべきでしょうね。
>つまり、多国籍企業はもはや土着の存在ではないのですから、無条件の優遇を行う必
>要はありません。国家からの優遇保護を受けられる条件を明示するし、契約をし直し
>ていくべきと思います。将来的には包括的契約(コンコーダンス)が必要だと思いま
>す。

自動車メーカーや家電メーカーなど名だたる優良企業は、「かつては外国企業の直接投資を原則禁止してきた」歴史がなければ、現在優良企業として存在していなかったはずです。(1950年代・1960年代に米国企業が日本に進出していたら競争に勝てない技術格差がありました。労働者は日本企業だろうが米国企業だろうが同じだったかもしれません)
さらに、高度成長期には輸出振興策が採られ、直接間接の国家的庇護を受けています。当時は“通貨不足”ですから、融資を受けられるかどうかが企業の盛衰を分けるという状況でした。

また、国家が財政で運営したり補助金を出している教育制度が、企業に優れた活動力を提供したわけです。

このような歴史的経緯を忘れ去って(捨て去って)自由主義経済を叫ぶ企業人は、率直に言ってカスです。

契約という手法を取らなくとも、主体的に目覚めて欲しいと思っています。

>    (2) 国民経済への責務達成要求(不買)
>    はっきり言って、多国籍企業が怖いのは、不買です。消費者です。決して労
>働者ではありません。労働者は、普通、代わりがいくらでもいます。そして、労働市
>場は、原理的に労働の購入者(企業)側が有利です(もし剰余価値理論が正しいとす
>れば、その原因は、労働時間説からではなく、労働市場から説明できると思います)。
労働価値説は正しいと思っていますが、剰余価値説は誤った理論だと思っています。
利潤の源泉は、剰余価値ではなく、外部国民経済からの通貨的富の流入です。
(外部国民経済からの通貨的富の流入なくして利潤を得る経済主体が存在するとしたら、国民経済内での通貨の移転でしかありません)

貨幣経済の基本は供給=需要です。
そして、この論理が理解されていないことが、現在の「デフレ不況」の根源的理由だと思っています。
(供給<需要というインフレの要因になる経済状況が生まれるのは、輸出で国内供給が減少したり、赤字財政支出で余分の需要がつくられたりしたときです)

労働力を安く雇用したら、国内の需要はそれに規定されますから、生産した財を輸出でさばかない限り、デッドストックになるか安値販売になります。

端的には、輸出や赤字財政支出が一定であれば、供給の主要要素である労働力をより高く買うことでしか、需要の拡大はできません。
同じ生産性で給与が上がれば、財の供給量は同じで需要のみが増加するわけですから、供給>需要というデフレ・ギャップは緩和されることになります。

>国民経済への責務達成う多国籍企業に求めるためには、消費者を動かすしかありません。
>このための政策は、私は一つしか考えつきませんでした。
>    国民経済に対する寄与を数値化し、国民に明示することです。
>    企業の「国民経済寄与格付け」の公示です。
>    格付けの低い多国籍企業には、国民が不買で対抗しましょう。商品サービス
>の購入者を、みんなで馬鹿にしましょう。日本国民は、これぐらいの知恵と公共性は
>あるのではないかと期待しています。

全面的に賛成ですし、“近代経済システム”や自由主義経済を基礎に考えるのなら、それ以外に有効な現実的行動はないようです。

アメリカ蟻さんへのレスで似たようなことを書きましたが、「不買運動」を自信をもって行えるためにも、できるだけ多くの国民がきちんとした経済論理を理解することが重要だと思っています。


いろいろ刺激を受けました。今後ともよろしくお願いします。


 次へ  前へ

国家破産21掲示板へ



フォローアップ:



 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。